
親の健康・病気状態、かかりつけ医を知っておく:家族介護「介活」の進め方(7)
主に親の介護に備え、その子どもなどの家族がどう準備するかという活動を
介活として考えるシリーズ『家族介護「介活」の進め方』。
これまでの6回のブログリストは、以下。
◆介活とは? 家族介護に備える準備活動項目リスト:家族介護「介活」の進め方(1)
◆日常の親子のコミュニケーションの機会を:家族介護「介活」の進め方(2)
◆介護を分担する家族・親戚と事前コミュニケーションを:家族介護「介活」の進め方(3)
◆親の介護、本人の希望にどう応えるか:家族介護「介活」の進め方(4)
◆親の連絡先・相談先を確保・確認しておく:家族介護「介活」の進め方(5)
◆親の年金収入や預貯金などを知っておく:家族介護「介活」の進め方(6)
その基礎となる行動項目をリスト化したのが、以下です。
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【家族介護「介活」準備項目リスト】
1.介護を必要とする家族に関する情報整理・把握
1)家族とのコミュニケーション基盤作り
①介護を必要とする家族とのコミュニケーションの機会・基盤作りと実践
②介護に関わる(可能性のある)家族とのコミュニケ―ションの機会・基盤作りと実践
2)現状の居住生活状況の把握
①(介護対象の家族は)家族・親族と同居か別居か
◆ ①-1 同居の場合、誰とか、その世帯の構成は
◆ ①-2 単身の場合、生活に不便・不都合がないか
◆ ①-3 高齢夫婦世帯の場合、双方の健康度や生活状況に問題はないか
②(介護対象の家族の住居は)持ち家か借家か、お墓の状況は
◆ ②-1 持ち家の場合、住宅ローンなど負債はあるか、ないか
◆ ②-2 借家の場合、賃料、その他契約内容はどんな内容・条件か
◆ ②-3 お墓の状況
③近隣・地域社会との関係は良好か、関係は薄いか
◆ ③-1 関係性がある場合、その対象者と関係度・関係内容
◆ ③-2 関係性が薄い場合、自治体など連絡先・相談先情報を把握
3)現状の健康度・病気等の状況の把握
①現状通院・かかりつけの病院の有無と病状等
②現状服用の医薬品、施術等
③過去既往の病気・ケガ、手術・入院等の有無と内容
④現状介護認定の有無・程度、介護サービス・介護予防サービス利用状況
⑤健康保険加入状況(健康保険か国民健康保険か)
⑥医療費支払い状況(医薬品含む)
⑦現状利用・実践の運動、サークル、趣味、仕事等 ※1-1)③と関連
4)現状の家計状況、資産・負債状況等の把握
①年金種類と受給額、受給方法(金融機関)・管理方法
②年金外収入(仕事・副業・不動産収入等)の有無・種類・金額等
③預貯金、有価証券等流動資産
④土地建物等固定資産
⑤相続関連情報(本人の相続意向、相続権留保者情報)
5)介護家族情報の整理把握
①直接介護対応家族・親族状況、意向
②間接介護関与家族・親族情報、状況、意向
③介護体制整備上の問題点・課題と対応方法案
④本人の意向・希望
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シリーズの初めに、具体的な内容をまとめていく上で活用したのが、
『親の介護で自滅しない選択』(太田差惠子氏著)の
<第2章 親が元気なうちにしておきたいこととは>。
そこでは、以下の9項目が提示されています。
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①時々は実家に顔を出したり電話をしたりする?
②真逆の価値観であっても、親の話にひたすら耳を傾ける?
③配偶者やきょうだいと親の老後や介護について話す?
④介護が必要になった場合の、親の希望を知っている?
⑤実家の近所の人とは親しくしている?
⑥親の年金額や貯蓄額を知っている?
⑦緊急時の連絡手段を決めている?
⑧病気の母親が1人暮らしになるが、結婚で家を出る?
⑨高齢の親のことを相談できる窓口を知っている?
