男の産休=出産有給休暇3日間+11日連続「子供の受け入れ及び父親休暇」=有給:『フランスはどう少子化を克服したか』より(5)


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フランスが、出生率2.0に戻している、という話を聞くと
やっぱり、その理由・原因を詳しく知りたい・・・。

日本人女性による、実体験に基づくフランスの実情を知ることができる書
フランスはどう少子化を克服したか
高崎順子氏著・新潮新書・2016/10/20刊)が発売されました。
その内容を、少しずつ紹介しながら、少子化社会と子育て・教育のこれから
について考えていきます。

「はじめに」
第1回:衝撃の実態・制度を、仏在住日本人ママが体験調査レポート
第2回:日仏の保育政策・制度の違いは、子育てに対する認識の違いにあり
第3回:親だけで子供を守り育てることはできないと考える仏社会

前回から「第1章 男を2週間で父親にする」に入りました。
第4回:イクメンなど足元にも及ばぬフランスの「男を父親にする」産休プログラム

その2回目、通算第5回です。
一部省略し、要約しています。

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 14日間の「男の産休」
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赤ちゃんの誕生後、サラリーマンの父親には3日間の出産有給休暇がある
 休暇中の給与は雇い主が負担し、拒んだ雇い主には罰金があり、取得率はほぼ100%。

 この3日間が、お父さんトレーニングの本格的な第一歩。
沐浴やおむつかえなど、入院中に助産婦指導で進められるスケジュールは、父親の来院時
間に合わせて組まれ、目標は退院時、父親も母親と同じくらい赤ちゃんのお世話をできる
ようになること

出産有給休暇が終わった男性に、今度は11日連続の「子供の受け入れ及び父親休暇
 二つの休暇を合わせた2週間が、一般的な「男の産休」。
 父親休暇は労働法と社会保険法に定められた制度で、これも雇用主が拒むことはできず、
正しく運用しなかった場合は、雇用主への罰則もあり。

 この休暇中の給与。
 3日間の出産有給は雇用主負担で、11日連続の「子供の受け入れ及び父親休暇」は、給
与明細上では無給休暇扱い。が、実質的に有給休暇になるよう、国の社会保険から休暇中
の所得分が支給される

 失業中や職業訓練中でも取れ、養子縁組で子を迎えるときでも取得可能
休暇は11日連続
取得を条件に、子供が生後4ヶ月になるまでいつでも取れ、出産休暇と合
わせて
2週間連続の休みとする人が多い。


※次回に続きます。

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2週間の男の産休。

ここまでやってくれれば、男も、父親としての意識改革と行動改革をせざるをえない。
そして父親であることに、喜びと生きがいと、そして責任をも自覚するするようになる。

課題先進国と名乗るからには、日本もその名に恥じずにこうした制度を整備・導入すべき。

と言うのは簡単ですが、政府が財政的に負担するには、税制改正で財源を確保するか、
現状の財政支出における配分・配賦構成、構造を変える必要がある・・・。
既得権主義を排し、方針転換すれば可能なはず・・・。

それに比して困難なのは、企業負担が大きく増えること。
でも、そうしたコスト負担ができないような企業は、社会的に存在価値がないものとし
て消え去ればよい・・・。
厳しくそう考えて、労働生産性、収益性が低い企業が競争に負けて市場から消えていく。
質の高い経営ができる企業が生き残り、社会に貢献できる・・・。

そうあるべきなのかもしれません。
経営者にとって厳しいですが、それは、雇用される社員にも質の高い仕事・成果が求め
られるということでもあります。
その成果を、出産有給休暇などで享受できる、と考えるべきなのでしょうね。

父親であり、母親でありつつ、仕事と育児を両立する基盤として、そうした働き方も求
められている。それが、高福祉高負担の基本原則と言えるのかもしれません。

 日本では、すべて国が、自治体が、と一方的な議論になりがちなのですが、働く側にも
果たすべき役割・責任があり、出産や子育てには、双方と社会全体での合意がある・・・。
その根幹も理解しておくべきと、ふと感じた次第です。

 

※次回は、<赤ちゃんと知り合う時間> です。

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【『フランスはどう少子化を克服したか』構成】

はじめに
第1章 男を2週間で父親にする
第2章 子どもは「お腹を痛めて」産まなくてもいい
第3章 保育園には、連絡帳も運動会もない
第4章 ベビーシッターの進化形「母親アシスタント」
第5章 3歳からは全員、学校に行く
おわりに

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【高崎順子氏・プロフィール】
1974年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。
2000年渡仏してライターに。
「食」を得意分野とし、著書に『パリ生まれ プップおばさんの料理帖』
(共著)など。パリ郊外在住。

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小林美希氏著

☆☆☆『ルポ 保育崩壊』(2015年4月21日刊・岩波新書)

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☆☆☆☆『ルポ 保育格差』(2018年4月20日刊・岩波新書)

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稲熊弘子氏著

☆☆☆『「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?』(2014年7月25日刊・角川SSC新書)

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前田正子氏著

☆☆☆『保育園問題 待機児童、保育士不足、建設反対運動』(2017年4月25日刊:中公新書)

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