
LGBT顧客への対応を強化する、不動産仲介/結婚式/生損保企業など
ダイバーシティと性的マイノリティという人権上の課題としての「LGBT」と
「同性婚」について、集中的に取り上げています。
※「LGBT」とはレズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイ
セクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(体の性と心の性が一致しない人)
の略。
電通の2016年調査では国内にいる20~59歳の7.6%がLGBTに該当するという。
前3回は以下のとおりです。
◆同性カップル証明の「同性パートナーシップ証明書」自治体発行の目的・理念
◆同性パートナー証明、LGBT登録で得られるメリットは配偶者と同様の権利、の意味
◆増えるカミングアクト。LGBT対応制度整備企業も増加
自治体、人材の確保・活用と関連させての企業の取り組みを紹介してきましたが、
当然、こうした動きに応じて、顧客としての営業強化を図る企業も増えてきます。
2016/2/13付日経夕刊では、
◆「LGBT客 ようこそ 不動産仲介/結婚式/生保 生活応援、対応磨く」
と題して、各業界の各社の取組事例を紹介しました。
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結婚式は「一生連れ添う意思表示」。
それを友人知人・家族が祝う。
その点では男女の結婚と違わないわけです。
同居・共同生活を前提として賃貸住宅の契約をする。
それが同性婚パートナーである場合、まだ受け入れる家主は少ない。
どうということはない・・・。
これから、抵抗なく受け入れられるようになると思うのですが。
初めに単身での居住で契約していたが、途中から同性パートナーとの同居に
変わる。同居者が増える場合に、家主に知らせることを契約条件に加えている
ケースは多いでしょうが、どういう関係かまで申告する必要があるかどうかは、
契約内容によりけり、でしょうか・・・。
生損保契約では、受取人として同性パートナーを認める。
誰かを受取人に必ず定めるのですから、特にこうした契約条項を設定するこ
とには、何の問題もないと思います。
まあ最少の社会組織単位として、夫婦、あるいは夫婦とは呼ばずにカップル
と言うのか、そこでの生活を形成・維持していくための世帯に向けての企業の
営業政策・方針は、LGBTを特別のこととではなく、普通なこととして、どん
どん現実的に進められて行くでしょう。
マイノリティがマイノリティと意識せずにすむ社会。
それが望ましい社会です。
しかし、繰り返しになりますが、こうした多様性が認められる社会における
結婚とは何か、その再定義・新定義が必要と考えます。
それは、社会的な行為・行動が、権利義務関係と必ず結びつくものであるか
らであり、倫理的な意味合いではなく、法律上の利害関係に関わる事象・結果
を伴うことになるからです。
相互の所有・所属に近い概念を含む結婚という行為と誓い合う愛情は、決し
て永久に維持され、保証されるものではないからです。
原則的には子どもを産まない、持たない同性婚。
しかし、現実的には、養子縁組で子どもを持つパートナーも存在する。
とすると、当然、親子における権利義務関係も生じます。
性区分に無関係の結婚。
従来の異性婚における係争とは、また別の、あるいは、より複雑な問題が発
生する可能性。
ふとそんなことも想像してしまうのですが・・・。
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