要介護度レベルと認定方法の簡素化の余地がある介護保険法:『在宅介護』<在宅介護サービスの使い方>から(5)

好著 『在宅介護――「自分で選ぶ」視点から』(結城康博氏著・2015/8/20刊)
を紹介しながら、介護問題を考えるシリーズ。

5月は、「第4章 在宅介護サービスの使い方」を紹介しながら考えます。

第1回:上がり続ける介護保険料。介護保険制度の基本を知る①
第2回:介護報酬・介護保険サービス料の基礎知識。介護保険制度の基本を知る②
第3回:要介護認定の仕組み・手続きと認定調査
第4回:要介護認定システムの客観性・信憑性問題による認定率格差と介護給付格差

今回は第5回(通算48回)です。

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 2.在宅介護サービスを受けるには(3)
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要介護認定制度の簡素化

 そもそも、人の心身の状態を7段階に区分すること自体無理がある。
当然ながら人間は機械ではないため、心身の状態を細分化して要介護度を
決めることは難しいであろう。

 しかし、一定の要介護度レベルを定め、保険が利く介護サービス料の目安
に歯止めをかけなければ、無駄なサービスが使われてしまうこともある。
 実際、区分変更といって体調が急変した際に介護度を再審査するための制
度があるが、これらの申請の中には、もっとサービスを単純に使いたいと願
い申請する者もいる。

 介護度に応じて使える介護保険サービスの総額を決めておかないと、不必
要なサービスが使われてしまい無駄遣いが生じてしまう。
 その点を勘案すると、将来、ケアマネジャーの質の向上を条件に要介護度
レベルを3段階に簡素化して、調査形態もシンプルにしていくことが現実的
であろう。

 なお、全体的な統計を見る限り支給限度額があっても4~6割程度の枠内
でしか保険サービスは利用されておらず、超過している割合は要介護度5と
いった重度の方すら約6%に過ぎない。
 ただし、支給限度額を超えている重度の方は医療ニーズも高くなりがちで、
多くの介護サービスを必要としている。

 某市役所の介護保険課の認定担当者に話を聞いたのだが、1人の要介護認
定結果が出るまでに、調査員・医師への謝金、審査会運営(審査員の謝礼)
など、約2万円の費用がかかるという

 認定結果に不満のある人が苦情を申し出て、不服申し立てをするケースも
ないわけではない。
ただ、認定結果に不満のある多くは、区分変更申請といって、状態が悪化
したので、再度調査を申請するケースが多いという。

 

※次節に続きます。

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私の義母が<要介護度1>だったときも、限度額いっぱいを使い切ることは
なかったですね。
今年の認定更新で、<要支援2>となり、自動的に限度額も少なく・・・。
なおかつ、介護サービスの受け方が、軽度の介助サービスを月間で一括して
契約する方式とかで、限度額よりもはるかに少額の方式を選ばざるを得なくな
り、利用者の負担が減ると同時に、訪問介護事業者の収益も3分の1近くに減
収。

元々は、このサ高住は、<要介護1>以上と、一定の介護給付収益を見込め
る高齢者のみ入居を認める施設。
<要支援>になると介護士の仕事が減り、収益にもマイナス要因。
しかし、一応、継続して入居可能ということで、一安心。
以前、介護保険を適用していた介助サービスの一部の回数を減らし、別のサ
ービスを、1時間いくらの保険適用外で利用することで、減収の一部をカバー
することにしました。


(現状のランク別給付額枠)

文中筆者が提案する、要介護度を3段階程度に簡素化、というのは賛成です。
<要支援>で1つ、<要介護1><要介護2>をまとめて1つ、現状、特養
入居条件である<要介護3>以上を1つ、の3段階でよいのではと思います。
介護サービス利用の抑制については、内規をその3段階内で規定するととも
にどちらかというとレジャー的なサービスを給付対象から外すなど、検討可能
な項目があると感じます。

次回2018年の介護保険法改定時にどうこうした点が改善されるか注目したい
のですが、ここまで一気にダイナミックに改定できるか・・・。
あまり期待できそうにありませんが、たまには想定外の思い切った改正があ
れば、と思ったりします。

次回は、「3.ケアマネジャーを決める」です。

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