保育ニーズの高まりに早朝・夜間アルバイト保育士も:日経MJ『第35回サービス業調査』より(3)

恒例の日経MJによる『第35回サービス業調査』が11月1日に掲載されました。
介護業界について、「在宅(訪問)福祉サービス」と「有料老人ホーム」の2つの
区分での結果を紹介したのが、以下。

介護報酬改定が経営圧迫要因に:日経MJ『第35回 サービス業調査』から(1)
認知症高齢者増加で高まる入居型介護施設のニーズ:日経MJ『第35回 サービス業調査』から(2)

このサイトでは、保育業界、結婚サービス業界、葬祭業界を紹介します。

まず、保育業界。
前年はこちらで確認頂けます。
待機児童増、保育所増で前期比18.3%増収。事業規模が小さい実態も:『第34回 サービス業総合調査』から(4)

以下、今回のランキングと概括記事を、前回との比較を混じえて紹介します。

--------------------------------
 『第35回 サービス業調査』:保育サービス
--------------------------------
<売上高ランキング>

 

---------------------------
参考までに、前回のランキング上位は、以下の通りでした。

 『第34回 サービス業総合調査』:保育サービス
<売上高ランキングベスト17>
***** 社  名      部門売上高(百万円) 前年比/伸び率(%)
1位 JPホールディングス(アスク)  20,552 15.0
2位 こどもの森            12,139 16.6
3位 サクセスホールディングス     11,716 15.9
4位 ポピンズ             10,221 20.5
5位 アイグラン             7,576 44.4
6位 ピジョン              6.757 0.5
7位 アートチャイルドケア        6,146 18.5
8位 小学館集英社プロダクション     5,720 2.9
9位 テノ.コーポレーション       3,571 -
(ほっぺるランド)
10位 ニチイ学館(ニチイキッズ)    3,383 51.8
11位 コビーアンドアソシエイツ 2,800 16.7
12位 ライフサポート(ゆらりん)    2,529 -
13位 学研ココファン・ナーサリー    2,003 38.4
14位 トットメイト           1,922 11.0
15位 明日香              1,222 22.3
16位 アソシエ・インターナショナル   1,126 22.0
17位 京進(HOPPA、ビーフェア)    980 132.8

-------------------------

介護業界の伸び率の鈍化と企業間格差の拡大傾向と比べると、保育業界は、ここ
数年、成長が続くと考えられます。
前年比20%以上の伸びを示す企業がザラ。
ただ、トップ企業が1000億円を超える介護業界の大手企業の年商と比べると、こ
ちらは200億円超、とその差は歴然としています。
(もちろん、介護報酬制度で収入がある意味手厚く保証された介護業界と比べては
いけませんが。)

年商1億前後の事業所は、人材確保を初め、介護業界同様厳しいと思います。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

<業界動向概括>:早朝や夜間 ニーズ拡大
-------------------------

保育サービスの売上高は20.7%増で、伸び率は前回調査を2.4%上回った。
待機児童数は4月1日時点で2万6081人、前年比2528人増と保育ニーズは拡大を
続けている。
国は20年度末までに32万人分の追加の受け皿確保を掲げた。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

こちらも参考までに、昨年の概括です。
-------------------------
<前回業界動向概括>:待機児童増え需要高まる

 保育サービスの売上高は(前年比)18.3%増。
 伸び率は前回の調査を3.2ポイント上回った。
 全国の待機児童数が2年連続増え、都心部を中心に需要は高まる一方。
 保育所「アスク」を運営するJPホールディングスは15.0%の増収。
 高まるニーズに応えるためには保育士の確保が欠かせない。
 賃金の改善や離職した社員の復帰支援に注力している。

 保育所に入れない全国の待機児童は4月時点で2万3553人と、2年連続で前年増。
 厚労省と内閣府は17年度末までの5年間で保育の受け皿を50万人分増やし、待機児
童をゼロにする計画。
 保育所新設の機運は高まっているが、保育士不足が各事業者にとって当面のネック
になる。

 

---------------------------------

構造的には、継続する待機児童問題へ対応は、施設数を増やすことでしか改善でき
ません。
新設も反対に遭ったりで、簡単ではなく、企業主導型保育所が頼みの綱、という感
じです。

介護業界同様、人材獲得競争は激化する一方です。
まだ介護業界よりもマシ、なのかもしれませんが、潜在保育士を掘り起こすことは
簡単ではないでしょう。
保育士の仕事に就くこと、継続することで将来の生活の安定をイメージできるか。
介護士と同様の本質的な問題の改善・解決への取り組み。
やはり、ある程度の規模が必要と言わざるをえません。

保育事業の厳しさがあるように、保活の厳しさも、母親の就労意欲の高まりとも相
まって、さほど改善されることなく続くのではないかと思われます。

 

次回は、婚活関連業界を取り上げます。

-----------------------------




---------------------------------

高崎順子氏著

☆☆☆☆☆『フランスは少子化をどう克服したか』(2016年10月20日刊・新潮新書)

カスタマーレビューページ

小林美希氏著

☆☆☆『ルポ 保育崩壊』(2015年4月21日刊・岩波新書)

カスタマーレビューページ

☆☆☆☆『ルポ 保育格差』(2018年4月20日刊・岩波新書)

カスタマーレビューページ

稲熊弘子氏著

☆☆☆『「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?』(2014年7月25日刊・角川SSC新書)

カスタマーレビューページ

前田正子氏著

☆☆☆『保育園問題 待機児童、保育士不足、建設反対運動』(2017年4月25日刊:中公新書)

カスタマーレビューページ

関連記事一覧