仮想通貨ノアコイン発行主体による東証2部上場会社ビート買収提案をめぐる報道の表裏

2018/8/9付日経の第2面<真相深層>欄に
仮想通貨「東証上場」に食指 香港企業、2部の中国系に買収提案」
⇒ https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180809&ng=DGKKZO33958190Y8A800C1EA1000
と題した記事が掲載されました。

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東京証券取引所第2部上場企業ビート・ホールディングス・リミテッドを巡り、「市場の番人」
である東証に緊張が走っている。
同社は6月、香港拠点の仮想通貨会社ノア・アーク・テクノロジーズから事実上の買収提案を
受けた。
国内で仮想通貨業者と認められていないノアが、東証の上場企業を傘下に収めることに問題は
ないのか。仮想通貨と距離を置いてきた東証には戸惑いも広がる。

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こんな論点から、6月以降のこの事案に関する動向を紹介していますが、その内容は、上の
リンクから確認頂ければと思います。

ここでは、ビート社のHPのプレスリリースを用いて、そのプロセスと概要を以下、列記し
ます。

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まず発端となったのが、2018/6/8に公開された、以下の案内
1.株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ  (2018/6/8)

そこでの主な提案を整理してみました。
1)社名変更:ビート・ホールディングス・リミテッドから Noah Coin Global Limited
への変更
2)Noahへの割当の私募発行
3)その資金使途:
①日本、北米、シンガポール、香港、インドネシア及び中国等のアジア諸国並びにロシア
及びウクライナを含む欧州諸国における、仮想通貨取引所の開設又は買収
②ブロックチェーン 3.0 エコシステムを構築し、異なるブロックチェーンエコシステムの
③シンガポール、香港又はその他の地域の完全子会社によるICOを通じて約 10 億米ドル
調達
④Noahとビート間の戦略的パートナーシップ契約締結

この提案を臨時株主総会を開催して、承認を図るよう求めました

 

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これを受けて、2018/6/27には、以下の要約でビート社は回答しています。

2.(続報)株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ  2018/6/27

<本件提案の検討の状況について>
ビート社は既に複数の企業(主に日本の上場会社)との間で新規の資本及び業務提携
について検討・協議を進めており、その交渉結果も踏まえて、Noa からの提案に対す
る当社の考え方及び対応の方針を決定する。

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この発表を見たときに感じたのは、ノアが先の提案を検討していた時に、ビートが他
社との業務・資本提携の交渉途上にあったことを知っていたのかどうか、ということ
です。
知らずに、事前コミュニケーションなしに、いきなり株主提案をしたとすれば、望ま
しい方法であったとは思えません。

そして、2018/7/10のプレスリリースでは、以下ビートは発表しました。

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3.(続報 2)株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ  2018/7/10

本日付「Wowoo Pte. Ltd.との資本業務提携に関するお知らせ」でお知らせしたとおり、
当社の取締役会は、Wowoo Pte. Ltd.との間で本件資本・業務提携にかかる契約を締結
することを決議。
Noah が議案として提案している内容については受けいれない意向。

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はっきりと、「ノー」と意思表示したわけです。
その前にも、その後にもノアとビートとの話し合いは持たれたと思いますが、このビート
の意志表示を受けて、慌ててなのか、友好的なアライアンスを提案したかったのか、
2018/7/25のリリースされた以下の提案を行いました。

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4.(続報3)株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ  2018/7/25

<株主提案2>
Beat が Wowoo Pte Ltdのような他の第三者と資本及び業務提携を検討していると理解
し、新たな提案を追加する。
1)資本提携
Beat が 5,000,000 株の新規株式及び 10,000,000 個の新株予約権 を発行しこれらを
私募によって Noah に対して割り当てを行い、Noah がこれを引き受ける。
2)資金使途:
①Crypto messaging platform(仮想通貨メッセージング・プラットフォーム)の開発、
オペレーシ ョン及びグローバル展開
②ブロックチェーン 3.0 エコシステムの開発
3)業務提携についての提案:資本提携により提供される資金に加え、Beat の要請によ
り Noah は以下の事業の開発のため、最大 100 百万ドルをプロジェクト資金として提供
①Noah は、Noah Ark Wallet と共に Beat の仮想通貨メッセンジャーの開発をサポート
②Noah のブロックチェーン技術適用に関する専門 知識及び投資を活用して、Beat のヘ
ルス・ブロックチェーン・エコシステムの開発及びオペレーシ ョンをサポート
③将来、Beat Holdings Limited 又は同社の子会社が、仮想通貨メッセージング・プラッ
トフォーム又 はヘルス・ブロックチェーン・エコシステム事業にもとづいて ICOを、シン
ガポールあるいはその他 ICO が合法である国地域で実施することを検討する場合、 Noah
は、最大 50 百万米ドルの投資を含め、当該 ICO を最大限サポート

