地球温暖化をめぐるIPCC報告とESG投資動向に注目

地球温暖化を巡るIPCC報告と今後の見通し

「国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が、進行する地球温暖化により
2040年頃には、18世紀半ばに端を発した産業革命前より1.5度気温が上昇すると予測。

300年以上かかっての1.5度上昇と聞くと大したことはないような感覚を受けますが、
ここ数年、当たり前のようになってしまった夏の最高気温の40度超えや、多発する集
中豪雨がもたらす被害などを経験すると、人間らしい安全・安心な生活を送ることへ
のリスクを感じざるをえません。

IPCCは、温暖化がもたらす被害を抑制するには、21世紀半ばまでに経済活動におけ
る温暖化ガスの排出量を、実質ゼロにする必要があるとしています。

こうした事情・背景などについては、3ヶ月前になりますが、2018/7/24付日経の
◆「2040年1.5度上昇、進む温暖化 IPCC予測、猛暑や豪雨多発」
という記事でレポートされています。

このIPCC総会で、正式にこの内容の報告書が採択されることを報じたのが、同紙
2018/10/6付。

◆「IPCC総会、温暖化ガス「実質ゼロ」必要 2040年1.5度上昇の報告書採択へ」

IPCCの影響を受けるものとし、今年2018年12月にポーランドで、世界的な温暖化
対策を話し合う「第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)」が開催。
そこでは、島しょ国や発展途上国から、先進国に対して排出削減や資金支援を求め
る声が高まる可能性があり、簡単に同意しないとみられる先進国との意見の対立が
予想されています。

これを受けて、翌2018/10/11に日経は
◆「温暖化特別報告が突きつける厳しい現実」
と題したレポートを掲載しました。
リンクからお読み頂ければと思います・

また、こうした流れの中で、2018/10/10付日経夕刊では

◆「車のCO2削減案 EU環境相、35%減で合意 欧州委30%、議会は40% 3者交渉難航も」
と題したレポートもありました。
環境問題に厳しく臨んでいるEUらしい動きです。

 

証券・金融業界における環境関連企業投資撤退と広がるESG投資

温暖化対策を基本としたグローバル社会における政治的な動きに、ここ数年で
急速に歩調を合わせ、むしろ動きを早めつつあるかのように思えるのが、証券
・金融業界の動向です。

その一端は、2018/9/5付日経の
◆「脱化石燃料へ株売り圧力 世界900超の投資家表明 事業転換促す」
と題したレポートで知ることができます。

投資マネーが、気候変動リスクの回避を目的として、インベストメント「投資」
ではなく、「投資撤退」ダイベストメント=株式売却に動くことをレポートし
たものです。
その対象は、気候変動を助長する事業を手がけ、規制などで業績悪化のリスク
を抱える企業など。
事業転換を促す目的もあるというわけです。

詳しい内容は、上記のリンクからお読み頂きたいと思いますが、
その取り組み例を挙げると
◆「化石燃料ダイベストメント法」を可決し、政府系ファンドが石炭や石油など
化石燃料企業に関連する資産を5年以内にすべて売却すると決めたアイルランド
◆化石燃料企業等約190社からの投資撤退を決めたニューヨーク市
◆中国電力・北陸電力等電力6社の株式を売却したノルウェーの公的年金
◆採炭や石炭火力発電への新規融資の停止を決定したBNPパリバ、オランダING、三井住友信託銀行

また、同紙2018/10/21付では
◆「石炭火力の保険受託、欧州金融が相次ぎ停止」
と題して、
独アリアンツグループや独ミュンヘン再保険、スイス再保険などが、石炭火力発電
事業向けの保険引き受け停止を表明したことを報じています。

当然、こうした動向・方針は、反対に環境に貢献する事業を推し進める企業への投
資を積極的に行う活動も拡大するわけです。

これについては、前後しますが、2018/9/16付日経の
◆「ESG投資 企業の社会貢献など重視」
と題した記事で知ることができます。

 

ESG投資とは?

◆Environment(環境)
◆Social(社会)
◆Governance(企業統治)
の3つの英単語の頭文字を組み合わせたのがESG。
企業投資にあたり、利益率やキャッシュフローなどの数値情報だけで判断せず、
この3要素に照らして「優れた企業」選んで行うことを意味するESG。

このESG投資は、2006年に国連提唱の「責任投資原則(PRI)」と通じ、
世界約2000機関投資家がPRIに署名し、2500兆円規模の資産残高を持つ。
この機会ですので、この流れに沿う形で、2018/9/16付日経で掲載された
丸紅、石炭火力の開発撤退 既存権益も半減へ 再生エネにシフト」
と題した記事を添えておきたいと思います。

民間企業は、政治に先行する形で、環境エネルギー事業方針を転換し、新た
な政策を推し進めつつあることを確認できることは、嬉しいことです。

 

こう見てくるとやはり、どうしても日本のエネルギー政策について一層遅
れと矛盾を感じざるを得ません。
なかでも原発問題です。
次回、原発のグローバルレベルでの動向を再確認し、考えてみたいと思います。
しか区
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