パナソニックの介護サービス事業の総合・複合化と強化の背景

今日2月27日付の日刊紙各紙で
パナソニックが、2019年3月期迄に総合型・複合型介護サービス施設を
全国に200拠点展開することを取り上げています。

パナソニックがなぜ介護事業に?
と感じるかもしれません。

もともと、パナホームという住宅事業を展開するとともに
各種家電や住環境製品や技術、介護用品や美容健康機器製品の製造な
どの事業部門も持っています。
そうしたノウハウや資源を組合わせ、統合して事業を拡充することは
当然とも言えます。

パナソニックとパナホームは
介護関連事業名を、今年1月から「エイジフリー」に統一。
3月には両社連携し、川崎市にそのモデルである
「パナソニックエイジフリー登戸」を開所。

2019年3月期の当事業売上目標を750億円
2025年に要介護者の1割へのサービス提供、サービス利用をめざす
としています。
複合介護サービス需要の背景

2025年には、団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、
高齢者の人口比率も3割に。
パナソニックの狙いは
ショートステイ(短期入所)や訪問介護、訪問入浴など複数のサービスを
1ヶ所で提供できる施設を展開し、利用者の利便性、多様な選択需要に応
えること。

 

現状、個人経営規模、家業的経営規模の事業が増えていますが
個別のサービスのみに特化した事業では
競争が激しくなった時には経営が厳しくなることが予想されます。

総合化の流れは
病院みずからが介護事業会社を作り
医療からリハビリ、介護、終活まで一気通貫でのサービス化でも加速し
ています。

現状まだまだ公的な介護施設数が不足し
要介護度が高い高齢者の待機数が増加している状況です。
その中、大手介護事業社が増えることはある意味望ましいですが
サービス品質の向上や設備装備率の向上が、料金のアップに直接反映さ
れるのでは、別の問題が拡大します。



規模の拡大と総合化が、労働生産性・資本生産性の向上、
運営コストの削減や省力化・省エネ化・システム化等によるコスト低減を実現
し利用者の負担コストも引き下げられることを期待したい。
そのことで零細の介護事業者が淘汰されることはある意味やむを得ないと考え
ます。

加えて
国や自治体からの介護報酬を前提とした、当てにした、事業モデルにとどまる
ことなく社会保障費の低減まで見据えた事業システム化、社会的インフラ化を
めざすくらいの構想と使命感を持ってもらいたいと願うものです。

 

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結城康博氏著

☆☆☆『介護 現場からの検証』(2008年5月20日・岩波新書)

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☆☆☆☆『在宅介護 「自分で選ぶ」視点から』(2015年8月20日・岩波新書)

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☆☆☆☆『介護破産 働きながら介護を続ける方法』(2017年4月14日・KADOKAWA)

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河内孝氏著

☆☆☆☆『自衛する老後 介護崩壊を防げるか』(2012年5月20日刊・新潮新書)

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樋口恵子氏著

☆☆☆☆その介護離職、おまちなさい』(2017年10月20日刊・潮新書)

長岡美代氏著

☆☆☆介護ビジネスの罠』(2015年9月20日刊・講談社現代新書)

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和氣美枝氏著

☆☆☆『介護離職 しない、させない』(2016年5月15日刊・毎日新聞出版)

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宮本剛宏氏著

☆☆☆☆『介護危機 「数字」と「現場」の処方箋』(2017年6月19日刊・プレジデント社)

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杢野暉尚氏

☆☆☆『人生を破滅に導く「介護破産」』(2017年6月23日・幻冬舎)

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太田差惠子氏著

☆☆☆『親の介護で自滅しない選択』(2017年2月15日刊・日本経済新聞出版社)

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横井金夫氏著・山田茂生氏氏監修

☆☆☆『失敗しない介護施設選び』(2015年8月25日刊・幻冬舎・¥1,404)

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