介護マンガ『ヘルプマン!』第7巻【介護支援専門員編】(3)第7巻あらすじ:利用者のための介護サービスとは


介護マンガ『ヘルプマン!』の第7巻【介護支援専門員編】は、
イブニングの2006年10号~21号に連載されたものを収録し、
2007年1月23日に単行本として発行したもの。

この【介護支援専門員編】での主人公は、
百田百太郎と同時に高校を中退し、自ら強い意志を持って介護業界に
飛び込んだ友人、神崎 仁
彼が、介護支援専門員=ケアマネジャーの資格をとり、
その仕事で矛盾や問題に突き当たりながら、現場での対応・改善に
努める 在りさまを、 この第5巻から第7巻までの3巻で描いています。

第7巻の構成は、次の以下の通りです。

 

第7巻のあらすじは、以下の通りです。
その前に
第5巻のあらすじはこちらで!
第6巻のあらすじはこちらで!
チェック!

------------------------

<第62話>:新制度
マンモスケア最高顧問の新居正美(69歳)は、脳内出血の後遺症と右半身麻痺、
言語障害により要介護3となったが、介護を受けながら、その経営に関与しよう
とする。
06年4月介護保険改正法が施行された。
予防給付制導入に伴い、マンモスグループでは、保健師からケアマネへの依頼
獲得で、要支援に移行する利用者の確保に力を入れる。
マンモスの経営陣は新居の関与を避けようと、高級ホームへの入所を薦めるが
本人自身は、介護保険を利用し、自分が作ってきたサービスを利用すると拒否
する。

<第63話>:孤高
ある日、グループのデイサービスに予防リハビリのために行くバスに乗車した
新居は、同乗している老人たちの会話を耳にはさむ。
「気が進まないが、妹が通っているところは楽しいと言うので・・・。
お友達ができていっしょに食事しながらおしゃべりしたりしてね・・・」
「へぇ・・・そんなもんかね。このバスを見た限りじゃとてもそうは思えない
けどねぇ・・・。」 新規の利用者である二人の老女が交わす会話に
「楽しいことなど何もありゃせんよ。このバスは地獄行きのバスじゃ」と
男性老人の言葉がかぶさり、新居はいぶかる。
施設に到着し、新居は、みなと同じように扱うように責任者に指示する。

<第64話>:方針
利用者同様に介護サービスの実際を体験する新居。
入浴時のプライバシー、待ち時間、ペースト状に調理されたひどい食事内容
などマニュアル化されたサービスを体験し、自分が作り上げてきたサービス
とはまったく違うと憤慨し、責任者を責める。
寺田本部長は、別の小規模密着型サービスのデイに連れて行くが、おむつの
対応に憤慨し、行き渡らないサービスが本部の方針に従っての職員の削減に
拠るものと聞かされ、魂を注いできたつもりの介護現場を始めて知った。
一方、愛サービスをやめた仁ら4人は、仁の父が経営する自宅兼喫茶店の
一室を事務所にして、居宅介護支援事業者<ケアマネ>の認可を得ることが
できた。

<第65話>:介護予防
仁ら4人は、以前担当した利用者を再訪し、ケアマネとして再度利用してもら
えるよう営業活動を始めた。わがまま老女の青木も、予防介護のリハビリに
よくわからないまま付いてきていたが、仁を見て、なぜ来なかったかと攻めた。
事務所を守る沢口には、ひっきりなしに問い合わせの電話が入り、みな不思議
に思うが、それは、百太郎がチラシを心当たりに配ったため。
仁は、「あいつしかいねぇ!」と・・・。

<第66話>:滑脱
仁の事業者への契約変更を翻意させようと訪問したマンモス系のケアマネは
利用者から、仁の誠実な姿勢を理由に固く申し出を拒んだ。
一方、百太郎が「何でもご相談を!」と勧誘したことで、相談ばかりで簡単
には対応できないことでかける迷惑や、契約にはならない事情を百太郎にこ
ぼす仁。
「契約しなきゃ助けちゃいけねぇって方はねぇんだ。聞いた端から助けて
いってやりゃいいじゃん!」
「そんなことができりゃ誰も苦労してないし介護保険制度もいらねぇんだよ!
介護はな。。。、スーパーマンが1人いりゃいいって世界じゃねぇんだ!
じゃあできるもんなら、おまえがやってみせてみろ。」
「マジでオレがやってもいいのか!?」

