進む介護業界のM&A(続報):大手ソラストが中堅企業を買収

2017/10/25 付日経が
◆「介護のソラスト、都内の同業買収」と

介護大手のソラストが、首都圏を中心に介護事業を手がける日本ケアリンク
を約20億円で買収し子会社化すると報じました。

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同社は、プレスリリースで公開している資料で、この買収について、以下の
ように説明しています。

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<株式の取得の理由>

当社は、急速に進展する高齢化社会のニーズに応えるため、スピード感を持
った介護
事業の 拡大を図っている。
経営ビジョンでも売上高1,000億円の早期達成を掲げており、介護事業の拡大
はそれ
を実現する手段。
今回の株式取得によって、関東圏にお ける当社の事業所数は、178ヶ所から
217ヶ所に。

介護事業の規模の拡大とともに、年齢とともに顕在化する高齢者の様々なニ
ーズに応えられる介護サービスを目指している。

日本ケアリンクは、 関東圏において認知症高齢者のための住まいであるグル
ープホー
ムや地域密着の小規模多機能型居宅介護、有料老人ホーム等を運営。
これらの施設系を中心としたサービス と当社展開の在宅系サービスを有機的
に結
びつけることで、「地域トータルケア」の実現を図る。

なお、2017年9月にベストケア株式会社の株式取得を開示しており、今回
株式取得により、当社グループの事業拡大がさらに大きく進展する。

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ソラストは、以前の社名が日本医療事務センター。
医療事務事業から周辺事業に拡大を続け、介護業界の大手の一角を占めている企業。
同社については、以下のようにこれまでも取り上げてきています。

ソラスト(旧日本医療事務センター)訪問介護職員1000人にタブレット (2016/9/6)
VR、ウエアラブル等ITで変わる介護現場:企業間格差、介護サービス格差、利用者間格差を広げる介護業界 (2017/3/11)

買収される日本ケアリンクの直近3期の業績は以下の通り。

 

事業所数が39カ所で、1カ所平均年商が、1億800万円、平均月商900万円。
先期にようやく黒字化していますが、前2期が赤字であることを考えると、かなり
無理して作った数字ではないかと推察します。

年商40億レベルの事業所でも経営がかなり厳しいことが、この数字からも
伺えます。

ケアリンクのスタッフは残念でしょうが、上場会社のグループに加わったことで、
実際には今後の見通しは明るくなるのではないでしょうか。
処遇、労働条件・環境の向上、新しいやりがい・・・。

この買収前のソラストの事業所数は、9月に買収したベストケアを含て、以下。

 

これに、ケアリンクの39事業所が加わるわけです。

ソラストの先期の業績は以下。

 

グループ連結での今期年商は、700億円に達するのではと思います。

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前回
進む介護業界のM&A:新潟県見附市の介護施設が中堅介護企業傘下に (2017/10/22)
と題して、介護業界のM&Aの加速化を課題にしました。

今回は、そのレベルよりも一段上の規模の買収事例。

零細事業所・小規模事業所は、果たして買収先として何かしらの魅力を持ち得ているか。
来年の介護保険法改正に向けて、そうした視点から、自事業所を客観的に評価し、今後
の介護事業経営について、新しい年を迎える前に、熟考することをお勧めしたいと思い
ます。

中規模事業所、中堅事業所であっても、一事業所当たりの年商・月商はかなり小さなもの。
そうした事業において、サービスの質を落とさずに経営を維持することが可能か、あるい
は堅実に成長させていくことができるか。

人材不足・人手不足への対応が可能かどうか。
人が来てくれる、魅力を備えた事業所か。
経営者の質が問われ続けます。

 

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