
介護費用いくらかかるか-5:要介護1サ高住入居96歳高齢者の介護生活費用例
<介護費用いくらかかるか>というシリーズを始めています。
第1回:介護費用いくらかかるか-1:参考にならない平均介護費用
第2回:介護費用いくらかかるか-2:厚生年金受給の場合の自宅介護でかかる費用
第3回:介護費用いくらかかるか-3:厚生年金受給でも厳しい高齢夫婦・高齢単身世帯の介護生活
第4回:介護費用いくらかかるか-4:国民年金受給高齢夫婦世帯の介護生活不安
と、主に『介護破産 働きながら介護を続ける方法』(結城康博・村田くみ氏共著)
を参考に進めてきました。
今回の第5回は、現在、要介護1でサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)で暮らす、
96歳の義母の1ヶ月の実際に掛かっている費用を紹介します。
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実際に月に20万円以上かかるサ高住での介護生活費用例(96歳要介護1)
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2018年4月初めに送られてきた請求明細を添付しました。
先払いの5月分家賃共益費等と、3月の実際発生分として請求される費用の、2つの区分
に分かれています。
先払い分が、アパートやマンションの家賃共益費と同様にサ高住という施設にかかる基本
的な費用と、高齢者の日常生活の基本を見て頂く費用との合計です。
これだけで、月に13万4800円かかっています。
3月の請求明細中、食費が60,264円、電気代2,799円、テレビ視聴料1,000円
が基本的な生活費で、計64,063円。
毎月、多少の変動はありますが、ほぼ固定的に発生します。
あれっ?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、最後の訪問美容代5,200円。
ほとんど毎月、施設に来てきてくれる美容サービスを義母は利用しています。
これで、合計204,063円になってしまいます。
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医療と介護関連費用は、状況により大きく異なる
この施設は、同一敷地内にある医院が経営している、1階建て定員22人程度の小規模サ高住。
2014年に開業しており、義母は翌2015年3月に要介護1で入居しました。
翌年の介護認定では、要介護1のまま。
次の年には、なんと要支援2に認定替え。
そして、今年は、要介護1に戻りました。
上の明細でも分かりますが、介護に要する費用は、意外?に少ないです。
実は、要介護1の場合、自己負担額の上限16,692円まで、介護サービスを利用
できます。
しかし、実際の自己負担額は、6,588円。
施設が受け取る給付額は、65,880円。
約1万円の自己負担枠でのサービスを受けることは可能ですが、要支援2で上限額が
下がったときのままのレベルで変えていません。
これは、施設サイドが、むりやり不要なサービスを押しつけないことを示しています。
もちろん、本人と私たち家族が、そのレベルでいいと判断しているからですが・・・。
施設の外部サービスであるデイサービスも利用していません。
上の介護保険適用サービスの<身体介護1>は、掃除・入浴介助などのサービス。
<身体介護2>は、近くのスーパーへの買い物同行サービスです。
買い物は、一応週1回ですが、雨や体調不良などで、この月は2回だけだったようです。
上の明細の<居宅療養管理指導料>は、外部のケアマネジャー利用にかかる費用。
<寝具タオル類レンタル>は、ベッド・補助手すり・歩行器のレンタル料です。
その他、医療保険を利用して医療費と医薬品費がかかっています。
なお、調剤薬局も隣接しており、医療介護を一貫して受けることができる安心感があり
ます。
もちろん、この施設内に訪問介護事業の拠点があり、介護サービスは、効率的・合理的
に受けることができます。
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介護生活費用の負担方法は?
このように、ほぼ毎月21~22万円支払っている96歳要介護1サ高住高齢生活者の
費用をどう負担しているか・・・。
まれなケースと思いますが、義母は、細々とながら90歳まで保険の営業をしていまし
た。
年金保険料を長期間負担していたので、一応、毎月12万円程度の年金収入があります。
サ高住入居までは、ずっと娘夫婦(私たち夫婦)と同居していたため、給料はすべて自
分のために使っており、そのうち一部を貯金。
一応、娘(私の妻)への遺産用ということで、1千万円足らずの貯金がありました。
しかし、骨折入院からサ高住に入居することになり、入居時の敷金や基本的な家具類・
家電製品・身の回り品などに費用がかかりました。
年金では不足する分はその貯金を取り崩しており、現状の健康状態などを考えると、多
分100歳までは生きそうなので、恐らく貯金はゼロになるでしょう。
入居以来、毎週1回果物や好物、生活消耗品(トイレットペーパー、化粧品、歯ブラシ
他)などを届けてきましたが、一昨年からは次女(妻の妹)にも、食べ物だけ持参です
が月2回行ってもらうように。
そして、今年の3月からは、隔週にしてもらいました。
それらにかかる費用の多くは、私たち夫婦の家計(次女が行く場合は次女)で負担して
います。
あとは、本人の小遣いや孫へのお年玉等を本人の貯金から。
ということで、実質的には、毎月24万円程度はかかっていることになります。
ばかにならない額ですが、現状はなんとかなっており、比較的恵まれていると思ってい
ます。
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要介護度の重度化で、介護費用が増えていく可能性が・・・
今は、要介護1で、認知症もなく、比較的元気ですが、これからは介護度は重くなってい
くと予想されます。
それに従い、介護保険適用サービスが増え、自己負担額も要介護5では、上限が、
36,065円までに。
当然、介護保険適用外のサービスも必要になると、一気に負担が増えるでしょう。
また、上の明細にある、バスタオル等のレンタル料が増え、おむつ代が加わります。
ピンピンころり!と天寿を全うしてくれればいいですが、果たしてどうでしょうか。
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妻の健康に不安があり、とても在宅介護はムリということで、サ高住に入ってもらったの
ですが、介護スタッフや同居する高齢者に対する意識からでしょう、気が張った生活を送
っており、入居前に感じた衰えがどこかに飛んでいってしまったような義母。
娘の健康など気にすることもなく、マイペースの生活を施設内で送っています。
いずれにしても、私たちの例も、唯一の例。
いろいろ比較することにさほど意味があると思わないのですが、こういう例もあるんだ、
程度にお読み頂ければと思い、紹介させて頂きました。
親子間の関係・事情や入居に至った経緯など、細かい個人的な情報とは関係なく、
<介護費用いくらかかるか>という切り口での、体験事例報告でした。
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