ソロ社会の源泉、高い生涯未婚率と、女性活躍の現状との関係は?

超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』(荒川和久氏著・2017/1/17刊)
を参考にして
ソロ社会。やむを得ずソロ化する人、選択してソロ化する人
というブログを投稿しました。

今回は、ソロ化社会の一つの象徴的事象である「生涯未婚率」について取り上げます。

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「生涯未婚率、過去最高記録を更新」と題しての分析を、2015年の「国勢調査」結果を元にし
て行っています。

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<生涯未婚率>とは?

「45~49歳」と「50~54歳」の未婚率の平均値で、「50歳時」の未婚率を算出した数値。
生涯を通して未婚である人の割合を示すものではないが、50歳で未婚の人は将来的にも
結婚しない可能性が高いことから、生涯独身の人の比率を示す統計指標として用いられる。
(「日本大百科全書」から)

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 公開されている国勢調査資料を紹介しながら、考えてみました。

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男性の生涯未婚率は、23.4%、女性が14.1%。
1970年以降の推移と2035年までの予測値が、以下のグラフに示されています。 


2035年には、男性は3人に1人、女性は5人に1人が生涯未婚と予想されています。

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 同じく、15歳以上の未婚男性と未婚女性の差分を示したグラフを引用転載しました。


 


これらを細かく見たうえで同書で筆者は、

20代のうちは、より結婚をしなくなる「晩婚化」が進行し、40代を過ぎると今度は、
もう結婚を諦めるという「非婚化」の方向にシフトしている。
男女とも平均初婚年齢はほぼ30歳。
 30代前半で結婚のタイミングを逃すと、そのままずるずる生涯未婚の道を突き進む
ことになる。

としています。

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上の2つの表は、かなり見づらいかと思います。
感覚的に捉えて頂ければよいのではと思います。

もう一つ、全体の数値の2010年と2015年の比較集計表も、合わせて挿入しておきます。


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そして筆者はまた、
「2015年には20~50代の男性が約300万人余っており、婚活対象年代の20代・30代に限定し
ても145万人多い。すなわち、未婚女性が全員結婚しても300万人の男性には相手がおらず、
実際にはそれ以上の未婚男性があぶれる。頑張って婚活しても、そもそも男性には相手がい
ない。」
と悲しく?、厳しい実態を数字から示しています。

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ちょっと異なる視点からですが考えてみました。

「未婚女性が全員結婚しても300万人男性があぶれる」という婚活事情。
こうなると圧倒的に、女性優位社会となるのか、というと、まったくもってそんな
ことにはなっていない。

一妻多夫制か、妻が夫以外にニーズに応じて愛人を持つことができれば、また従来
と違う社会が生まれ、それも望ましい形になれば、それはそれで・・・
などと能天気なことを考えているわけにはいかない、ですね・・・。

そもそも、自ら非婚を選択する女性も増えつつあり、単純な世情ではないのです。
一方で、結婚したい女性も基本的には多い傾向はあり、子どもを持ちたいと願う女
性も多い・・・。
と、感覚的にさらっと書き記しておしまい、で済ますことでもまた、ありません・・・。

女性が男性よりほど同数人口がいるにも拘らず、政治家や実業家に女性が圧倒的
に少ないことが不思議でならない・・・。
非婚を選択する女性が増えるのが本人の選択としてのものであるならば、それは
それで結構なこと。
ならば、政治家や実業家など、男性数が多い職業で、女性のシェアがよりスピー
ド感をもって増えて欲しい。女性管理職や女性起業家が急速に増えてもいい。
そう思うのですが・・・。

女性活躍推進政策も所詮、共働き世帯における妻が、仕事も育児・介護・家庭
の両立をもこなすことを想定してのものということになってしまいそう・・・。
ここには、どうも男の、政治家のエゴ、身勝手さ、保守性が出ている・・・。

個人的には、結婚・非婚は個人に自由ですが、一度きりの人生、一回くらいは
パートナーを持った生活を送ってみてもいいのでは、と・・・。
法的な結婚という手続き・手順を踏む踏まないのも選択肢として・・・。
その経験を踏まえての未婚・非婚・離婚は、やむなし、ということで・・・。

男性については、別の機会に考えてみたいと思います。

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【『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』構成】

はじめに
第1章 増えるソロで生きる人たち 
第2章 ソロで生きる人々を許さない社会
第3章 男たちは嫌婚になったのか
第4章 結婚してもソロに戻る人たち
第5章 ソロたちの消費
第6章 ソロ社会の未来
おわりに 

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【荒川和久氏プロフィール】
・博報堂ソロ活動系男子研究プロジェクトリーダー

・早稲田大学法学部卒業後、博報堂入社。広い業種の企業プロモーション業務を担当。

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詳しくは、新書ながら読み応えのある『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃
を手にして確認頂ければと思います。

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水無田気流・上野千鶴子氏著

☆☆☆☆『非婚ですが、それが何か!? 結婚リスク時代を生きる』(2015年9月1日刊・ビジネス社・¥1,512)

カスタマーレビューページ

荒川和久氏著

☆☆☆『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』(2017年1月27日刊・PHP新書)

カスタマーレビューページ

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