未婚選択の方に考えて頂きたい社会的責任と背景:高齢者支援率から考える少子高齢化社会対策

人口減社会や少子高齢化社会の問題を経済成長の必要性と結びつけて
考えることに多少の違和感を感じます。
「生産性を上げる必要がある」というのも同じ次元ですね。

少子化対策の中で結婚を奨励し、子どもを産み育てることを奨励する理由。

その一面は、不謹慎からかもしれませんが
超高齢化社会における社会保障費の増大が
今流の表現を用いるならば
「ハンパない」からと言えます。

そのハンパない状態を理解するのに非常に分かりやすい指標が
提示されています。

「高齢者支援率」という数字です。

 

高齢者負担率と子ども2人必須条件の根拠

高齢者負担率とは、
20歳~64歳の現役世代人口を、65歳以上の高齢者人口で割った数値。
65歳以上の人、一人を、20歳~64歳までの人が何人で支えるか、
ということを意味します。
現状の年金制度に基づき、65歳以上が年金受給者としての推計です。

1965年では(この時の年金受給開始年齢は今より絶対若いですが)
65歳以上一人に対して、9.1人。
この状態を「胴上げ型」と表現しています。

それが、
◆3年前の2012年では(この年は65歳完全移行途中)
同じく、2.4人で、これを「騎馬戦型」と言うそうです。

そして
2050年には
(もしかしたら年金受給開始年齢が70歳、とうことになっている
かもしれない・・・ですが)
一人を1.2人で支える「肩車型」。
あの、お父さんが小さな子供を肩車するイメージじゃなくて
<成人した子が、年老いた親を肩車している図> を想像してください。

夫婦二人で、子供二人。
二人の子どもそれぞれが、お父さんとお母さんどちらかを肩車!

これで最低限の責任を果たしたことに!?
なるわけです。

そう考えると、子ども3人家庭は、貢献度大で
3人目の保育費用や教育費用は無料にする、養育費や子ども手当を厚くする!
そこには、合理性があり、納得度が高く
推し進めるべき政策であると言えること。
大納得! です。

少子化対策に盛り込まれていて当然です。
企業も頑張って、第3子以上には子ども手当を奮発して支給してください!

 

ということは
子どもを持たない人生を選んだ場合
自分の老後の年金受給を支えてくれるのは、赤の他人、ということになるわけです。
(屁)理屈、半ば冗談ですが・・・。

だから
せっかくの人生だし
いずれ年金で暮らすことになるでしょうし
介護などのお世話になることもあるでしょうし
それを支えてくれる世代要員として、結婚して、子どもを持ち、育て上げ・・・。
もちろん、夫婦、親子という自分社会を作って、家庭生活を営み・・・。

そう考え、そうお薦めするのは
はやり、大きなお世話、でしょうか・・・。
ムリな、無茶なお願いでしょうか・・・。

そうでなく
そんな人生ではなく
それまでの人生で、相当の収入を得て、所得税や年金保険料などで
多額を納税・納付したり
企業経営で雇用を創出し、従業員の納税・納付の源泉であった、
などの貢献があれば、
そういう素晴らしい生き方の上での老後ならば
肩車をしてくれる人(子)がいなくても社会的責任は十分果たして
頂いたわけですが・・・。

もちろん
心身の健康に恵まれず、自立した生活を送れない方々への生活保護は
社会保障政策として、十分配慮されるべきことは言うまでもありません。

年金所得代替率が示す、国の社会保障制度と豊かさ

実は、高齢者支援率が高くなっていくのは、
別に課題先進国日本の専売特許(古い表現ですね。今は死語かもしれませんね。)
ではなく
日本だけの課題ではなく、世界各国共通の課題です。
そこで注目すべきは、高齢者支援率との関係で見る「総所得代替率」です。
「年金所得代替率」とも言います。

総所得代替率、年金所得代替率とは
その年金需給開始時の年金額が
その時点の現役世代の平均年収と比べてどの程度あるか示す数値。

この数字が、
受け取る年金のレベル・水準、
現役世代の収入と比較してのレベル・水準を表し
同時に、社会保障費としての年金の多い少ない、社会保障のレベル・水準を
意味するわけです。

2012年の制度と実態をベースにした計算では
日本の所得代替率は、32.6%で
他海外諸国10カ国の数値と比較すると、最下位となっています。

もちろん、こうした数値の集計基準が国ごとに若干異なるので
すべて正しいと判断できないのですが
最高は、オランダの90.7%がダントツです。

しかし、この数値が高ければ高いほど良い、という単純なものではなく
例えば、国家の財政破綻問題を長く引きずっているギリシャの53.9%
という数値は、実態を考えると異常に高過ぎると言えます。

以下に所得代替率(画像データ)は、上記文章で用いたデータ(OECDデータ)とは別の
厚生労働省の資料を引用しました。

 

日本の数字は
莫大な財政赤字の上での数字ですから
水準の低さの問題との二重の問題を抱えていると言えます。

課題先進国から、課題克服国へ!
少子高齢化社会対策は、こうした根本的な社会問題として
取り組んでいく必要があります。

結婚、出産という情緒・意志・意識主導の、
一人ひとりの生き方の問題が
意識しようとすまいと、
こうした社会的責任と情緒的にも、経済的にもつながっていることを
時々、思い起こしたいと考えるのです。

 

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