上がり続ける介護保険料。介護保険制度の基本を知る①:『在宅介護』<在宅介護サービスの使い方>から(1)

好著 『在宅介護――「自分で選ぶ」視点から』(結城康博氏著・2015/8/20刊)
を紹介しながら、介護問題を考えるシリーズ。

5月は、「第4章 在宅介護サービスの使い方」を紹介しながら考えていきます。

今回はその第1回(通算44回)です。

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 1.介護保険における負担(1)
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<上昇する介護保険料>

 介護保険は社会保険制度の一つであり、適宜、保険料を納めていることが利用す
る条件になっている。(生活保護受給者は除く)。
介護保険料を支払うグループは二つに分かれており、①65歳以上は「第一号被保
険者」と呼ばれ、、②40歳以上65歳未満は「第二号被保険者」となっている。

そもそも介護保険の財源構成は、①公費(税金)、②保険料、③自己負担分で成
り立っている。
 全体の財源構成のうち③自己負担分を除くと、5割が公費(税金)で、5割が保険料。
 たとえば、介護保険の総費用が1000円と仮定して、100円は自己負担分で、残り
450円が公費(税金)、450円が保険料となる。

 第一号被保険者の保険料は、原則、年金から天引きとなっており、介護保険料部分
が自動的に引き落とされている。
ただし、介護保険料は個人の年金額等の収入に応じて異なっている。
2015年度から平均的な保険料は月5514円となっているが、もっとも低い層は半額以
下となり、高い層は1.5倍以上となる。
ただし、市町村(保険者)によっても保険料算定が異なり、介護施設などの介護資
源の差によっても違いが生じる。

 なお、2015年度の介護保険料基準額で、もっとも高い自治体は奈良県天川村(月
8686円)、もっとも低い自治体は、鹿児島県三島村(月2800円)となっている。
これらから上位と下位では2倍以上もの保険料地域格差がある。
(厚労省「第6期計画期間・平成37年度等におけるサービス見込み量等について」
2015年4月28日)

 

 第二号保険者は、医療保険料と併せて保険料が徴収されるため、同じく自動的に
徴収される。
 介護保険料が40歳以上を被保険者としている理由は、加齢に伴う「介護」は40歳
以上と考えられ、それ以下の年代は該当しないとされているからである。
 また、親の介護も40歳以上からが想定され、介護保険料を支払うことで間接的に
保険給付を受ける年齢が40歳以上と考えられれいることもある。

 介護保険料は3年ごとに見直されるが、2025年65歳以上の全国平均の介護保険料
は約8200円にまで上昇するとされている。
 すでに約500万人の要介護者らが介護サービスを利用しており、今後も高齢者人
口が増えるため介護保険料の上昇は避けられないといわれている。

 

 

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上記掲載の厚労省資料以外でも、こうした介護保険料の上昇傾向を示すデータはたくさん
あります。
その一部を以下に追加しました。

 

保険料が上がるのは、高齢者数の増加に当分歯止めがかからず、介護保険の利用
に応じて、公費の負担が膨大になるため、自己負担と保険料で、少しでも補おうと
することによります。



上の介護サービス利用者数は、2000年度と2014年度との比較ですが、下の表は2055
年度までの予想値です。

 

だからといって、利用する高齢者や介護保険料を負担する人の負担が、無条件に増える
ことを受け入れるべきか、となると、反対するのは当然のことです。

特に、自分自身が介護サービスを受ける必要がない、多くの第二号被保険者の不満は高
まります。
それでなくても、健康保険料と厚生年金保険料負担も、毎年、上がり続けていくのです
から、将来自身が十分受け取ることができるのか不安視されている年金に対する不信感と
併せて、不公平感が高まっていくことが予想されます。

どこかで、社会保険制度の抜本的な改革が必要になる・・・。
しかし、変革には、大きな反対が起きることも想定されること。

今行うべきコト。
既に介護保険を利用している高齢者はある意味、非常に恵まれていると言えます。
従い、現在の40代・50代の人が、自分の10年後・20年後・30年後を見据えて、どんな
準備・備えが可能か・・・。
現状の制度を理解し、今後の変化も予想し、なにかしらの自衛策を検討・研究すること
が望ましいと思います。
一緒に、考えていきたいと思います。

 

次回は、<介護にいくらかかる?> です。

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