<第67話>:懇望
相談の聞き取りだけでも目いっぱいの仁たちは、他の事業所の信頼できそうな
ケアマネの手も借りて対応し、ネットワーク化をめざす。
百太郎は、自分が支援している高齢者の友達のネットワーク化を考え、別の
ケアマネ管轄の利用者宅を一緒に訪問。
そこでも利用者とその家族の
希望するように対応しない事業者の実態を知る。
望みがないかのように元気をなくしていくその家の老婆。
「オレがジジババの口から聞きてぇのは”生きててよかった”っていうセリフ
だけだ!」とその家族に老婆が元気なときの様子を聞きながら、百太郎は思う。

<第68話>:発奮
その一家はクリーニング店を営んでいた。介護を受ける母親に対して、百太郎は
まだ自分でできることがあると元気づけ、手を貸しながら試し、できることを
家族にも見せて、今までとは違うやり方をすることにした。
但し、百太郎、これはただ働き。
依頼があっても手助けできない状況をどう打破するか。
百太郎は老人たちのネットワーク化を作り、その中のだれかが介護サービスを
受けるようにすれば、と自ら自治体にケアプラン用の用紙をもらいにいくが
断られる。
仁は、介護を受けれ人自身がケアプランを作ることは許されていることを
百太郎に教えた。


<第69話>:軽挙妄動

かのクリーニング屋さん宅では、サービスの変更を現在のマンモス系のケアマネ
に依頼したが、次月にと拒否され、自分でケアプランを立てると、そのケアマネ
を解除。市に用紙をもらいに行き、書き方を教えてくれるよう頼むが、それは
在宅介護支援センターに相談をとたらい回し。困り、仁のところで書き方を習い
完成させて市に持ち込むと、時間が終了しており、翌日の受付では、来月からの
適用になると規則規則のがんじがらめの繰り返し体験。

<第70話>:一意
この事情を百太郎から聞いた仁は、規則がんじがらめの介護保険制度にキレ、
利用者サイドに立ち思い切った手を打つことにした。
百太郎は、利用者のミドリさんを頼って訪問し、協力を頼む。
一方マンモスグループのケアマネは、仁たちの事業所と百太郎とが、自分
たちが契約する利用者に対して契約の横取りを使用としていると市の介護保険課長
花岡に相談に訪れた。

<第71話>:対策
こうした動きは、市の担当部門では、「利用者も事業所も自分が得することしか
考えちゃいない・・! 誰一人として財源のことなんか考えちゃいないんだから」
「ヘタに動いて波風立てるのも・・・」
「いざとなれば我々には”実地調査”というお墨付きがある。出る杭を打つのは
造作もないことだよ」と・・・。
仁は、要支援に変更になりヘルパーの利用回数が減った老女に介護保険を使わな
くても利用できるサービスを知恵を出して考えると約束。
宅配業者や学校のボランティア活動の利用や提携のために動き始める。
百太郎は、ミドリさんの高齢者のネットワークで、クリーニング屋さんの母の
サポート体制が介護サービスなしでできたことを仁に報告。
仁も百太郎と一緒にそうした方法を活かそうと決意する。

<第72話>:密密
マンモスの寺田は市長に<ケアマネ>の実地調査を暗に要求。その旨市長から
花岡課長にプッシュがかかる。
仁は、違法なサービスを、利用者目線でサービスに組み入れ始め、沢口に理由を
述べ、自分を解雇するよう申し出る。そうした違法を隠蔽するには、ヘルパー
の協力が不可欠。その適任が百太郎、とみな納得。
市長の意向を受けて様子見に花岡が訪れた<ケアマネ>では、4人が、どのよう
に利用者の希望を実現し、どのように虚偽計画・虚偽報告で乗り切るかの話を
生き生きとしていた。
「バレたら闘う!」という沢口所長の言葉も外に漏れ聞こえてきた。
その後ドアを開け、みな聞こえていたことと、後日改めて部下を連れて訪問する
と伝えて帰ろうとした。
ことを起こす前にバレたと察した
仁は、百太郎と一緒に、車で送ると花岡を無理
やり車に押し込んだ

