
2016年出生数、初の100万人割れ。出生率低下1.44:人口減少社会の景色が定着化
2017/6/3付日経の
「出生数、初の100万人割れ 出生率低下1.44 昨年、少子化に拍車」
と題したレポートを参考に、厚労省の6月2日発表の同調査資料を差しはさんで、
その概要をみておきたいと思います。
-------------------------------
【2016年度人口動態統計から】
2016年生まれの子どもの数(=出生数)は97万6979人。
1899年の統計開始以降、初めて100万人を割り込み、前年比で2万8698人の減。
2005年の4万8191人減以来の大きな減少幅。
死亡数は前年比1万7321人増の130万7765人。
出生と死亡の差はマイナス33万786人で、10年連続の自然減。
1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)は1.44で、前年を0.01
ポイント下回った。マイナスは2年ぶり。
出生数減少は、出産適齢期の女性が減ったことが大きい。
昨年は、30~34歳の出生率が11年ぶりに低下。
20歳代の出生率は低下傾向が続くだけに、30代の失速は今後に尾を引く。
16年の婚姻件数は前年比1万4633組少ない62万523組で戦後最少。
初婚年齢の平均は男性31.1歳、女性29.4歳でともに前年同。
「晩婚化」のペースは和らいだが、「生涯未婚」を選ぶ人も増えた。
離婚件数は9410組減の21万6805組。
-----------------------------------
少子高齢化の進行は、出生数の減少と死亡数の増加で、人口の自然減をも促進する。
単純な論理で、この状況は、しばらく続くことはほぼ間違いありません。
その基本となる年齢別人口グラフ。
2015年10月1日時点では、以下となっています。
文中に挿入した資料とは別に、以下2種類の表を付け加えます。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
人口グラフの年齢別の人数と構成と、昨年までの女性の年齢別の出生数と年齢別の死亡者数
の推移などを組み合わせて、これからの動向を想像すると、やはり、厳しい予想となるのは
目に見えています。
なぜ、未婚率が高まるか。
非婚者が増えるのか。
ある意味、その原因は既に語り尽くされていると言ってもいいのかもしれません。
原因が分かっても、その改善、出生率の引き上げ、出生数の増加に結び付くものは、提示
されてはいません。
待機児童問題の解消が、少子化に歯止めをかけることになるとも思えません。
仮に、少々の出生率の改善が見込めるようになったとしても、人口減少は止まらないでしょ
う。
では、どんな目標を設定すれば、より現実的な取り組みを期待できるようになるか・・・。
難しい課題ですが、見方・考え方を変えることで、一点突破が可能になるか・・・。
考えていくことにします。
-------------------------------------
------------------------------