
人それぞれの介護事情、家族事情::中日新聞<生活部記者の両親ダブル介護>より(17)
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2016年10月から中日新聞掲載の、同紙生活部三浦耕喜記者のご両親の介護生活を
綴る連載、<生活部記者の両親ダブル介護>を2回分ずつ紹介。
読んで感じたことをメモしています。
第1回:介護事情は千差万別。恵まれている特養入所
第2回:「食べることは、生きること」と見つけたり!
第3回:医療と介護、病院と介護施設。人それぞれ異なる介護生活
第4回:ひとそれぞれに異なる介護事情・介護生活
第5回:高齢者もSNS、ネット利用を普通にやれるように
第6回:介護度が、健康度が改善していく喜び
第7回:高齢者に戦争体験を聞く意義?在宅介護の大変さもある意味、戦争状態?
第8回:連載の目的は何?性格の悪い読者の独り言
第9回:介護・医療制度問題にも踏み込んで欲しい記者の介護日記
第10回:『わけあり記者』出版の筆者は、元東京新聞政治部記者・ベルリン特派員
第11回:介護保険制度の利用方法をネット検索する!
第12回:介護施設生活で優しくなっていく父親
第13回:家族介護・在宅介護をめぐる親子関係のあり方
第14回:介護・医療一体の高齢者生活
第15回:在宅介護主義への疑問を初めて提起した高齢者両親介護事情
第16回:要介護・要医療高齢両親への壮絶なケア生活
今回は、33回・34回目を、まとめて。
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(33)おせちが作れない 母は老いに気付いていた (2018/1/3)
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介護の必要性を感じ始めて以降、新しい年を迎えるごとに変化するご両親
の様子を思い出して記述された回です。
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老い、衰えというのは、個人差があるとつくづく思います。
今、記者のお母さんは81歳。
2013年当時は、76歳ですから、その時期からかなり行動が変わってきていた
わけです。
しかし、自分のそうした変調に対して自覚し始めてもいた・・・。
同居していた私の義母は、その年は91歳で、前年に生保の仕事を辞めたばか
りでした。
普段から家事はほとんどなにもせず、自分のことだけをやればいい、ある意
味悠々自適な生活。
年に一度だけ、お節料理の昆布巻きを作ればお役御免、みたいな生活でした。
それが、93歳の12月に脚を骨折して、要介護1の生活、サ高住での生活に。
耳が遠くなり、歩行器を使っていますが、至って健康で、どうやら100歳まで
は生きそうです。
ご近所にも、80歳代で元気に暮らしている高齢者は、当たり前に多い・・・。
しかし、介護事情は、一人ひとり、一家族ひと家族ごとに、みな異なります。
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(34)新年の風景 ベッドから「孫にお年玉」 (2018/1/17)
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両親とも病院で迎えたお正月のことを描写した今回です。
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サ高住で暮らす私の義母。
2013年12月の骨折入院以来、自宅に戻ることはありません。
大晦日には、妻(娘)が作ったお節料理を私が施設に持っていきます。
帰省した子ども(孫)が、自分たちの子ども(ひ孫)の顔を見せに義母に会いに
行きます。
それをいたく楽しみにしている義母。
私たちの方で、ひ孫のお年玉を事前に準備し、義母が直接手渡すようにしていま
す。
この光景は、いつまで続くでしょうか。
ちなみに、義母は、妻(娘)が中学校に入る前に離婚。
義父は、当時離れたところに住むようになり、私たちが結婚する時には、形ばか
りの祝言を上げてくれました。
その後、妻が時々子どもたち(孫)を連れて会いに行っていましたが、70歳代
前半で脳梗塞を患い、リハビリにつとめながら施設での生活。
しばらくして亡くなっています。
先日、永代供養をお願いしているお寺に、妻が、久しぶりに供養のお願いを郵送
しました。
義母の家を建て替えて同居した私たち家族。
義母にとって元夫のことは、まったくの他人事。
自分だけの生活を送ってきました。
そして、今も、施設の他の入居の方々と、それなりの距離を置いて、マイペース
の生活を送っています。
健康にすぐれない妻(娘)のことを気遣うこともなく・・・。
ほんとうに、人それぞれの介護事情、家族事情、夫婦事情です。
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【三浦耕喜氏プロフィール】(Amazon『わけあり記者』紹介ページより転載)
・1970年、岐阜県生。
・京都大学経済学部卒業後、92年に中日新聞社(関東地方では東京新聞を発行)に入社。
・前橋支局、渋川通信部を経て96年より政治部。首相番、社民党、防衛庁などの各担
当を務め、06~09年までベルリン特派員。
・政治部に帰任後は野党キャップ、首相官邸キャップとなるが、12年に過労で5カ月間
仕事を休む。
・復帰後に生活部に異動し、14年、両親の介護のため転属を希望。岐阜支社デスク、
15年に名古屋本社生活部に。
・著書:『ヒトラーの特攻隊――歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち』、
『兵士を守る――自衛隊にオンブズマンを』など。
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