団塊世代の高齢化プロセス・おひとりさま化プロセスの違い:『おひとりさまの最期』から(1)


昨年2015年11月末に発売された上野千鶴子さんによる
おひとりさまの最期』。
本書を少しずつ紹介しながら、介護や医療と向き合うことが避けら
れない高齢者の、人生の終末期に向かっての生き方、暮らし方、も
のごとの考え方、そして次の世代への橋渡しなどについて考えてい
くことにします。

------------------------

-『おひとりさまの最期』構成-
1.み~んなおひとりさま時代の到来
2.死の臨床の常識が変わった
3.在宅死への誘導?
4.高齢者は在宅弱者か?
5.在宅ホスピスの実践
6.在宅死の条件
7.在宅ひとり死の抵抗勢力
8.在宅ひとり死の現場から
9.ホームホスピスの試み
10.看取り士の役目
11.看取りをマネージメントする
12.認知症になっても最期まで在宅で
13.意思決定を誰にゆだねるか?
14.離れている家族はどうすればよいのか?
15.死の自己決定は可能か?
16.死にゆくひとはさみしいか?

シニア女子3
-------------------------

以上の構成順に従って、極力、加工せず、原文を転載し、わたしの感
じたところをメモ書きしていくスタイルを取っていきます。
では、第1章「み~んなおひとりさま時代の到来」から、始めます

-----------------------

1.み~んなおひとりさま時代の到来」
-----------------------
<はじめに>

順調に加齢をつづけて、わたし(上野さん)もついに高齢者の仲間入
りを
しました。体力も記憶力も低下し、順調に加齢しつつあります。

所属の自治体から介護保険被保険者証が届きました。

あろうことか、地域の民生委員の訪問を打診する問い合わせが来まし
た。それというのも、わたしが見守りの対象である「独居老人」だか
らです。地域は独居老人に目配りしているのですね、孤独死などしな
いように。

いったんは必要がない、と思いましたが、待てよ、と思い直しました。
飛んで火に入る夏の虫。民生委員さんて、どんなことを聞くんだろう、
どんなひとがなるんだろう・・・・・と持ち前の好奇心がムラムラ。よろ
んで訪問をお受けすることにしました。

おひとりさまの老後』から8年。あれからいよいよおひとりさまの
は増え、2013年のデータでは高齢者世帯の4世帯に1世帯が単身世帯
です。

それに夫婦世帯が3割。両方を合計すれば5割以上と、いまや3世帯台
おちこんだ子との同居世帯率を軽く超えます。夫婦世帯のどちらか
が先
立てば、独居になるおひとりさま予備軍。そうなっても子どもが
同居
してくれそうな気配はありません。
もし「いっしょに暮さない?」とい
う申し出があっても、うかうかの
らないほうがよい・・・・・それを「悪魔
のささやき」と、前著で呼びまし
た。それというのも、同居したばっかりに老後のプランが乱されるこ
とがあまりに多いからです。
生活環境が激変するばかりか、要介護になればお荷物。住み慣れた土
地を離れての中途同居の高齢者の幸福度は、けっして高くありません。
反対に使いでのある親の家に子どもがのりこんできたら、最後は子ど
もの側のつごうで自分の家から施設や病院へと送り出されます。
そのくらいなら、最初から独居を選んだほうがまし・・・・・
わたしはずっとそう思ってきました。
「結婚していようがいまいが、だれでも最後はひとり」・・・・・
『おひとりさまの老後』の帯の文句にあるように、み~んなおひとり
さまの時代が、思ったより早くやってきそうです。

最近になって同世代の誰かれの訃報を耳にするようになりました。
親や恩師の世代の訃報は、悲しいけれど順番だから、と納得すること
もできますが、同世代ともなるとずしん、と堪えます。

伊藤比呂美さんが、近著『父の生きる』のなかで、書いています。

「親を送った。送り終えた。・・・・・やっと、おとなになり終えたような
気がした」
58歳にもなって「やっと、おとなになった」もないのですけれど。
親を送った別の友人がこう言っていました。
「自分と死とのあいだにたちはだかっていた障壁がなくなって足もと
がすーすーする」と。

そう、いよいよ次は自分の番です。
ここ数年、親しかった友人たちの死を身近に經驗して、そうか、死は
遠くにあるのじゃなくて、隣にあるんだ、という気分になってきました。
だから『おひとりさまの最期』です。

(略)

---------------------------------

わたしも昨年2015年に、「介護保険被保険者証」を受け取り、前期
高齢者の仲間入り?を果たしました。
ちょうど、その年に、同居していた義母の骨折・手術・リハビリを
経て、サ高住への入居まで、要介護認定申請から介護事業者との契
約、介護サービス計画の検討・確認などの手続きなどを経験。
また、老老介護の不安・可能性やその実際など、今、自分たち夫婦
の老後・健康などと合わせて考え、体験する日を送っています。

上野さんとの違い。

わたしは、結婚し、家族を持ち、自分の子を自立するまで養育する
責務を積極的に、自身の意志を持って担い、実践してきたこと。
義母との同居も私たち夫婦がどちらも30歳代から自分たちの意志で
決め、義母が自分の仕事に専念できるよう家事を担い、一般的には
ありえない90歳までの現役生活を支えてきた時間を持ってきたこと。
そして、3人の息子たちはそれぞれ結婚し、子どもを持ち、私たちと
は離れて自分たちの家族・家庭生活を営んでいること。
加えて、現状では、子ども達に、私たちの老後のケアや負担をなん
とかかけずにやっていくことを夫婦で話す日々を送っていること。
などがあります。

確信的シングル、積極的非婚を自然に通し、研究領域である社会学
で大きな業績を上げてきた上野千鶴子氏。
ベストセラー『おひとりさまの老後』を世に出したのが、2007年。
「おひとりさま」の市民権はその後一層強まり、非婚・未婚者への
勇気づけと、老後の生き方の多様性による自立した生き方を選択す
ることの価値観を広げることに貢献した感があります。

結婚と出産・育児という生き方を選択せず、その流れの中での独身
・独居・老後・要介護というステージを研究テーマとしたとき、多
くの高齢者にとって、家族との関係のあり方が当然その課題に組み
入れられることを、上野氏がどう受け止め、感じたか・・・。
介護やケアを研究主領域としたとき、ご自身の生き方と家族を持つ
高齢者の生き方をどう扱うことになったか・・・。

同じ団塊世代であっても、老齢・老後に至るプロセス、おひとりさ
まに至るプロセスとその状況には、当然多種多様な違いがあります。
それらの調査研究プロセスで、家族のとらえ方、結婚のとらえ方が、
過去と変わることがなかったのか・・・。
そうした関心を含め、本書を通じていくつかの視点で、上野さんに
伺いたいこともあります・・・。
それらは、ブログ中で「独り言」としてメモしていこうかと思って
います。

比較的ボリュームのある本書。
どちらかというと、私の別のブログサイト<世代通信.net>の
「高齢者」カテゴリーで扱うべきかと思ったのですが、他のカテゴ
リーの種類も多く、「介護」問題も本書の軸をなしているので、
こちらの<介護相談.net>で、としました。

シニア女子8

 

関連記事一覧