子育て忌避傾向の広がりで少子化・待機児童問題を止められない社会

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 世代を円滑に継承していく社会
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これが、当ブログサイトの基本的な願いであり、サイトのすべてのカテゴリーに共通
の視点としています。

地球温暖化が、地球熱帯化にまで行き着くかのような昨今。
拡大し異常化する自然災害も、世代の望ましい継承の大きな障害となっています。

夏休みが、子どもにとっても、親にとっても試練の季節に・・・。
今春、待機児童問題を解決できなかった親御さんにとって、あるいは、来春入所・入
園のための保活に不安を感じている親御さんにとって、この夏の暑さは、一層のスト
レスをもたらすのでは・・・。

そんなこともふと考えてしまいます。

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 少子化だが待機児童問題が解消されない矛盾と要因
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生産年齢人口=労働人口の減少を防ぐための女性就労と高齢者就労促進政策。

そのために女性が就労機会を求め、育児を保育所・保育園に委ねることを希望する親
が増加。
その増加が、保育所施設数・収容児童数を上回り、待機児童は減らない。

また、就労している女性が子どもを産んだ後、仕事への早期復帰を希望する傾向が一
層増している。

保育実務を担ってくれる保育士が不足し、施設があっても、定員いっぱいまで乳幼児
を受け入れることができない現状もある。

一方、働かなければいけない個々の事情はもちろんあるでしょうが、うがった見方、
考え方と批判を浴びそうですが、どうも女性が育児・保育を行うことを、できれば回
避したいと思う傾向が、年々増してきているのでは・・・。

ここ数年、そう感じています。

 

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 母性を求められること・持つことを女性自身が忌避・批判する社会に
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ジェンダー問題が、人が持つ共通の平等の権利として取り上げられ、社会もその流れに
沿って変化が進むようです。

それは望ましいことと思いますが、母性を取り上げると、その視点と同次元で、母性そ
のものを論じることさえはばかられる、否定・非難される雰囲気にさえなっています。

となると、父と母という、男と女という2つの性の違いに起因する人間の基本的な生理
とその構造さえも自己否定することになるのですが・・・。

すべての女性に母性を要求するのは、おかしい。
それは女性蔑視、女性の人権を否定することだ!

そういうロジックになるのでしょう・・・。

でも、現実に、子供を妊娠し、出産する営みは女性しかできないわけで、母性議論否定
者は、それが可能な、唯一の性である「女性」を、自ら否定していることになるのです
が・・・。

それは、決して、否定・批判される性的役割分業制と同一の根にあることと論じる問題
ではないと思うのですが・・・・

母性を要求されたくない女性は、子どもを絶対に出産しないと決めて実践するのならば、
道理が通りますが・・・。

子を持ち、母となるというライフステージを拒否する人。
そうならば母性議論を否定・批判しても、それなりに納得できます。

でも、それでいいのかなあ・・・。
私は素朴にそう考えるのです。

生き方の自由。
結婚しない権利、結婚しない自由。
子どもを持たない権利、子どもを持たない自由。

それも自ら決めたのならば、だれも否定も批判もできない。
それはそうですね、生き方選択の自由です。

でもやっぱり、それでいいのかなあ・・・。
そう素朴に私は思います。

一人の人間として、その人生において、父親・母親という役割を自ら選び、担う生き方。
それも当然の権利の一種、生き方のひとつ・・・。

母性とか父性とかの有無ではなくて、ただ母や父として、親として生きるステージを一
生のプロセスに持つ。

そして、できるならば、自ら乳児・幼児の養育を、責任をもって担う時期・期間を可能
な限り持つ。
形態・形式は、多様な選択肢の中から・・・。

人間の自然な営みの在り方として・・・。

子育てがとても大変で、女性・母にばかり負担が・・・。
そうした問題は、男性・父親の在り方の変化、意識の変化とともに改善をみせてきてい
る・・・。
社会や企業などの意識・支援システムも拡がりつつある・・・。

女性からみるとまだまだ不平等、大きなハンデを負っている。
一般的な認識なのかもしれませんが、その根底に、どうも、子育てが大変で、その負担
からできることなら逃げたい。
そう思う傾向が、もしかしたら、意識・無意識のうちに高まってきている・・・。

 

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 後押しする「仕事と育児の両立」の政策課題化とその次
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仕事があるから、仕事をしないと生計が苦しいから・・・。
それぞれ個々には、致し方がない理由はあるでしょうが・・・。

仕事と育児の両立、という切り口での社会政策・経済政策が先行し、だれにも共通の課題
・責任と認識すべきように先導・扇動されているのでは・・・。

そうした観念を政治・経済主導で推し進めると・・・。
ますます、女性は働かねばならないことを理由に、育児負担を減らすこと、避けることを
正当化できる、と言えなくもない・・・。

自己実現や社会貢献という、素晴らしい目的・スローガンも後押しする・・・。

結婚しても夫の収入だけでは、やっていけない。
結婚しているけれども、夫の収入だけではやっていけない。
それぞれの理由・状況もある・・・。

それが、巡り巡って、晩婚化・非婚化にもつながり、少子化の歯止めが一層かからなくな
る・・・。

少子化のスパイラルは、多様な要素・要因の絡み付きで、政治的・経済的・社会的政策の
打ち手の困難さを、一層複雑化させ、混迷を深めていっています。

その困難にどのように対応すべきか、対応できるか・・・。
先行世代のできることはなにか・・・。

諦めずに、追っていきます。

 

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