
在宅介護主義への疑問を初めて提起した高齢者両親介護事情:中日新聞<生活部記者の両親ダブル介護>より(15)
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2016年10月から中日新聞掲載の、同紙生活部三浦耕喜記者のご両親の介護生活を
綴る連載、<生活部記者の両親ダブル介護>を2回分ずつ紹介してきました。
最後が、去年10月の14回目の紹介。
第1回:介護事情は千差万別。恵まれている特養入所
第2回:「食べることは、生きること」と見つけたり!
第3回:医療と介護、病院と介護施設。人それぞれ異なる介護生活
第4回:ひとそれぞれに異なる介護事情・介護生活
第5回:高齢者もSNS、ネット利用を普通にやれるように
第6回:介護度が、健康度が改善していく喜び
第7回:高齢者に戦争体験を聞く意義?在宅介護の大変さもある意味、戦争状態?
第8回:連載の目的は何?性格の悪い読者の独り言
第9回:介護・医療制度問題にも踏み込んで欲しい記者の介護日記
第10回:『わけあり記者』出版の筆者は、元東京新聞政治部記者・ベルリン特派員
第11回:介護保険制度の利用方法をネット検索する!
第12回:介護施設生活で優しくなっていく父親
第13回:家族介護・在宅介護をめぐる親子関係のあり方
第14回:介護・医療一体の高齢者生活
しばらく紹介させて頂くのを休んでいましたが、その後介護事情・状況に変化が
ありました。
そして、介護保険制度や医療制度に関する記述も増えてきました。
そこで、それ以後蓄積してあった記事の紹介を再開したいと思います。
今回は、29回・30回目を、まとめて。
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(29)あごが外れ、誤嚥に 手術か否か、悩む家族 (2017/11/7)
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日々衰え、病状が悪くなっていく父親への医療と介護について判断をしな
ければならなくなる自身の責任と心労について綴った今回です。
⇒ その内容はこちらからお読みください。
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生殺与奪の権を家族が持つ。
確かにそうですが、その家族がいない高齢者も増えてきている現実もあります。
老化、加齢。
すべての人が、生ある限りたどる道。
それに備えるべく、生きていくことができるのが理想ですが、人の幸不幸、健康
・不健康は、意思の赴くようにはいきません。
医療技術の進歩は、生きることの意味と老いることの意味をどう捉えて進められ
ていくのでしょうか。
生きる上での、苦痛と不自由を取り除く、緩和する・・・。
それだけでも意義・価値のあることですが、
生きながらえるという意味・意義、実態の多様性と、医療と介護の関係の意義・
意味、そのあり方の多様性との関係に、絶対的な解はありません。
個々人の価値観、人生観次第。
しかし、そこの当事者の一方である高齢者自身には、明確な意思と客観的な状況
認識が欠落することが多い・・・。
難しいところです。
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(30)施設入所の道 離れて思う愛情も (2017/11/22)
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ご両親の介護のために施設に入所せざるをえなかった苦渋の判断と
胸の内を吐露した今回です。
それは、介護離職を免れるための判断でもありました。
⇒ どうぞこちらからその内容をお読みください。
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施設介護の選択。
私は、三浦さんは最善の選択をしたと思っています。
そしてその選択と判断の根幹は、介護行政の在宅介護政策主義への疑問・反対
にあるとも考えます。
もちろん、介護離職を食い止める上でのベストの選択であり、モデルとも言え
るものです。
三浦記者ご自身がご病気である事情を別としても、なんとか在宅介護を避け、
施設介護の方法を考え、実現する。
そうした事情への対応を、地域包括支援センターの活動の目標も据えるべき
と考えます。
もちろん、地域行政において、在宅介護をめざるを得ない事情も分かります。
しかし、その結果介護離職を招くのでは、地域住民の生活そのもの、そして、
地域社会福祉行政そのものも、支えることが長期的には困難になる可能性が
ある・・・。
そう考えます。
夫婦関係のあり方も、夫婦の組み合わせの数だけあり、すべて違うモノ、コト。
どれが良いとか、悪いとかは、当事者だけ間のこと。
老後ではどうこうと、過去の反省や悔悟があっても、今はどうしようもないこと。
これからのことはこれからのこと。
第三者がどうこう言っても詮ないことです。
子どもと言えども、です・・・。
自意識が薄れ、記憶も薄れていくなかで、種々思いやり、想いを馳せても、過ぎ
たことは如何ともし難く、これからやり直すことができるはずもなく・・・。
在宅介護は、やはり厳しいです。
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【三浦耕喜氏プロフィール】(Amazon『わけあり記者』紹介ページより転載)
・1970年、岐阜県生。
・京都大学経済学部卒業後、92年に中日新聞社(関東地方では東京新聞を発行)に入社。
・前橋支局、渋川通信部を経て96年より政治部。首相番、社民党、防衛庁などの各担
当を務め、06~09年までベルリン特派員。
・政治部に帰任後は野党キャップ、首相官邸キャップとなるが、12年に過労で5カ月間
仕事を休む。
・復帰後に生活部に異動し、14年、両親の介護のため転属を希望。岐阜支社デスク、
15年に名古屋本社生活部に。
・著書:『ヒトラーの特攻隊――歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち』、
『兵士を守る――自衛隊にオンブズマンを』など。
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☆☆☆☆『在宅介護 「自分で選ぶ」視点から』(2015年8月20日・岩波新書)
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