家族介護・在宅介護をめぐる親子関係のあり方:中日新聞<生活部記者の両親ダブル介護>より(13)




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2016年10月から中日新聞で始まった、同紙生活部三浦耕喜記者のご両親
の実際の介護生活を綴る連載、<生活部記者の両親ダブル介護>
2回分ずつ紹介してきています。

第1回:介護事情は千差万別。恵まれている特養入所
第2回:「食べることは、生きること」と見つけたり!
第3回:医療と介護、病院と介護施設。人それぞれ異なる介護生活
第4回:ひとそれぞれに異なる介護事情・介護生活
第5回:高齢者もSNS、ネット利用を普通にやれるように
第6回:介護度が、健康度が改善していく喜び
第7回:高齢者に戦争体験を聞く意義?在宅介護の大変さもある意味、戦争状態?
第8回:連載の目的は何?性格の悪い読者の独り言
第9回:介護・医療制度問題にも踏み込んで欲しい記者の介護日記
第10回:『わけあり記者』出版の筆者は、元東京新聞政治部記者・ベルリン特派員
第11回:介護保険制度の利用方法をネット検索する!
第12回:介護施設生活で優しくなっていく父親



今回は、25回・26回目を、まとめて。

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 (25) 介護保険 つぶされないために (2017/9/13)
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両親と離れて仕事と生活をしていた記者。
ところが両親の介護が必要になった時、親からは家に戻り自分たちを
看るようにいわれた筆者。

同居でのダブル介護が最悪の状況を招くことを想像して、対応を検討
し始めた経緯をこの回、書いています。
初めのアプローチしたのが「地域包括支援センター」でした。

⇒ こちらからその記事をご覧ください。

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 「私にも暮らしがあり、それを支える仕事があり、守るべき妻がいる。」

この意識、この言葉。
こう言える人がなかなかいないんですね。
在宅介護が厳しいということを仕事や負担する家族のことも考えて、どう対処
するか、すべきか、することが必要か・・・。
確かに世間体や、親自身の希望や、経済的な面や、家や、いろいろあるでしょ
うが、ついつい、在宅介護を、意外に簡単に選択してしまう。
当事者は、その時には、それしかない、と考えた末ではあるでしょうが・・・。

守るべきものは、親だけではない。
当人がそう考えることはもとより、本来親自身もそう考えるべきなのです。
(成人した)子どもたちとこどもの配偶者や家族を守る方が優先されるべき。
そう判断することがあってもよい、それが普通、とも・・・。

私も、義母と妻との人間関係や、妻の身体的・精神的状況を考えたとき、これ
まで一緒に暮らしてきた義母が(骨折入院・リハビリ後)家に帰って再度同居生
活をするのは共倒れになって不可能、と判断。
義母には、できるだけのことはするから、サ高住に入ってくれと頼みました。
強く抵抗する義母(当時93歳)に対して、「娘の幸せを考えないのか、親なら
ば考えるべき」と強く言いました。
義母は、数日間かけて考え、私も数回説得し、ようやく理解し、入所。
その後は、穏やかに暮らしてくれています。
(週1回、好きな食べ物を持っていっています。来月96歳。)

自分たちを守るというと、それもエゴのように聞こえるかもしれませんが、ど
ちらにも無理がかかり、無理と我慢を強いることになる可能性が髙い介護。
それは、自分の力が、万能ではない、自分は弱い人間だと自覚することでもあ
ると私は考えています。
その弱さは、時に悲しい判断や出来事に繋がることも・・・。

自分よりまだまだ先の人生がある子どもたち家族の幸せを願う、優先させてほ
しい。
そう思う親、思える親であってこその親。
世代を引き継いでいく者の務めと思うのですが・・・。

 

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 (26)「です・ます」の効果 近き存在ゆえに「少し楽」2017/9/27)
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 親との会話が『です・ます』調であることについての読者からの
問い合わせについて今回は書かれています。

⇒ その理由は、こちらからお読みください。

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親に対する丁寧語。
親が尊敬に値する親ならば、日常からそうあっても自然。
そうでなくても丁寧語・尊敬語を用いる家、子ども。
厳しいしつけがされればそういう家・家族もあって不思議ではない。

筆者の場合は、荒れた家、父だったことからの、冷静な子どもとしての判断。
それに対して親はどう感じてきたのか・・・。
そこに触れていないので、本当のところはどうなのか親の気持ちは・・・。

施設での介護を受けるようになって、ようやく丸くなってきたらしい父親。
親ならば、今頃ではなく、子どもが子どもであった時に、自分の非を感じる
べきだった・・・。
(責める気持ちはありませんし、必要もありませんが。どちらかというと
悲しい、情けない、そんな感じです。)

そうではない、それができない親もいる・・・。
優秀な子どもがずっとそうして生きてき、今も変わらず、親にそう接している。

温かさ・やさしさの裏側に、冷静さを併せ持っている人・・・。

またわたくしごとですが、私の父親は、まだ元気だったころの晩年、たまに家
に帰る子どもである私に対して、「そうですか・・・。」という感じで、丁寧
に話してくれました。
少し私を尊敬するかのようなニュアンスをもって・・・。
明治生まれでしたが珍しい父親でした。
自分のことは多くは語らなかったですが、話し方・生き方には何かしら気品が
あった父親でした。

乗り越えていった子どもを信頼尊敬できる親でありたい。
そう思っています。
ですから、自分が介護を必要とするようになっても、その負担はかけたくない。
先のある人生を、自分たち家族のための素晴らしい人生のための時間を、能力を
使って欲しい。願わくば社会のためにも・・・。
そうも思うのです。

今回は、筆者の介護保険に対する思い・考え方にも触れたかったのですが、また
そういう機会もありそうな展開なのでいずれ、と思います。

なお、朝日新聞の記事、同紙を無料購読可能な範囲でネットで調べたのですが、
残念ながら見つかりませんでした。

 

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【三浦耕喜氏プロフィール】(Amazon『わけあり記者』紹介ページより転載)
・1970年、岐阜県生。
・京都大学経済学部卒業後、92年に中日新聞社(関東地方では東京新聞を発行)に入社。
・前橋支局、渋川通信部を経て96年より政治部。首相番、社民党、防衛庁などの各担
当を務め、06~09年までベルリン特派員。
・政治部に帰任後は野党キャップ、首相官邸キャップとなるが、12年に過労で5カ月間
仕事を休む。
・復帰後に生活部に異動し、14年、両親の介護のため転属を希望。岐阜支社デスクとなり、
・15年に名古屋本社生活部に。
・著書:『ヒトラーの特攻隊――歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち』、
兵士を守る――自衛隊にオンブズマンを』など。

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河内孝氏著

☆☆☆☆『自衛する老後 介護崩壊を防げるか』(2012年5月20日刊・新潮新書)

カスタマーレビューページ

樋口恵子氏著

☆☆☆☆その介護離職、おまちなさい』(2017年10月20日刊・潮新書)

長岡美代氏著

☆☆☆介護ビジネスの罠』(2015年9月20日刊・講談社現代新書)

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和氣美枝氏著

☆☆☆『介護離職 しない、させない』(2016年5月15日刊・毎日新聞出版)

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