認知症サポート医、認知症サポーター、認知症カフェ、認知症治療:認知症高齢者激増対策、決め手は?

認知症関連の記事を見かける機会が本当に多くなりました。
認知症対策として決め手となるコト、モノがない中、不安感が先行し、広がっていく
のが、現状かと思います。

2017/6/18中日新聞掲載のレポートを紹介します。

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 認知症サポート医1万人 政府20年度、早期診断へ目標倍増
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政府は6月17日、認知症対策の国家戦略(新オレンジプラン)で掲げた各取り組み
の数値目標を引き上げる方針を固めた。
2020年度末までに、地域の認知症医療の中核となる「サポート医」の養成目標を
現行の2倍の1万人にするほか、当事者や家族を支える市民サポーター1200万人を目
指す。

 目標引き上げは、2015年のプラン策定以降、各自治体の取り組みが進み、17年度
末までとした現行の目標がおおむね達成できる見通しになったため。
認知症患者が推計で高齢者の5人に1人に当たる約700万人に達する2025年を見据
え、早期診断の体制や暮らしやすい社会づくりを加速させる。

 認知症サポート医は、各地域で一般の医師の相談に乗るなど、中核的な役割が期
待されており、国立長寿医療研究センターによる研修を受ける必要がある。
当初5
千人の養成を掲げていたが、既に6千人に達しているとみられる。

 このほか、認知症を早期に発見し専門の医療機関と連携できるよう、一般のかか
りつけ医を対象にした研修の受講者数の目標を6万人から7万5千人に上積み。
認知症に対応する地域の医療体制を強化する。

 自治体や企業が実施する1時間半程度の講座を受けるとなれる認知症サポーターは、
既に当初目標を超える880万人に到達しており、新たに国民の約10人に1人がサポー
ターとなるよう目標を掲げた。

 当事者や家族らが交流する「認知症カフェ」がある市区町村は15年度時点で約4割
にとどまるが、全市区町村での設置を目指す。

 

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1)(早期)診断、(早期)発見、進行抑制、認知症治療
2)(早期)診断、未罹患確認、認知症予防
3)認知症高齢者生活支援、見守りネットワーク拡充、見守り(情報・通信)システム拡充
4)未罹患、認知症予防

認知症をめぐる対策・対応の種類を大雑把ですが、以上のように区分できるでしょうか。

1)は、診断結果で、認知症と認められた場合。
課題は、進行を抑制する医薬品開発や技術・技能開発、そして現実的な認知症治療技術と
なります。

2)は、認知症になっていないことが分かり、認知症にかからないように、日常生活で予
防に努めることに。効果的な方法・技術が必要になります。

3)は、1)で既に認知症に罹っていると診断された高齢者の日常生活における対応です。
認知症カフェの設置・運用は、この括りに入ります。
当然、徘徊行動などに対応する「見守り」が課題になります。
「認知症サポーター」の増員とネットワーク化が、ここに関係します。

4)は、認知症の兆候は見られず、診断も受けておらず、認知症予防に取り組むケース。

どのケースも、並行して取り組み、進められていくべき課題です。
政府・厚労省がいくら掛け声をかけ、目標を掲げても、実際に取り組むのは民間、そして
自治体とうのが大半。

マスで増えていく認知症高齢者には、まず裾野を広げることが可能な地域住民によるネッ
トワーク化、となるのですが、なんとなく不安感、漠とした不安感が残り、広がります。
人の善意に頼りきることに対してです。
認知症サポーターが、その関わりの中で、何かしらの責任を問われることになる可能性も
なくはない、のです。

また、認知症の発見が進められても、その治療技術が開発されなければ、どうなるか・・・。
仮に発見された場合、その治療や処方する医薬品が高額になる場合、どうなるか・・・。

体裁のよい言葉とスローガンだけが先行しているのでは・・・。
直接の当事者ではない機関の勝手な思いとして・・・。

現実的に、認知症医療・治療・医薬品などはどうなっているか?
次回、最近のレポートで確認したいと思います。

このブログでも、かなり認知症について取り上げてきています。
目次カテゴリーの<認知症>をクリックして頂ければ、多数、見て頂けます。
ご関心をお持ち頂けたブログをチェックして頂ければと思います。

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【認知症サポーターとは?】

 自治体や地域の職域団体、企業などが開催する認知症サポーター養成講座を
受けた人の呼称。
 認知症を正しく理解し、自分のできる範囲のボランティア活動として認知症
の人やその家族を応援する。
 それぞれの生活する地域や職域において、認知症の人をみかけた際に、その
行動を見守ったり、道案内などの手助けをしたり、あるいは周囲の人に対して、
認知症についての正しい知識や配慮すべきことを伝えたりする。
 養成講座の受講は無料。
 講座の時間は90分ほどで、認知症に関する基礎知識や認知症サポーターとし
ての対処方法などを学ぶ。修了者には認知症の人を支援する意思を示すものと
して、オレンジ色のブレスレット(オレンジリング)が配布される。
 厚生労働省は2005年(平成17)から認知症サポーター等養成事業を実施。
 また、全国キャラバン・メイト連絡協議会は、認知症サポーター養成講座で
講師を務めるキャラバン・メイトを養成するための研修を、介護従事者や地域
支援センター職員、保健師などをおもな対象に、全国で開催。

(出典:小学館「日本大百科全書」(ニッポニカ))

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