新出生前診断受診増、中絶選択4年で567人:生まれくる子の権利を考える

2017/7/17付日経に
新出生前診断、4万人超 開始4年、中絶を選択567人
というテーマでの記事がありました。

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 妊婦の血液から胎児のダウン症などを調べる新出生前診断を受けた妊婦は、
検査開始からの4年間で4万4645人。

 染色体異常の疑いがある「陽性」判定は803人。
うち確定検査を受けたのは675人。
605人が陽性確定、70人は異常がなかった「偽陽性」。
陽性のうち、中絶を選択したのは567人。

 

以上の検査結果が示されていました。

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新出生前診断は妊婦の年齢にかかわらず、必ず受診することが望ましいと考えます。
そして、陽性の確定診断を受けた場合の妊娠中絶には、賛成の立場です。

記事中にあるように「命の選別」や「生命を授かった子の生まれ来る権利、生
きる人権」などの問題が指摘されます。

しかし、障害をもって生れ来ることが分かっている場合、健常者のように生き
る権利が初めから排除され、持つことができないのです。
その公平性を保障することなく子どもを産むことを、権利の一つとして無条件
に認めていいものかどうか・・・。
疑問を感じるのです。

基本的に、子どもは、親の都合で産まれるもの、産まされるもの。
生まれ来る者の意志には関係ありません。
ならば、まずは、健康に生まれ、健康であるという条件において、平等に、新
しい命を得ての人生を始める権利を子は持っている。
そしてその養育が親の責務と言えます。

結婚し、妊娠し、健康な子どもを出産し、自立するまで家族の一員として育児
・養育・教育する責任を負う。
権利義務関係を前提としますが、それは、誰にでも与えられるものではなく、
子どもを持ち、育てる意識を持つ親の権利でもあります。

そしてその家族社会を形成し、その暮らし・生き方をデザインし、実現し、楽
しみや充実感、相互の愛情を交わし、共有することも可能にする。

夫婦のみの社会とその生活におけるそれらもありますが、そこに子どもが存在
しなければ、結婚という手続きや形式は必須条件ということではありません。
夫・妻という関係性を社会に公式に表現しておきたい場合を除いて・・・。

極論すると、子どもを持ち、育てることが、法的手続きを経て結婚することの
目的と言ってもよい。
そう思います。
現状の、日本という社会においてでは、です。

染色体異常を発見するための新出生前診断で発見できない、先天的な病気もあ
ります。
平等性を欠く、こうした病気を抱えて生まれくる子どもを、社会・国・行政が
しっかり支え、生を育んでいけるようにするのが社会福祉・社会保障の役割。
当然の社会的責任として、担うべきことは言うまでもありません。

次回、この出生前診断と中絶問題を考えたこの機に、結婚とは?について、ま
た考えることにします。

 

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