増える死亡者、下がる葬儀単価。競争激化の葬祭業界:日経MJ『第35回サービス業調査』より(5)

恒例の日経MJによる『第35回サービス業調査』が11月1日に掲載されました。
介護業界について、「在宅(訪問)福祉サービス」と「有料老人ホーム」の2つの
区分での結果を紹介したのが、以下。
介護報酬改定が経営圧迫要因に:日経MJ『第35回 サービス業調査』から(1)
認知症高齢者増加で高まる入居型介護施設のニーズ:日経MJ『第35回 サービス業調査』から(2)

このサイトでは、保育業界、結婚サービス業界、葬祭業界を紹介してきました。

<保育サービス>を取り上げた
保育ニーズの高まりに早朝・夜間アルバイト保育士も:日経MJ『第35回サービス業調査』より(3)

<婚活>関連で<結婚式場・手配><婚活・結婚情報サービス>を取り上げたのが以下
少子化・非婚未婚化で縮小する結婚式業界 vs 増勢の婚活サービス:日経MJ『第35回サービス業調査』より(4)

今回は、最終回で<葬祭業>です。

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 『第35回 サービス業調査』:葬祭業
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<売上ランキング>

 

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以下が、記事コメントの概要です。

葬祭業の売上高は、前年比で、3.5%増加。
2016年の死亡者数は129万6000人で、同じく0.4%増加。

葬儀のあり方は変化し、親族や友人だけを呼ぶ小規模な葬儀への傾向が強ま
りつつある。

葬儀1件当たりの平均単価は、上位10社で単純平均すると137万7千円で、
年比2千円増。10社中7社が客単価を下げた。

また終活関連のサービスも増えてきており、家具調の小型仏壇やアクセサリ
ー系供養グッズが人気。墓石は納骨堂や樹木葬の増加で伸び悩んだ。

 

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超高齢化社会は、介護ニーズと葬儀ニーズが自然増。
簡単に言えばそうですが、いわゆるその成長産業を狙って競争は激化する。

しかし、介護業界は、介護スタッフの人手・人材不足と介護報酬制度の制約など、
簡単にはいかない。
死亡者数が今後当分増え続けるとみられる葬祭業界は順風満帆かというと、そう
でもない。

記事文では、<消費者>と表現しているのには、ちょっと変な感じを受けますが、
超高齢化社会では、介護や医療で高齢の親にそれなりの費用を費消している。
また、身寄り・知人も、高齢化すればするほど少なくなり、葬儀に参列する人自
体少ない。
となると、コスト的にも、手間暇的にも、やり方は簡素に、費用も少なめに・・・。
これは必定、世の流れ・・・。

そして、やはり葬儀だけにとどまらず、お墓の問題も大きい。
納骨堂や樹木葬、小さなお墓、住まいに近いところへの埋葬、海洋散骨・・・。
遺品の整理や種々の終活支援サービス・・・。

葬祭業も、こうした一連のライフイベントに関するワンストップサービス事業網
を整備拡充する必要が出てきます。

ランキングに見るように、下位の企業の多くは、前年比で売上高を減らしていま
す。
これがやはり記事にあるように、一握りの積極的な事業展開をする企業を除けば、
経営が厳しくなること示しています。

当ブログでは、<高齢者・終活>というカテゴリーで、その折々の話題を紹介し
ています。
樹木葬・海洋散骨・納骨堂・終活 etc. ・・・
ご関心をお持ちの方は、<シニア・介護>カテゴリーをクリックして、これまで
の投稿をチェックして頂ければと思います。

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上野千鶴子氏著

☆☆☆『おひとりさまの老後

(2007年7月初出・2011年12月10日刊・文春文庫¥648)
カスタマーレビューページ

☆☆☆『おひとりさまの最期

(2015年11月30日刊・朝日新聞出版・¥1,512)
カスタマーレビューページ

☆☆☆☆『老い方上手』<樋口恵子氏・大熊由紀子氏・井上治代氏・会田薫子氏共著

(2014年12月22日刊・WAVE出版・¥1,512)
カスタマーレビューページ

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