
超高齢化社会の介護・医療制度の行く末は:中日新聞<生活部記者の両親ダブル介護>より(18)
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2016年10月から中日新聞掲載の、同紙生活部三浦耕喜記者のご両親の介護生活を
綴る連載、<生活部記者の両親ダブル介護>を2回分ずつ紹介し、感じたところ
をメモするシリーズです。
第1回:介護事情は千差万別。恵まれている特養入所
第2回:「食べることは、生きること」と見つけたり!
第3回:医療と介護、病院と介護施設。人それぞれ異なる介護生活
第4回:ひとそれぞれに異なる介護事情・介護生活
第5回:高齢者もSNS、ネット利用を普通にやれるように
第6回:介護度が、健康度が改善していく喜び
第7回:高齢者に戦争体験を聞く意義?在宅介護の大変さもある意味、戦争状態?
第8回:連載の目的は何?性格の悪い読者の独り言
第9回:介護・医療制度問題にも踏み込んで欲しい記者の介護日記
第10回:『わけあり記者』出版の筆者は、元東京新聞政治部記者・ベルリン特派員
第11回:介護保険制度の利用方法をネット検索する!
第12回:介護施設生活で優しくなっていく父親
第13回:家族介護・在宅介護をめぐる親子関係のあり方
第14回:介護・医療一体の高齢者生活
第15回:在宅介護主義への疑問を初めて提起した高齢者両親介護事情
第16回:要介護・要医療高齢両親への壮絶なケア生活
第17回:人それぞれの介護事情、家族事情
今回は、35回・36回目を、まとめて。
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(35)長引く入院 もとの施設には戻れない (2018/1/31)
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今回は、誤嚥による肺炎で入院中の父の病状と様子を書いたもの。
のみ込む力「嚥下力」が弱り、厳しい状況が描かれています。
そして、特養に戻ることを希望する父君の願いに添えない悲しみを
記しています。
⇒ 記事リンク
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3ヶ月以上入居生活を継続できない場合、施設から退去。
特養の利用規定があります。
病気や怪我での長期入院が余儀なくされるのは、高齢者にとって当たり前に
あること。
それが、入居待ちの高齢者が多いがために強制退去となる。
理屈が合っているようで、理屈にはならない・・・。
私の96歳の義母が入居しているサ高住にも、同様の規定がありますが、そこ
は民間経営ですから、不在期間が多少長引いても、家賃収入・管理費収入は
ありますから、そうそう厳格に運用はしないのでは・・・。
勝手にそう考えています。
急性期病院にも、回復期病院にも、医療保険制度上、入院期間が長期化する
のを避けます。
老人漂流の原因です。
在宅介護・在宅看護には限界がある医療・介護ダブルケアの現実。
日々こうした不安に苛まれる高齢者とその家族は、想像できないくらい多い
のではないでしょうか・・・。
超高齢化社会の現実です。
もしそうした社会において、社会保障制度を充実させ、不安なく高齢者と家
族が過ごすことができるようになれば・・・。
理想ではありますが、その場合間違いなく必要なのは、高福祉高負担への公
的保険制度、高率税制などへの転換です。
落とし所が簡単には見つからない課題。
自衛にも当然限りがあるのですが、他人任せばかり、行政依存ばかりでもい
かないのでは・・・。
そう考える日々です。
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(36)介護保険を使って 「老老」「遠・近」でしのいだ日々 (2018/2/14)
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NHKが取材に来た折りのことを書いたこの回。
加えて、父上の介護が始まったときのことも記されています。
その内容は、こちらからお読み頂けます。。
⇒ 記事リンク
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果たして、三浦記者のご両親は、ご子息(三浦さん)の病気・病状をどの程度
理解していらっしゃるのでしょう・・・。
ふとそんなことを思いました。
時々引き合いに出している現在サ高住で暮らす私の義母。
自分の娘(私の妻)が抱える、子ども時代から抱えてきて親子関係のトラウマ
の状態や現状の健康状態・病状などに対する認識・関心度。
如何ともしがたい状況を思うと、正直、力が抜けます。
懸命に両親の介護に努める記者を思うと、親とはいったい何か、親はどうある
べきか、を考えてしまいます。
すぐに思考停止状態に、考えても致し方ないことという諦めになってしまいま
すが・・・。
「深刻にならない介護」。
それが可能なのは、さまざまな状況下で介護に専念できる状態にあるか、安心
して委託できる介護施設を確保し、経済的な不安もない場合・・・。
そうした条件を満たす人は、ごくごく一握りではないかと思います。
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【三浦耕喜氏プロフィール】(Amazon『わけあり記者』紹介ページより転載)
・1970年、岐阜県生。
・京都大学経済学部卒業後、92年に中日新聞社(関東地方では東京新聞を発行)に入社。
・前橋支局、渋川通信部を経て96年より政治部。首相番、社民党、防衛庁などの各担
当を務め、06~09年までベルリン特派員。
・政治部に帰任後は野党キャップ、首相官邸キャップとなるが、12年に過労で5カ月間
仕事を休む。
・復帰後に生活部に異動し、14年、両親の介護のため転属を希望。岐阜支社デスク、
15年に名古屋本社生活部に。
・著書:『ヒトラーの特攻隊――歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち』、
『兵士を守る――自衛隊にオンブズマンを』など。
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