介護職員のやりがいを考える(2):介護という仕事と適性について 

介護人材不足が続く現状、引く手あまたの介護職。
しかし、介護職の経験がある人と未経験の人とでは、介護という仕事の内容や労働
環境・条件などの理解度はまったく違います。

介護職の離職率が高いことと、その原因は、よく言われていることですから、経験
・未経験を問わず、知ってはいる。

髙い離職率、低い定着率。
現在いずれかの介護施設で働いているかたで、今働いている事業所・職場でしか働
いたことがない、今の職場しかしらない、という人はどのくらいの割合でいるでし
ょうか。
かなり高い比率で複数の職場を経験している人が多いのではないかと推察します。

そして、今働いている職場・事業所は、当分辞める気がない、あるいは、そこそこ
満足していると感じている人はどの程度いるでしょうか。

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そんなことを考える中、
<介護職員のやりがいを考える>というシリーズを始めました。

1回目は
介護職員のやりがいを考える(1):介護の仕事と改善について 

2回目をテーマを決めて書こうと考えていた矢先、またぞろ、介護施設での事故・
事件?が、報じられました。

高山の介護施設で3人相次ぎ死亡 7月末以降 (2017/8/17中日新聞)
高齢者3人死亡、県が再検査検討 施設、30代職員解雇 (2017/8/18中日新聞)
職員「みな前日まで元気だったのに」 (同上)
「5人とも30代職員が介護」 理事長会見、一問一答 (同上)

ここ数日続報が報じられると思います。
その内容については、リンクした記事で確認頂ければと思いますが、この<介護
職員のやりがい>と結びつけて今回考えることにしました。

 

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介護職に就いた動機・目的。
多くの方々は、介護という仕事が持つ社会福祉性、公共性や、人、お年寄りをケ
アする仕事そのものに対するやりがいを、初めから持ってこの仕事に就かれたか
と思います。

そして、多くの方々が、そうした仕事を通じて、お年寄りやそのご家族に感謝さ
れることで、一層やりがいを感じ、頑張ろうという気持ちを維持し、高めること
ができる。

中には、初めからそういう思いを持ってはいなかったけれども、実際に介護の仕
事を経験することで、喜びや感動ややりがいを得ることになった。
そういう方々も多いでしょう。

そうした方々は、介護という仕事、ケアという仕事に対する適性を持っていらっ
しゃった。
素晴らしい、素敵なことと思います。

しかし、中には、そうした人に対する優しさをさほど持ちえない人もいる。
それ自体はある意味やむを得ないことです。
そうしたケアという仕事に適性を持たない人が、介護という仕事に就き、介護と
いう仕事・作業に携わるなか、自分の適性や希望に沿わないことを、日々感じ、
モヤモヤした気持ちを増幅させていく・・・。

給料をもらうため、生きていくためには、この仕事を辞めるわけににはいかない。
なんとか、一日一日、我慢してやっていくしかない、早く一日が終わればいいと
思い続ける毎日・・・。
そういう人も中には、必ずといっていくらいにいる。

あるいは、元々優しい気持ち、介護・ケアという仕事にやりがいをもってこの仕
事に就き、日々仕事をこなしてはきたが、どの時点からか、自分の気持ちがお年
寄りに通じず、やりがいどころか、不安・ストレス・嫌悪など、従来とは反対の
気持ちを持つようになってしまう。

これも介護という仕事を考えると、十分あり得ることであり、理解できることで
もあります。

こうした介護に携わる人に対するケアの必要性。
必要だとはされていますが、実際にどの程度行われているか・・・。
人手・人材不足が常態化した介護の現場では、なかなか難しいことでしょう。

元々介護には向かない、能力や性格上適性を欠いた人を、人手不足を理由に、簡
単?に採用してしまう・・・。
本来は性格テストなど適性試験などを行えばいいのですが、実際に行っている事
業者があるでしょうか?

差別するわけではないですが、中途採用の男性職員については、十分応募の動機
や介護という仕事に対する考え方などを、しっかり面接時にインタビューしてお
くべきでしょう。
そして、男女を問わず、履歴書にある過去の勤務先の確認や問い合わせも必ず行
うべきです。

事業者や管理職が介護職員に対するケア。
個々人の介護という仕事に対する適性の確認と合わせて、定期的に、あるいは、
不安・不審を感じた時には早く行うべきこと、しっかり認識し、実行して頂きた
いと思います。

 

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そして、日々介護の仕事に追われている皆さん。
自分はこの仕事に向いていないと感じ始めた場合、できるだけその思い・気持ち
が増幅しないうちに、同僚・上司に率直に打ち明けてみる、相談してみて頂きた
いと思います。

介護という仕事に対する気持ちの持ち方を、良い方に回復できる機会となるかも
しれません。
気持ちの切り替え方、気持ちのコントロールの仕方など、参考になるアドバイス
を得られるかもしれない。
そして、やってみる・・・。

うまくいかないかもしれない・・・。
努力したけど、やはりもう耐えられない・・・。
やはり、自分にはこの仕事の適性はなかった・・・。
ならば、こうした経験を次に活かせるように、他の仕事に道を変えよう・・・。
それも生き方・働き方の選択肢の一つ、変えるチャンス・・・。
そう前向きに考えることができれば、苦しかった経験もムダにはならない・・・。

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他の仕事・職業でも、向き不向きはあるものです。
しかし、介護という仕事では、介護を受ける人は基本的にはケアを受ける身体的、
精神的には弱い立場の人。
特に認知症の高齢者のケアには、相当の忍耐力が必要です。
なかには、どんなことがあっても慈愛深く、やさしく接し、対応できる方が確かに
いらっしゃる・・・。
しかし、そういう人がいるから、すべての介護に携わる人がそうあるべき、と考え
る、責任を負わせるのは、ある意味暴力とも言えます。
そう思う人、人を責める人は、自分でその介護をずーっと担ってみることを想像し
てみては、と思います。
本来、普通の優しさやイメージができる人ならば、認知症高齢者や重度の要介護
高齢者の介護が、以下に大変なことかは、分かるはず。
そして、自分自身が介護という作業・営みに向いているかどうかも、自問自答し、
分かるはず。

これは、保育の仕事でも同様・共通です。
労働生産性では測れない、弱い立場にある人々をケアする仕事。
その適性や仕事の価値などについて、すべての人が誠実に、率直に考え、理解す
ること。
そしてそうした仕事に携わる方々への理解を深めること。
その仕事に適性を持ちえなかった方への処し方、自身の対し方にも、誠実に向き
合うべきこと。
確認したいと思います。

悲しい事故・事件が起きる前に、とりわけ、管理者・経営者の方々の自覚と行動
をお願いしたいものです。

 

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