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水道民営化は絶対阻止すべき!:すべての野党議員と地方自治体が読むべき書『日本が売られる』

必読の『日本が売られる』(堤未果氏著)

先日読み終えたばかりの
『日本が売られる (堤未果氏著・2018/10/5刊・幻冬舎新書・¥860税別)』。

ここに取り上げられた問題を、野党が真剣に研究し、政治の場に持ち込めば、政権奪還も
夢ではないのに・・・。
(いささか大袈裟ですが)そう思えるような内容でした。

できれば今後、その中のいくつかを紹介しつつ問題を考えていきたいと思っています。

ちょうど昨日2018/11/6、NEWSポストセブンで
「水道事業民営化 外資に売却で「高価な水」買わされる危険性
という記事が配信されました。
同書がマスコミにもっと大々的に取り上げられてもいいのに、と思っていたところでも
あり、同書の一番初めに取り上げている「日本の水が売られる」を取り上げたいと思い
ます。

考えてみると、「水はタダ」であった日本で、ペットボトル入の水が有料で売られ、口
にすることがごくごく自然なことになって久しいですね。
ある意味、これは、いずれ日常生活で蛇口から出てくる水を、自治体に安い料金を払って
あまり費用のことを気にせずに利用できてきたことが変わっていく、悪くなっていく、
将来への暗示、いや決められていたシナリオだったのかもしれない・・・。

日本が売られる』の「第1章 日本人の資産が売られる」<1 水が売られる>
そこでは、水道民営化が1980年代に、ミルトン・フリードマンにより南米で導入され、
次いでイギリスに。
90年代世界銀行やIMFなどの国際機関が債務国への融資の条件にされて、先進国から途上
国へと燎原の火のごとく広まっていったとされています。

その結果は、巨大水資源ビジネス民間企業による水道料金の引き上げ、必要なインフラへ
のメンテナンスのサボタージュなどが、株主資本本位により常態化し、各国・各地で大き
な問題を引き起こしてきたことを木目こまかく、レポートしています。

小見出しを取り出すと
1)「平成30年7月豪雨」がもたらしたもの
2)4000億ドル市場の水ビジネスに投資せよ
3)水は21世紀の超優良投資商品
4)「水がタダの時代は終わった」~世界水会議~
5)「もう嫌だ、再公営化する!」すると莫大な請求書が・・・・
6)世界が水道再公営化に向かう中、日本が民営化をスタート
7)「日本の水道バーゲンセール」のお知らせ
8)大阪市では「水を企業に委ねてええの?」
9)民営化を渋る自治体の鼻先にニンジンをぶらさげよ
10)オウム真理教の死刑でかき消された「水道民営化法案」

なんとなく展開が想像できるのでは、と思います。

 

PFI(公共事業民営化)法の意味するもの

この水道事業民営化。
財政難に悩む地方自治体が、何十億という金を利権販売で手にできる魅力
にはついついその先のことなど考えることなく、いとも簡単に負けてしま
う・・・。

その契約には、
◆「水道料金」は厚労省の許可なしで、届け出一本で変更できる
◆水道設備の更新費用、株主・役員報酬、法人税・内部留保などすべての
費用を料金に上乗せできる
◆上下水道や公共施設の運営権を民間に販売する際、地方議会の承認は不要
◆災害時に水道管が壊れた場合の修復は、自治体が責任を負う
などの法律上の保証・裏付けが行われているといいます。

その法律が「PFI(公営事業民営化)法」です。

実は、先述した、
「水道事業民営化 外資に売却で「高価な水」買わされる危険性
で指摘されているのが、この「PFI法」の成立に当たって、水メジャー企
業と頻繁に会っていたことが記録されている内閣官房
大臣補佐官が、先日密
かに退任したこと。

その理由として、立憲民主党がこの問題を把握し、国会で追及する動きがあ
ることから、先手を打って辞任したのではないかと指摘しているのです。
十分あり得る話ですね。

 

水メジャーの本拠地フランス・パリで実現した水道再公営化

こうした世界的な流れに、敢然と立ち向かったのが、皮肉にも、一度は耳に
したこともある水メジャー・ヴェオリアの拠点フランスはパリ。
民営化後、水道料金が倍以上に跳ね上がり、設備は老朽化し、サービスも悪
化の一途。

 

そこからのパリ市と市民による水道事業再公営化の活動が、同書の
「第3章 売られたものは取り返せ」
<4 巨大水企業のふるさとで水道公営化を叫ぶ ~フランス>
で詳しく紹介されています。

ちなみに、日本の自治体の水事業民営化の先鋒は、ヴェオリアの日本法人
ヴェオリア・ジャパンで、その実績を広げつつあります。

ぜひ本書をお読み頂きたいと思います。

少子化人口減少社会日本で、中高齢世代と政治が果たすべき責務

いずれにしても、「水はタダ」(に近い)日本で、いつの間にか、石油並み、
いやそれ以上に負担を強いられ、かつ安全安心な生活を脅かされるリスクを、
抱え込む水事業公営化、公共事業民営化政策と法律。

正しく知らされていない、またある意味知ろうとしていない国民の理解不足は、
驚くことに、マスコミも政治家も地方自治体もほぼ同レベルに近いと言えます。

当然、世界の動きにもこれまで無頓着だったということでもあります。

問題先送り、責任回避をもっぱらとする一億総モラトリアム社会・国家である
日本と日本人。
超高齢化人口減少社会においてそのツケ・負担は、現役世代と少子化が進むそ
の世代に間違いなく回されていきます。
これまでのその公共財、豊かな国民の資産・資源の恩恵を被ってきた中高齢世
代は、次世代に向けての責任を自覚し、しっかりその責務を果たすべきです。

繰り返しになりますが、この書、すべての方々にお読み頂き、理解認識し、可
能な行動に結び付けていければと思います。

 

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