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これらの項目を参考にして提案したのが、先に添付した、これまでのシリーズの
投稿でした。
それ以外で、1.介護を必要とする家族に関する情報整理・把握
の中の項目で触れていないのが、
3)現状の健康度・病気等の状況の把握
①現状通院・かかりつけの病院の有無と病状等
②現状服用の医薬品、施術等
③過去既往の病気・ケガ、手術・入院等の有無と内容
④健康保険加入・利用状況
⑤医療費支払い状況(医薬品含む)
⑥病気ケガ、衰えなどによる生活支援・介助の必要性・必要度
⑦現状介護認定の有無・程度、介護サービス・介護予防サービス利用状況
です。
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具体的にイメージしてみると、
今なにかしらの病気にかかっていないか、健康状態はどうか。
かかっている病院はないか、どのくらいの頻度で行っているか。
通院方法はどうしているか。
自分で運転していくのか、バスやタクシーを利用しているのか。
だれかに送迎してもらっているのか。
ずっと飲んでいる薬があるか、どんな薬か、どのように管理しているか。
どの薬局を利用しているか。
それらにかかる費用はどうしているか。
年金収入で払っているのか、自分の貯金などで対応しているのか。
健康保険証はどこに置いているか、どう管理しているか
後期高齢者医療保険は適用されているか
介護保険料をどのような形で負担しているか
医療関連の損害保険に加入しているか
加入していれば、どの保険会社のどんな契約内容の保険か、連絡先・方法は
その保険者証と印鑑などの管理はどうしているか
できれば、過去の病歴、入院・手術歴、後遺症なども知っておけば、役に立つこ
とがあるかもしれません。
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そうした情報・状況から、親の介護の必要性を実感したり、いつくらいには介護が
必要になりそう、と想像したり・・・。
同居していたり、近くに住み行き来している場合は、親の健康状態や、通っている
病院、飲んでいる薬などは、分かっている場合が多いと思います。
しかし、(遠く)離れて暮らしていると、なかなか、実際のところを知ることはな
いですね。
両親、あるいは、独りになった親が、病気せず、元気に暮らしているのか、寄る年
波に逆らえず衰え始め、日々の生活に難儀するようになっているのか・・・。
親の方から言ってくることは少ないでしょうから、やはり、たまには帰省するなり、
連絡するなりで、状況を知っておきたいですね。
特に、⑦との関連になりますが、何かしらの生活介助が必要になったと感じたら、
あるいは、そいう状況を知った時には、まず介護認定を受けることをお勧めします。
近くにいる場合は、その手続きを手伝います。
遠くにいる場合は、親本人が手続きできれば自分でやってもらう方法もあります。
しかし、親戚に頼んだり、自治体に相談して対応を考えてもらうなど、まさに「介
活」の具体的な活動に入っていく経験をしておきましょう。
要介護レベルに至っていなくても、要支援には認定される状況かどうか、など。
認定を受ければ必ず介護保険を使わなければならない、というわけではなく、いず
れ必要になるときに備えて、認定申請方法や、日程手続きを知り、やっておくこと
は決してむだではないと思います。
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だれも老いを避けることはできません。
自分の老後を想像しながら、親の健康状態について、常日頃から気にかけ、できる
だけ知っておきたいものです。
いざ「介護」となった時に必ず役に立ちますし、介護が必要になるのをより遅らせ
るため、介護予防のためにも役立てることができるかもしれません。
コミュニケーションを気軽に、率直にとることができる信頼関係をもっていてのこ
と。
2年前からサ高住で暮らしている私の義母の場合、30年以上同居していたので、妻
(=娘)は、健康状態や服用している薬は把握していました。
それはやはり、入居時や現状の施設での生活においても役に立っています。
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【家族介護「介活」準備項目リスト】
1.介護を必要とする家族に関する情報整理・把握
1)家族とのコミュニケーション基盤作り
①介護を必要とする家族とのコミュニケーションの機会・基盤作りと実践
②介護に関わる(可能性のある)家族とのコミュニケ―ションの機会・基盤作りと実践
2.介護を必要とする家族に関する情報整理・把握
1)現状の居住生活状況の把握
①(介護対象の家族は)家族・親族と同居か別居か
◆ ①-1 同居の場合、誰とか、その世帯の構成は
◆ ①-2 単身の場合、生活に不便・不都合がないか
◆ ①-3 高齢夫婦世帯の場合、双方の健康度や生活状況に問題はないか
②(介護対象の家族の住居は)持ち家か借家か、お墓の状況は
◆ ②-1 持ち家の場合、住宅ローンなど負債はあるか、ないか
◆ ②-2 借家の場合、賃料、その他契約内容はどんな内容・条件か
