
介護職員のやりがいを考える(4):人間力、コミュ力を磨き、自分を高める
介護人材不足が続く現状、引く手あまたの介護職。
髙い離職率、低い定着率。
その背後にある、厳しい労働環境・労働条件。
今働いている職場・事業所は、当分辞める気がない、あるいは、そこそこ満足して
いると感じている人はどの程度いるでしょうか。
よく思いを馳せる課題から、<介護職員のやりがいを考える>というシリーズを始
めました。
◆1回目:介護職員のやりがいを考える(1):介護の仕事と改善について
◆2回目:介護職員のやりがいを考える(2):介護という仕事と適性について
◆3回目:介護職員のやりがいを考える(3):介護事業者をめざす道
今回は4回目。
またベーシックな視点から考えてみることにしました。
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1回目に、仕事の改善の大切さとその成果を生み出すプロセスと結果を一つの励み、
やりがいとすることを考えてみました。
その関連とも言えますが、仕事を共にする職場の人たちに興味関心を注いでみること
を提案したいと思います。
なんといっても、介護の仕事は、人が人に直接働きかける仕事。
いくら介護ロボットを導入しても、すべての仕事をロボットに置き換えることなどで
きるはずがありません。
まあ、介護の職場に限らず、仕事のほとんどは、チームや組織で成り立つもの。
そこで働く人々の働き方、仕事の仕方、モノの考え方、人に対する考え方、仕事に対
する考え方に関心を持ち、理解し、必要に応じ、参考にし、学び、真似、時には反面
教師にする。
望ましいのは、自分の目標とする人と出会うこと。
あるいは、身に付けたい知識や技術や仕事の仕方、人との良好な関係の作り方などを
持っている人を見出し、目標とし、コミュニケーションの機会を積極的に持つこと。
プラスの評価をする人だけでなく、マイナス評価をする人についても、よく人間観察
をし、そうした人とどのように接し、付き合えばよいか、課題とする。
可能ならば、そうした類の人ともコミュニケーションを取り、考えなどを聴き出し、
求められればアドバイスもし、望ましい態度姿勢に変えていく・・・。
言うならば「人間力」を高めていく。
コミュ(ニケーション)力を付けていく。
私はそれを、「人に強くなる」と言っています。
居丈高になる、威張る、強く当たる、という意味ではもちろんありません。
愛情をもって人に臨み、接し、聴き、伝え、理解し合う力を、態度姿勢とスキル、両
面から自ら育んでいく行為・行動を意味します。
そうした行動から、寛容の心・姿勢が広がり、自分自身の深みが増すと思うのです。
その実感を得られること。
それも非常に貴重な「やりがい」になっていく。
そうした行動を通じて、仲間・同僚・上司、先輩後輩との仕事の連携がうまく行き、
仕事の改善、職場の意識・雰囲気の改善につながり、それが異なる次元の「やりがい」
を創出する・・・。
まずは自身が身を置く職場で。
皆さんが親身に日々ケアしてくださっている、介護高齢者の方々に対して持つ関心・
愛情については、言うまでもありません。
またそのご家族との関係においても、広げていくことになるでしょう。
それらの日々の体験は、記憶に残るだけでなく、記録に残り、蓄積したそれらがスキ
ルとなり、有形無形の価値を持つものになるに違いありません。
やりがいとは、他から与えられるモノ、コトではなく、自ら見出し、感じ、得るモノ、
コト。
満足感、納得感・・・。
後者の積み重ねも大切と思います。
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