訪問介護員=ホームヘルパーの仕事と資格:介護職の種類-3

ホームへルパー(訪問介護員)の役割と仕事内容

ホームヘルパー(訪問介護員)は、
在宅の高齢者や障害者宅を訪問して、
身体介護サービスや家事・生活援助サービスを提供するホームヘルプ(訪問介護)事業
に従事する専門職です。

ホームヘルパーの介護保険制度における正式な名称は「訪問介護員」ですが
(障害者分野の支援費制度では「居宅介護従業者」)、
日常的に、また介護の現場でも「ホームヘルパー」(さん)という呼び方が
一般的になっていますね。

国家資格である「介護福祉士」でもなく
自治体が認定する「介護相談専門員」(ケアマネジャー、ケアマネ)とも異なる
指定研修を受講して修了すれば一応だれでも資格を取得できる介護専門職です。

ホームヘルパー(訪問介護員)が行う種々の介護サービスが「訪問介護」です。
そのサービス事業を、ホームヘルプ事業(訪問介護事業)と呼びます。

訪問介護業務の主なものは
身体介護サービスでは、食事や入浴、排泄、衣服の着脱や移動などの支援、
家事・生活援助サービスでは、調理、洗濯、掃除、買物などの援助や代行です。
それらの支援を通して、利用者本人や家族への精神的ケアを行うほか、
家族に介護の技術的な指導を行うこともあります。

 

要介護者や要支援者への介護業務は、
介護福祉士、介護支援相談員、その他さまざまな専門職や機関によるサービスを
組み合わせて行われるため
ホームヘルパーも単に自分に与えられた仕事を行うだけでなく、
他職種の業務や関連する種々の制度や規定などについての基本的知識を持ち、
連絡・調整能力などもも求められるようになってきています。

介護保険制度に基づき訪問介護事業を営んでいる事業体には
市町村社会福祉協議会、その他の社会福祉法人、医療法人、
営利法人、生協、農協、NPOなどがあります。

そこでホームヘルパーとして働いている人の多く(推計約8割)の職員は、
非正規職員と言われています。
もちろんその中には正規職員を希望する人も多くいますが、
ホームヘルパー経験を積みながら、ケアマネジャー(介護支援専門員)や介護福祉士資格
の取得をめざす人がいますし、
パートタイマーとして働ける時間、働きたい時間帯だけの短時間勤務を希望する人も
多いという側面もあります。
特に夜勤や交替勤務を避けたい人にとっては
特定の時間帯だけパートタイマーやアルバイトなどで働くことを希望することは合理性が
あります。

ホームヘルパー(訪問介護員)の資格取得法

ホームヘルパー=訪問介護員になるには、
自治体、社会福祉協議会、各種団体、会社などで実施する
「介護員養成研修」を修了する必要があります。



介護員養成研修の内容

この養成研修は、都道府県知事などの指定実施機関において、
全国共通のカリキュラムのもとに行われます。

研修課程は、
(1)介護全般に関する介護職員基礎研修課程(500時間):
→ 介護職員として介護サービスに従事しようとする者を対象とした基礎的な
職業教育。
対人理解や対人援助の基本的な視点と理念、専門的な職業人として職務に
あたる上での基本姿勢、基礎的な知識・技術等を修得。
また、介護職員は将来的には、介護福祉士を基本・目標とすべきことを
踏まえ、より専門的な知識・技術を修得するための機会となります。

(2)訪問介護員養成研修課程の1級課程(230時間):
→ 2級課程において修得した知識及び技術を深めるとともに、
主任訪問介護員が行う業務に関する知識及び技術を修得することを
目的とし、2級課程を修了した者を対象として行います。

(3)訪問介護員養成研修課程の2級課程(130時間):
→ 訪問介護員が行う業務に関する知識及び技術を習得する。
この2級課程研修を「訪問介護員初任者研修」という場合があります。

(4)訪問介護員養成研修課程の3級課程(50時間):
→ 訪問介護員が行う業務に関する基礎的な知識及び技術を習得する。



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但し、実際の介護業務で3級ヘルパーがサービスを提供した場合、
事業所に支払われる介護報酬が減算されるため、
事業者はもちろん2級課程以上修了者の採用か養成を図ります。

なお、介護福祉士資格取得者は、1級課程修了とみなされるため、
この養成研修を受ける必要はありません。

国では、介護職員の任用資格は「介護福祉士を基本とすべき」とし、
より専門的な知識・技術を修得するための機会として介護職員基礎研修を
設けた経緯があります。

しかしホームヘルパーの任用資格は、当面、従来からの訪問介護員養成研修
修了としており、
この介護職員基礎研修をすぐ受講しなければならないわけではありません。
ということは
当面、訪問介護員養成研修の3級課程~1級課程を修了していればよい
わけです。

訪問介護員基礎研修は、3級課程を経ずに直接2級課程を受講することができ、
1級課程(230時間)は、2級課程修了者を対象としています。

訪問介護員養成研修課程を修了した者が介護職員基礎研修課程を受講する場合、
研修科目等の一部が免除あります

 

訪問介護員養成研修受講方法

養成研修を実施する機関は種類が多く、研修費用、実施時期もさまざまです。
大きく分けて
1.公的機関(市区町村、社会福祉協議会、生協、JAなど)が主催
2.民間(介護サービス事業者、専門学校など)が主催
の2つにわかれます。

研修の内容は介護保険制度で決められているので、当然どこでも同じですが、
研修費用や受講スタイルなどが違います。

公的機関(主に自治体や福祉法人等)では
受講費用は、4~7万円で、
受講期間が、3~7ヶ月で、通学方式で、当然定員があります。

民間機関(学校や会議事業者等)では
受講費用は、5~10万円で
受講期間が1~4ヶ月で、通信教育と通学方式の組合わせで定員はありません。

ちなみに
2級課程研修の概要は
◆講義(58時間):福祉の制度や介護の方法などについてテキストに沿った講義。
実施機関によっては通信教育の場合もあります。
◆演習(42時間):訪問介護計画の作成や、ベッドなどを使った介護実技の学習。
◆実習(30時間):講義・演習を踏まえ、介護施設等に出向いての実習・見学。
となっています。

この研修を受講し、ホームヘルパー資格取得をめざす方は
現在のご自分の学習環境や条件などを考え
資料請求や自治体への質問などを行い、適切な方法を選んでください。



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結城康博氏著

☆☆☆『介護 現場からの検証』(2008年5月20日・岩波新書)

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☆☆☆☆『在宅介護 「自分で選ぶ」視点から』(2015年8月20日・岩波新書)

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☆☆☆☆『介護破産 働きながら介護を続ける方法』(2017年4月14日・KADOKAWA)

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河内孝氏著

☆☆☆☆『自衛する老後 介護崩壊を防げるか』(2012年5月20日刊・新潮新書)

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樋口恵子氏著

☆☆☆☆その介護離職、おまちなさい』(2017年10月20日刊・潮新書)

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☆☆☆介護ビジネスの罠』(2015年9月20日刊・講談社現代新書)

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