◆ ②-3 お墓の状況
③近隣・地域社会との関係の有無・程度とその状況
◆ ③-1 近隣・知人・友人・所属団体サークル等連絡可能先・連絡方法と関係状況
◆ ③-2 自治体、地域包括センター、民生委員、NPO法人等連絡先・相談先
3)現状の健康度・病気等の状況の把握
①現状通院・かかりつけの病院の有無と病状等
②現状服用の医薬品、施術等
③過去既往の病気・ケガ、手術・入院等の有無と内容
④現状介護認定の有無・程度、介護サービス・介護予防サービス利用状況
⑤健康保険加入状況(健康保険か国民健康保険か)
⑥医療費支払い状況(医薬品含む)
⑦現状利用・実践の運動、サークル、趣味、仕事等 ※1-1)③と関連
4)現状の家計状況、資産・負債状況等の把握
①年金種類と受給額、受給方法(金融機関)、管理方法
②年金外収入(仕事・副業・不動産収入等)の有無・種類・金額等
③預貯金、有価証券等流動資産
④不動産(土地建物等)
⑤負債・ローン、借金の有無と案件・額
⑥相続関連情報(本人の相続意向、相続権留保者情報)
5)介護家族情報の整理把握
①直接介護対応家族・親族状況、意向
②間接介護関与家族・親族情報、状況、意向
③介護体制整備上の問題点・課題と対応方法案
④本人の意向・希望
2.介護に関する基本知識・情報の調査・把握
1)介護保険利用のための諸手続き
①自治体介護担当部署連絡先・相談先、地方包括支援センター連絡先・相談先
②介護認定調査申請方法とそのプロセス、関与方法等
③ケアマネジャーの選出方法・相談先
2)介護保険制度、介護システム等の基礎知識
①介護保険利用者要件
◆ ①-1 介護保険料負担者と負担介護保険料
◆ ①-2 適用対象者年齢要件および年齢外特定疾病要件
◆ ①-3 要介護度・要支援度ランクと要件
②介護保険制度の内容
◆ ②-1 介護給付・介護報酬制度と負担介護費用
◆ ②-2 介護保険適用サービスと介護保険適用外サービス
◆ ②-3 介護保険利用時の負担費用と条件
◆ ②-4 その他制度内容
◆ ②-5 制度改定時の内容確認
③民間介護保険
④成年後見制度
3)介護施設等の種類と業務内容
①公共型施設事業所と特徴、事業内容
②民間型施設事業所と特徴、事業内容
③福祉用具事業者と役割、事業内容
④医療関連事業所と役割
◆ ④-1 医院・病院
◆ ④-2 看護事業所
◆ ④-3 薬局
⑤その他関係先
◆ ⑤-1 自治体担当部門
◆ ⑤-2 NPO、ボランティア組織その他業務提携先
4)介護サービス利用方法・利用手続き
①ケアマネジャーの選出・依頼と役割
②在宅介護・施設介護に応じた介護体制と介護利用方針
③月度介護サービス利用計画
5)企業・団体等の介護休業制度、介護支援制度に関する知識・情報
(企業・団体就労者の場合)
①法定での介護休業制度の内容と利用用法
②企業団体独自の介護支援制度の有無と内容、利用方法
③介護休業制度・介護支援制度利用方法と手続き
6)その他の関連知識
①認知症に関する知識・情報
②見守りシステム
③成年後見制度
④民間介護保険
⑤介護関連情報ソース
3.介護体制・方法の検討・計画立案
1)介護を受ける場所・方法の検討・設定
①在宅介護
②施設介護(入所・入居型)
③在宅介護と施設介護の併用
④施設選択要件と選択判断基準
◆ ④-1 要介護・要支援度、利用サービス等に応じた選択
◆ ④-2 評価・評判による選択
◆ ④-3 費用・経済的条件に応じた選択
◆ ④-4 家族介護体制に応じた選択
2)医療並行利用時の対応方法
①必要病院と利用手段
②訪問診療・訪問看護の必要性と対応方法
3)介護等諸費用の試算・見積もりと負担方法
①想定介護時の介護・医療費試算と費用負担・分担試算
②施設入所時の費用負担試算と準備方法
③在宅介護選択時の住宅改修諸費用見積もりと負担方法
4)介護担当者とその方法・体制計画
①介護離職防止のための方策
◆ ①-1 介護休業制度・介護支援制度利用計画
◆ ①-2 必要介護費用負担計画
◆ ①-3 (万一)介護離職選択時の諸計画 ※別途項目化、要
②家族・親族介護体制計画
◆ ②-1 家族・親族等介護関与打ち合わせ・コミュニケーション
◆ ②-2 家族・親族介護費用分担検討
◆ ②-3 連絡体制・方法確認
③介活実行計画および実介護生活準備計画
◆ ③-1 介活実行スケジューリングと実行プロセス管理、介活ノート作成記入
◆ ③-2 介護必要時介護計画およびスケジューリング、実行プロセス管理(介活ノート活用)
◆ ③-3 介護生活開始後の変更・必要事項対応
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【「介活」定義】
1.家族・親族などを介護する人にとっての「介活」
1)これから介護をしなければいけなくなると想定される人、あるいは急遽介護をし
なければいけなくなった人にとっての「介護準備活動」
2)既に介護が生活の一部として組み込まれ、実践している「介護実践生活」
2.自分が介護される立場における「介活」
1)介護されるようになる時を想定して行う「自分介護準備活動」
2)家族等だれかに介護支援を受けている「介護生活」
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