 

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こうした検討や提案を進めるなかで、果たして、株主総会で、ノアが勝つことができると
いう確証をもっていたのかどうか。
非常に疑問が残っています。
なにより、弁護士を含め、法務やM&Aに強い日本人スタッフ、スペシャリストがいるのか
どうか、一連のプロセスを見る限りでは、見通しが甘く、雑な進め方にしか見えません。
初めの提案に、次の提案を単純に上乗せするというのも、プロのやり方とは思えません。
過半数の議決権を押さえているのなら別ですが・・・。

そして、昨日2018/8/8のプレスリリースで、こんなことになったのが明らかに。

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5.(続報4)株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ  (2018/8/8)

本日、当社は、Noah より株主提案1を取下げ、株主提案2のみの決議を求める意向である旨
の通知を受領した。
臨時株主総会の会日は、2018 年 9 月開催計画していた定時株主総会と同日開催とする方向で
検討中。

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まああり得ないノアサイドの失態、と言ってもよいのでは、と思います。
先に述べた議決権のどの程度を掌握しているかについてですが・・・。

今回の案件のここまでのプロセスにおいて、多少、ノアが優勢に進めうるように株式保有につい
て既存大株主からの買取りや新株引受権の行使の動き、対するビート側の防御対策の動きなど、
主要株主・筆頭株主の異動についてのリリースが、数度行われています。

一応、直近では、2018/7/23付での状況は、以下の同7/25のリリースで確認できます。

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主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ (2018/7/25)

これによれば、Noah Ark Technologies Limited の保有率は14.88%。
同社の役員保有分を含めても15%程度でしかありません。
ちなみに、ノアの提案に反対の、ビート社の代表取締役の株保有率は1桁台ですが、ノア提案の
否決には自信を持っているのではと感じています。
(具体的な根拠はないのですが9

この一連のプロセスで、一時ビート株は2日連続でストップ高を付けましたが、その後急落。
その流れの中で、ノアサイドの負担は増えたと思われます。
本気で買収するなら公開買い付けを選ぶ方法もあったでしょうが、それでは今後の事業展開に
大きな支障が出るはず。

浮動株主がどの程度いるのか、現状把握できていませんが、どうやら今回の買収劇。
劇に終わり、現実にはなりそうもないような気がします。

 

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実は、この仮想通貨ノアコインは、2016年12月に第一次プレセールを開始。
日本の著名人を日本におけるプロモーションに活用し、鳴り物入りで、その後のプレセールで
多くの仮想通貨投資者を募りICOにより資金調達。

ただそのプロセスで、実態とは異なる内容も流布され、トラブルも発生。
しかし、一応今年3月以降、海外の複数の交換所で上場しています。

その後も、初めに上場した交換所では、金融庁の規制意向を受けて、日本人の取引が停止され
るなどの問題も発生。
もっと問題なのは、初上場日の瞬間の高値付け以後は、またたく間に大幅に価格が下落。
いわゆる「半端ない」ICO割れのレベルが続いており、投資家・投機家の批判を浴びている
状況にあること。

日経では、資金調達や上場後のノアコインの動向についてはまったく触れていません。

今回の買収騒動。
もし、ノアの敗北となれば、ノアの価格にマイナスになる可能性が高いですが・・・。
まあ、この仮想通貨業界。
何があっても不思議ではないですが、その将来性に大きく水を差すことにならないよう、望み
たいものです。

本当に仮想通貨をめぐる動向・話題に事欠かない現状。
ブロックチェーン活用は、仮想通貨とは関係のないところでの話題がこのところ随分増えてき
ているのが、多少なりとも救いとなっています。

それにしても、このノアコイン問題。
不明・不透明のことがあまりにも多い・・・。
機会があれば、また投稿したいと思っています。
ノアコイン以外でも、総裁選がらみでマスコミの餌食になっている仮想通貨もあり、で、多く
の投資・投機家の気が休まらない酷暑・厳暑の季節が続いています。

 

 

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