衝撃の実態・制度を、仏在住日本人ママが体験調査レポート:『フランスはどう少子化を克服したか』より(1)

少子化対策が、日本の制度と風土・文化、両面の壁で、なかなか実効を期待できるも
のと評価されない、期待できない・・・。

よくヨーロッパの制度が参考になると言われますが、根本的には、高福祉高負担政策
のもと行われていること。
日本では、そうした根本的な大改革はムリ・・・。
そんなところで引き下がってしまうところもあります。
しかし、実際のところ、フランスが、出生率2.0に戻している、という話を聞くと
やっぱり、一度はその理由・原因を詳しく知りたい・・・。

いよいよ、というか、ようやく、というか、日本人女性による、実体験に基づくフラ
ンスの実情を知ることができる図書が先月発売されました。

例によって、その内容を、本当に少しずつ紹介しながら、少子化社会のこれからにつ
いて考えてみることにしました。

フランスはどう少子化を克服したか』(高崎順子氏著・新潮新書・2016/10/20刊)より
を始めます。

イントロの「はじめに」から、衝撃・ショック!です。
今回だけ、その衝撃のプロローグ部分の全文を、転載させて頂きたいと思います。

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 はじめに(1):3歳から教育費無料の「保育学校」、入学率ほぼ100%の衝撃!
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 「言っておきますが、ここは保育園ではありません。国家教育省の学習目標に沿って
学び、しっかり『生徒』になってもらいます」

 3歳になったばかりの長男が「保育学校」に入学したときの説明会。
 校長先生の発した言葉は、耳を疑うくらい衝撃でした。
 国家教育省による学習目標?
 まだ言葉もおぼつかない3歳児が、なにを学ぶって?

 フランスでは毎年9月、その年に満3歳を迎える子供、つまり2歳9ヶ月から3歳
8ヶ月の子供たちが一斉に、「保育学校」に入学します。
 ここはフランス国内のすべての子供が入学できる週4日半・3年生の学校です。
 日本の文部科学省に相当する国家教育省・高等教育・研究省(以下、国家教育省)
の管轄で、義務教育ではないものの教育費は無料、2015年時点の入学率はほぼ100%
となっています。
 数少ない例外は病気の子や、親の教育方針で義務教育までは学校に行かない、とい
う子たち。

 朝8時半から夕方16時まで、3歳児クラスはお昼寝がありますが、4歳からはそれも
なくなって、生徒たちは読み書きの初歩や数字、体の動かし方、色の見分け方などを
学びます。
 教える先生はもちろん、国家教員免状の保有者です。
 3歳から全入の学校があるということは、3歳児以上の「待機児童」はこの国には
存在しないことも意味します。

 筆者はフランス人サラリーマンの夫と共稼ぎで、パリ郊外でライターを生業と
しています。
 勤務先が自宅のフリーランスとはいえ、フルタイム勤務なので、2009年と2012年
に生まれた長男・次男はそれぞれ、1歳から保育園に預けてきました。
 保育園の定員不足はフランス、特に人口の集中している首都パリ圏でも問題となっ
ており、預け場所の確保や送り迎えの段取り、保育料の捻出には頭をひねってきまし
たが、「この苦労も3歳までだから」を合言葉に乗り切ってきました。
 3歳になれば、あとは学校が朝から夕方まで面倒を見てくれる。
 保育料もかからなくなる。とにかく3歳になれば・・・・・。

 そして念願の3歳がやってきて、「保育の終わり」を実感させられたのが、冒頭の
言葉でした。
 「保育」学校とは言うものの、そこは子供たちに「保育」ではなく「教育」が提
供される場所。
 おむつも当然取れていないといけないし、先生の言うことを聞けない子供の親た
ちは、入学1ヶ月を待たずに呼び出しをくらいます。
 各学期の終わりには、成績表も渡されるのです。
 実際、息子が人生で初めての成績表をもらった時は、どこか寂しい気持ちにもな
ったものでした。
 長男はもう、赤ちゃんではないんだ。
 3歳にして「生徒」になってしまったんだ・・・・・。

 それは日本で生まれ育った筆者が、フランスで子を持って初めて感じた、大きな
カルチャーショックでもありました。

 

 

次回に続きます。

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保育ではなく教育。
そうあるべき!

待機児童ゼロの教育費無料の保育学校、ほぼ義務教育に等しい入学率。
そうすべき!

端から、いろいろな問題が一気に改善・解決できそうな、フランスの制度・政策。
教師も国家資格で、準公務員(純公務員?)。

財源は、当然公費イコール税金で。
こういう税金の使い方なら、だれもが、多くが理解・納得するところ。

日本では、まず、5歳児からの保育園義務教育化を。
10年後、20年後くらいには、3歳児から・・・。

その方針を確立すべくその声をより大きく広げるべく、
まずは、フランスの諸事情・諸制度をしっかり理解することから始めたいと思います。

この序章は、あと2回続け、本論に入っていきます。

なお、私ののんびりした本書紹介ペースはまだるっこしい、待っていられない、と
いう方は、こちらから即お求めいただいて、一気にお読みください。

フランスはどう少子化を克服したか

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【『フランスはどう少子化を克服したか』構成】

はじめに
第1章 男を2週間で父親にする
第2章 子どもは「お腹を痛めて」産まなくてもいい
第3章 保育園には、連絡帳も運動会もない
第4章 ベビーシッターの進化形「母親アシスタント」
第5章 3歳からは全員、学校に行く
おわりに

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【高崎順子氏・プロフィール】
1974年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。
2000年渡仏してライターに。
「食」を得意分野とし、著書に『パリ生まれ プップおばさんの料理帖』
(共著)など。パリ郊外在住。

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