
介護人材不足 2020年12万6千人、2025年33万6千人:介護問題の終わりなき循環の起点
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厚生労働省が2018年5月21日に
[第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について]
という報告を発表しました。
これまでの要介護・要支援者数と介護人材数の動向と、今後の要介護・要支援者数と
介護人材の増加予測をもとに、今後の必要介護人材数、予想人材不足数を提示したも
のです。
平成12年度から一昨年28年度までの要介護支援者数と介護職員数の推移を示した
のが、以下のグラフです。
このグラフの折れ線グラフ部分が、要介護・支援者数の推移ですが、昨年平成29年までの、
要介護度別数となっています。
昨年の認定者数合計は、633万人。
こうしたグラフを見ても、現実的に介護士不足が感じられない理由の
ひとつは、人数のメモリの刻み方が違うことにあります。
絶対数に沿ったグラフではないため、超高齢化社会の進展による要支援・
要介護者数に増加数と介護職数の増加数の実際の数での乖離が視覚的に
見て取れないのです。
いずれにしても、そのことがコトの問題になんにも影響しないことは明
らか。
介護士不足を解消するための施策がどう転んでも十分な成果を挙げるこ
とを端から諦めているかのようにも見えてしまいます。
介護士という仕事に人気がない、成り手が不足している要因は、もう十
分明らかになっています。
きつい仕事であることに加えて、低い賃金、厳しい就業条件・労働環境。
それらが今後少しずつ改善されるでしょう。
しかし、介護という仕事の性質、そして介護保険制度の性質そのものが
変わらないのですから、改善のスピードとレベルが、一足飛びに介護士
という仕事に人気が出て、不足が根本的に解消されることをイメージする
ことは無理です。
要は、なんとか超高齢社会をなんとか乗り切っていける改善を持続的に
進めていき、今働く人々が少しでも長く働くことができる。
そして、新たに、やりがいをもって介護の現場、介護という仕事と事業に
入ってきてくれる人が少しずつ増えてくる。
そういう業界に関係する人と組織とが不断の努力を積み重ねていくこと。
求められるのは、そこにあります。
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