<第73話>:矜持
花岡を介護の現場に案内し、法律違反で自分たちの希望が通らない事情や、違法と
わかりつつ行っているサービスが、利用者の喜びに繋がっている事例を伝えた。
一方最高顧問新居が立ち上げたマンモスグループでは、新居自身の希望を受け容れ
ることが可能な事業所がないことがわかり、家族が事業の売却さえも考える状況に
なる。
マンモスの寺田は、やむなく、新居の介護を<ケアマネ>に依頼しに訪問。
沢口は、それを受け入れ、マンモスの必要性も話しながら新居の手を強く握ると
意識が薄れ気味だった新居のまぶたが開いた。
しかし、市の実地調査は、マンモスの苦情の取り下げで中止となり
「書類上の日々がないこと、と、やりすぎないこと」という条件が伝えられた。

「この国の介護はどこへ行こうとしているのだろう・・・
どこの行ってもいい。迷走してもかまわない
・・・ただその中に、あたたかい血が流れてさえいれば
”幸せ”は必ず見つけられるはずだから・・・
あたしたちは、そう信じて、精一杯走るだけ!」

(この巻、終わり)

-------------------------

ヘルプマン!の連載開始は、2000年、新たに制定・施行された介護保険法
を受けてのこと。
そして今回の第5~第7巻は、2006年の初めての介護保険法改正に絡んでの
ストーリーでした。

当然、この次の法改正をテーマにした物語に繋がっていくことにもなります。
介護保険制度の歴史探訪とも言える介護マンガ『ヘルプマン!』。
今は新シリーズ『ヘルプマン!!』も始まっているのですが
過去をじっくり見直すことも意義があることと思いつつ・・・。

次号も楽しみです。

-------------------------------------

『ヘルプマン!』第1巻から介護問題を考えていくブログのラインアップです。
介護マンガ「ヘルプマン!」で知った<介護未経験者確保等助成金制度>:介護コミックの存在を知る!(恥)
介護保険制度導入期に始まった介護マンガ『ヘルプマン!』第1巻(1):介護マンガで学ぶ介護社会の変遷
介護マンガ『ヘルプマン!』第1巻(2):18歳男子恩田百太郎が高校中退して介護の世界に入る
介護マンガ『ヘルプマン!』第2巻(1):「痴呆症」と呼ばれた時期の介護保険入門編
介護マンガ『ヘルプマン!』第2巻【在宅痴呆介護編】:認知症による問題行動の理由・背景を理解する大切さ
介護マンガ『ヘルプマン!』第3巻【介護虐待編】(1):本作品への寄稿が語る、10年前の介護社会の状況
介護マンガ『ヘルプマン!』第3巻【介護虐待編】(2):「がんばらない介護生活5原則」で介護を理解する
介護マンガ『ヘルプマン!』第4巻【高齢者性問題編】:生きる本能としての性、高齢者にも個人差が
介護マンガ『ヘルプマン!』第5~第7巻【介護支援専門員編】(1):ケアマネジャーの仕事がわかる!
介護マンガ『ヘルプマン!』第5~第7巻【介護支援専門員編】(2):2000年施行、2006年改正介護保険制度問題を突く
介護マンガ『ヘルプマン!』第5巻【介護支援専門員編】(1)あらすじ:ケアマネがすべてを知っている!
介護マンガ『ヘルプマン!』第6巻【介護支援専門員編】(2)あらすじ:介護保険不正や利用者不在問題を問う
介護マンガ『ヘルプマン!』第7巻【介護支援専門員編】(3)第7巻あらすじ:利用者のための介護サービスとは
-----------------------------------



関連記事一覧