
遅々として進まない医療保険制度・診療報酬制度改正:遠隔診療の発想を変えれば可能な改善
今年2018年4月の介護報酬改定内容を受けての日経掲載を紹介し
・2018年4月改定介護報酬、前年比プラス0.54%:厚労省社会保障審議会介護給付費部会報告から
・2018年4月介護報酬改定を日経社説が批判:自立支援・医療介護連係方針に潜む問題点
・医療・介護連携に必要な施設介護政策への転換:みとりも介護施設で
と、記事タイトルを変えて考えてきています。
この3番目の投稿は、昨日2月8日付の
「みとり 自宅・老人ホームで 入院減へ病院・施設連携」という記事からのもの。
同日付の残りの2つの記事の一つを参考にしてのメモです。
先立って、前回同様、参考になる介護給付部会のまとめの図表を。
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「遠隔診療の普及後押し 対面と分担 通院減らす」と題した記事。
内容項目の詳細はリンク記事で確認して頂くとして、項目を整理し、
思いつくことをメモしました。
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1)診療報酬の個別分野での遠隔診療普及促進
流れとしてはそうなる、そうすべきでしょう。
しかし、相手の顔を見て診療することは不可欠でしょうから、高齢単身世帯や
高齢夫婦世帯などの場合、必要端末・システムの導入や操作など、かなりハー
ドルが高そうです。
簡単ではありませんね。
2)医療の効率化課題として、透析治療報酬の減額と患者負担の低減
儲け過ぎ医療対策は、絶対不可欠です。
3)薬の公定価格=薬価の平均7%ほど引き下げによる自己負担減額
4)調剤薬局への報酬の削減
医療給付のうち、薬代の比率はどの程度なのでしょう。
医師・医院も簡単に薬を処方し、利用者も簡単に薬を求めます。
すべて、業界の意向に沿って進められてきた医療行政・医療保険制度。
そして安価な自己負担による薬を求めるのが当たり前になった社会。
どこかで歯止めが、いつかは明確な意識変革が必要になるのですが、一旦当たり
前になったものを変えることの難しさ・・・。
こうした改定を積み重ねていくしかないんでしょうね。
5)働き方改革に沿った対策
介護と仕事の両立、育児と仕事の両立。
この2つについては、社会・企業の共通認識となりました。
しかし、それよりも以前からあったのが、病気と仕事との両立の課題。
なかでもこのところ課題とされる、がんに罹った社員と仕事・会社のあり方で
す。
6)入院時の看護師の態勢に変化
まあ、入院している方としては、自分をしっかり看てほしいというのが本音。
しかし看護師の仕事のハードさは、あまり考えません。
看護師の配置が少なくなるのは、看護師にとっての負担を増やすこと。
イコール、入院患者への看護サービスも手薄になる。
症状によりけりなのですが、だれもが満足・納得する医療システム、医療保
険制度は、理想ではあっても現実にはムリです。
改善の継続、改定の継続。
個々人の意識の改善・改革は、やはり難しいですから・・・。
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今回の記事は、介護ではなく医療報酬改定問題に視点をあてたもの。
社会保障制度、社会保険制度としては、介護と医療は本来一体のもの。
両方共社会保障費の負担、社会保険給付負担の増額が、超高齢社会の進行により
歯止めが効かなくなる運命にある・・・。
そう言えます。
財政赤字をどうするか・・・。
毎年繰り返し問題とされ、日経でも、一般紙でも、研究者でも論じられるのです
が、いつも単発・散発の問題提起でとどまります。
何より、政治・行政の世界では、だれも本気で改革する気などありません。
自分の生きている時代の課題、責任とは考えていない・・・。
個別の、個々の制度改定で、自分・自社・自業界に影響がある部分にだけ関心を
持ち、利害関係で評価し、勝手な意見を述べる。
あるいは、さしたる影響がないこと、自分には関係ないこと、という多くの人。
私も、このように、どうにかできるはずもない立場で、どうにもならないことを
毎度発している・・・。
んんん・・・・。
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現在、3ヶ月に1回、脂質異常症の状況確認のため、採血し、その結果を確認し、
薬を処方してもらうため通院しています。
通院するサイクルをできるだけ長くしたい。
少なければ診療費負担が減ります。
不都合は、血液の検査結果を知ることができるのが、次に診察日で3ヶ月後。
例えば、1週間後には結果がわかっているはずで、FAXやPDFで送ってもらえる
といいのに、と思います。
その結果に大きな変化、気になる変化がなければ、次の通院時期を遅らせる。
そして少なくする。
その分、薬を処方してもらう量も増やしてもらう。
処方箋も電子化され、ネットで注文され、自宅にいれば届けられる。
こうしたことが遠隔で、ネットで行うことができれば、総合的に医療費は削減
できる。
そう思います。
遠隔診療の基礎編みたいな改善といえましょうか・・・。
この程度ならば、多くの人の診療と薬の処方が可能になるのでは。
自分の端末を使って、遠隔診療、薬の遠隔処方などを活用する。
そのシステムを活用した場合、自己負担が減る。
そうすれば、動機づけになり、インフラが広がる・・・。
簡単で、改善効果が得やすい取り組み。
ありそうです、できそうです。
介護より医療のほうが、現実的に改善できる問題・課題が多いですね。
次回、もう一つ残ってる記事、介護とリハビリについての記事を紹介します。
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結城康博氏著
☆☆☆『介護 現場からの検証』(2008年5月20日・岩波新書)
※カスタマーレビューページ
☆☆☆☆『在宅介護 「自分で選ぶ」視点から』(2015年8月20日・岩波新書)
※カスタマーレビューページ
☆☆☆☆『介護破産 働きながら介護を続ける方法』(2017年4月14日・KADOKAWA)
※カスタマーレビューページ
河内孝氏著
☆☆☆☆『自衛する老後 介護崩壊を防げるか』(2012年5月20日刊・新潮新書)
※カスタマーレビューページ
樋口恵子氏著
☆☆☆☆『その介護離職、おまちなさい』(2017年10月20日刊・潮新書)
長岡美代氏著
☆☆☆『介護ビジネスの罠』(2015年9月20日刊・講談社現代新書)
※カスタマーレビューページ
中村淳彦氏著
☆☆『崩壊する介護現場』(2013年9月20日刊・ベスト新書)
※カスタマーレビューページ
☆☆『絶望の超高齢化社会 介護業界の生き地獄』(2017年6月5日刊・小学館新書)
※カスタマーレビューページ
和氣美枝氏著
☆☆☆『介護離職 しない、させない』(2016年5月15日刊・毎日新聞出版)
※カスタマーレビューページ
宮本剛宏氏著
☆☆☆☆『介護危機 「数字」と「現場」の処方箋』(2017年6月19日刊・プレジデント社)
※カスタマーレビューページ
杢野暉尚氏
☆☆☆『人生を破滅に導く「介護破産」』(2017年6月23日・幻冬舎)
※カスタマーレビューページ
太田差惠子氏著
☆☆☆『親の介護で自滅しない選択』(2017年2月15日刊・日本経済新聞出版社)
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横井金夫氏著・山田茂生氏氏監修
☆☆☆『失敗しない介護施設選び』(2015年8月25日刊・幻冬舎・¥1,4042)
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