介護マンガ『ヘルプマン!』第2巻【在宅痴呆介護編】:認知症による問題行動の理由・背景を理解する大切さ



『ヘルプマン!』第2巻が出版された時期と背景、その構成等について
前回、以下のブログで紹介しました。
⇒ 介護マンガ『ヘルプマン!』第2巻(1):「痴呆症」と呼ばれた時期の介護保険入門編

今回は
第11話から第20話までを集めた
『ヘルプマン!』第2巻【在宅痴呆介護編】のあらすじです。

 

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痴呆症の症状が厳しく、毎日40歳で3女の母でもあるお嫁さん(公子さん)
に介護を受けている義父(鹿雄さん)。
夫は介護を妻に任せきりで、その大変さは知らない。
子供たちは、その介護の様子や祖父の言動を嫌がり、関わりを避けようとし
母に協力しない。

特に下の世話が大変で、力が強い祖父がなかなか言うことを聞かず、分からず
生傷が絶えず、いつまでこんな生活が続くのか、心身とも疲れが増していく毎日。

そしてある日、疲労で倒れ、数日入院を余儀なくされる。

そこから夫や子供たちが父の状態や介護の大変さを知ることに・・・。

鹿雄さんには他に2人の男の子供たちがおり
1人は父が起こした小さなスーパーを受け継いで経営。
その妻は、義父の介護など一切拒否。
義父との同居・店の引き継ぎなど、すでに兄弟間で決めた通りやってきているのだから
自分たちには関係ない、公子さんのところが見るべきと頑な。
三男も受け入れや一緒に協力して見ることはムリ、と。

そのおり
介護保険を利用して介護サービスを受けることができるのを知り
認定を受ける手続きをとる。
その結果、認定時の面談時の祖父の態度が、普段とあまり変わらない様子だったためか
<要介護1>どまりとなる。

一応認定を受けたことから、デイサービス(通所介護)と訪問介護を受けることが
可能になり、退院したお嫁さんも少しは楽になるかと思われたが
どちらも鹿雄さんの痴呆症による問題行動がひどく、デイ(サービス)は受け入れられない、
ホームヘルプも続けられない、と拒否される状況に。

また、訪問介護では、おむつの取り替えや処理がマニュアル通りで、ただれが
出来てもかまわず・・・。

そうしたことで公子さんの介護生活はまた先が見えない状況に・・・。

そうしたある日、鹿雄さんを散歩に連れ出したおり、また外で下の粗相を・・・。
鹿雄さんが川に飛び込みそうにしたところに
主人公の恩田百太郎が偶然通りかかり、先に川に飛び込んで阻止?
川から上がってから祖父の下の世話も、さっとやってしまう・・・。

どこの介護サービスも拒否されて困っていたところ
その縁で恩田青年の介護施設に助けを求めることに・・・。

その仕事を引き受けた百太郎くんは、
老人の家族や知人を訪ね、いろいろ聞き取り、老人を理解し、現状の問題行動
などの背景を知ろうとする・・・。

そして
鹿雄さんが興して長く働いた、今は次兄夫婦が経営するスーパーに連れて行く。
そのおり、客の子供にお菓子をあげようとした鹿雄さんの行動が誤解を受け
ちょっとしたトラブルとなり、次兄の妻が激昂する・・・。

百太郎は、そうした反応・対応を批判し、
痴呆症の高齢者には自尊心があり、徘徊などの問題行動にも背景・理由が
あることを話して、家族の理解を求める。

鹿雄さんが店に来たいというのは
以前仕事場としていたところに行こうとする自然な行動、自分の居場所に行く
ための行動と・・・。

その言葉を聞き、皆が顔を見合わせ
みなで何とか力を合せて、頑張っていこう、と・・・

それに対して百太郎は

「頑張らないでください!」
「ご家族さんは、頑張り過ぎちゃダメっす!」
「ご家族さんにできるだけ楽になってもらうためにオレらプロが
いるんすから!」
「くやしいっすけどね。オレらがどんなに勉強して百万回上手におむつ替えても
ご家族さんのたった1回の笑顔にかなわないんすよ。」
「だから、たとえ何もしてあげられなくても、ただ家族でいてくれさえすれば
鹿雄さんは幸せなんすよ!」

その後
公子さんもスーパーの入口脇に祖父用の椅子を置いて、時々連れてくるようになり、
一角が老人たちのたまり場に・・・。
その時の義父の穏やかな表情に安堵する・・・。

そして
恩田青年に感謝も・・・。

「恩田さんに報告したいことがあって筆を執りました・・・。
今日 初めて、おじいちゃんが笑いました」


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まだ介護経験が多くない、短い百太郎君にこうした台詞を言わせるのは
ちょっと違和感があるのですが・・・。
それは、へそ曲がりの見方、意地の悪いおじさんの悪い癖、でしょうか。

まぁ
まだまだ苦労は続くでしょうが
少し、肩の力を抜いて、介護を考えるべき、と言えそうです。

でも、問題行動への対応や、力では手に負えない女性にとっての介護は、や
はり大変です。
言語に絶することと思います。



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私の両親(明治40年生、大正2年生)は、どちらも92歳で亡くなりましたが
二人共痴呆症にかかり
どちらも下の粗相がひどかったと、面倒を見てくれた次兄夫婦から
その大変だった様子を何度か聞いたことがあります。
排泄物を手でつかむ、運ぶ、床・廊下に塗りつける・・・。
母は、何度か徘徊して家から遠く離れたところで発見され、連絡を受ける・・・。

この第2巻やこのシリーズで描かれているような日々に次兄夫婦が
耐え、長く世話をしてくれたこと、今でも感謝しています。

父が先に亡くなったのですが、その葬儀の時には母は痴呆症になっており
葬儀の時に大きな声で父(=夫)を大きな声でなじったことを
今でも覚えています。

母は、何とか施設に入ることができ、帰省したおり訪ねたことがありますが
その時には、私が誰かは分からない状態でした。

今私たち夫婦は、昨年12月に92歳で骨折・入院・手術した義母を介護すべき
状態に。
それまで、少しずつ生活上の不安な状況・兆候もあり、なにかしらの
覚悟と不安両方感じていたのですが、現実の問題となりました。
しかし、妻の健康がすぐれず、自宅での老老介護がムリだったため、
頑なに拒否していた義母を説得し、何とかサ高住に入ってもらいました。

比較的家から近い場所にある施設なので、ちょくちょく食べ物を持って
顔を見にいく生活となっています。

 

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介護マンガを知ったきっかけと第1巻で知ったその時代の背景とあらすじ等は
以下で述べています。

⇒ 介護マンガ「ヘルプマン!」で知った<介護未経験者確保等助成金制度>:介護コミックの存在を知る!(恥)
⇒ 介護保険制度導入期に始まった介護マンガ『ヘルプマン!』第1巻(1):介護マンガで学ぶ介護社会の変遷
⇒ 介護マンガ『ヘルプマン!』第1巻(2):18歳男子恩田百太郎が高校中退して介護の世界に入る

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結城康博氏著

☆☆☆『介護 現場からの検証』(2008年5月20日・岩波新書)

カスタマーレビューページ

☆☆☆☆『在宅介護 「自分で選ぶ」視点から』(2015年8月20日・岩波新書)

カスタマーレビューページ

☆☆☆☆『介護破産 働きながら介護を続ける方法』(2017年4月14日・KADOKAWA)

カスタマーレビューページ
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