介護サービス事業大手各社、介護職人材不足解消に賃上げ実施

2015年4月1日に施行された改正介護保険法で、
介護報酬が改定されました。
その中で
介護職員の月給を1万2千円引き上げることが可能になる原資として
「処遇改善加算」を実施し、介護職員の賃金上げが可能になっています。

介護業界では
職員・スタッフの不足が著しく
2025年には30万人が不足すると予想されており
人材の囲い込み、採用競争が今後ますます厳しくなっていきます

 

先日、折込チラシの求人広告をチェックしてみましたが
やはり介護事業者の求人案件が多かったですね。

 

2015年3月31日(火)の日経1面に
介護業界大手企業が、この4月からの介護職員の賃上げを
この「処遇改善加算」を上回る金額を上乗せして行うことが報じられました。

しかも、その対象は、介護福祉士など直接介護業務にたずさわる有資格者に
とどまらず、運転手や補助業務を行う周辺スタッフの賃金にも及びます。

現状、厚労省の調査では
2014年の介護職員の平均賃金が、月額約22万円で
全産業平均より11万円低いとされています。



加えて
高齢化は加速しており
介護ニーズ、介護事業所数、介護職員ニーズも比例して増え続けており
人手不足、人材不足は、恒常的な課題となりつつあります。

2025年には、団塊の世代が全員75歳以上になり
介護を必要とする高齢者が一気に増加することは目に見えています。

となると
やはり大手企業への人材の流れも加速し
中小の事業者の人材不足、サービス質の低下なども自ずと予想されますね。
経営が厳しい事業所では
今回の処遇改善加算額の1万2千円全額を職員の賃上げに回さない事例も
出てくるのではと推察できます。

現在の介護業界主要企業12社とグループ年商は、以下の通りです。
1.ニチイ学館       2,714億円
2.ベネッセスタイルケア   796
3.メッセージ        742
4.ツクイ          574
5.ユニマットそよ風 406
6.ワタミの介護 350
7.セントケア・ホールディング 314
8.ウチヤマホールディングス 217
9.メディカル・ケア・サービス 217
10.ケア21 183
11.ロングライフホールディング 109
12.シダー 104

この各社の内、ニチイ、ユニマット、セントケア、シダーは
介護報酬分を上回る賃上げ実施の方向。
間接業務職者の賃上げ実施は5社、他は検討中、とあります。

今後大手企業は、人材確保と囲い込みを目的に
賃金アップだけでなく
従業員の福利厚生政策も推し進め
スタッフの子どもの保育を支援する事業所内保育施設の設置
なども順次行っていくと思われます。

また、求人広告で目についたのが
看護師を合せて求人している事業者が多いこと。
<介護医療>をサービスメニューに組入れて差別化の一つにする事業所も
増えます。

 

となると
病院も介護職員を募集していますから
介護大手の人材をめぐる競争相手は
同業界プラス医療業界ということにもなります。
そういう厳しい環境下
介護中小事業者は、どのように今後考えて対策を打つのか・・・。

介護ニーズはますます増えますが
厳しい現場状況や厳しい事業環境などを背景に
事業者による不正や事故・トラブルや廃業、倒産、身売りなど
問題も今後増えていくのではないかと予想しています。
(この問題についても、今後取り上げていきます。)

そうした泥沼に入る前に、自社・自所の中期ビジョンと
経営内容、経営方針・方法を
今年、しっかり考え、見つめ直し、息の長い事業・取り組みになるよう
望みたいものです。



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結城康博氏著

☆☆☆『介護 現場からの検証』(2008年5月20日・岩波新書)

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☆☆☆☆『在宅介護 「自分で選ぶ」視点から』(2015年8月20日・岩波新書)

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☆☆☆☆『介護破産 働きながら介護を続ける方法』(2017年4月14日・KADOKAWA)

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河内孝氏著

☆☆☆☆『自衛する老後 介護崩壊を防げるか』(2012年5月20日刊・新潮新書)

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樋口恵子氏著

☆☆☆☆その介護離職、おまちなさい』(2017年10月20日刊・潮新書)

長岡美代氏著

☆☆☆介護ビジネスの罠』(2015年9月20日刊・講談社現代新書)

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