介護施設入所を受け入れるために考えるべきこと:『失敗しない介護施設選び』から(4)

実際に20年間以上社会福祉法人での特養運営の経験者が書いた
失敗しない介護施設選び』(横江金夫氏著・幻冬舎・2015/8/25刊)。

これまで取り上げてきた
在宅介護――「自分で選ぶ」視点から
結城康博氏著2015/8/20刊)

を基にしたシリーズと対比させて
施設介護を推奨する視点で、紹介を始めました。

第1回:施設介護、在宅介護を比較する
第2回:高齢者自らが施設介護を選ぶ社会は?
第3回:高齢者・家族、双方にとって有益な施設介護を
今回が第4回
第2回から、第5章
【施設入居は、人生の第二のスタート。追求すべきは「最期まで充実した人生」】
の中から、数回引用しています。

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 介護施設での生活を充実させるには
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 高齢者本人が、「施設はいやだ、自宅にいたい」と主張する場合もあるでしょう。
人づきあいが苦手な高齢者は、みんなで生活するということ自体に抵抗感があり
ます。
それに、高齢になってから今までの生活スタイルを急に変えるのはとても難しい
ことでもあります。

 認知症が始まっている人では、環境の変化によって症状が悪化することもあるの
で、家族も不安が募ります。
 このような場合は、デイサービスなどの「通い」のサービスから始めて、少しず
つ施設の生活や雰囲気に慣れていくことが大事でしょう。
 デイサービスやショートステイで施設を利用してみて、ご飯がおいしい、お風呂
が気持ちいい、あるいは話ができる同世代の友人ができたなど、何かひとつでも楽
しみが見つかると、施設へ入所することへの抵抗感はぐんと低くなります。

 いくつかの施設を利用してみて、本人が抵抗なく通うことができれば、優先して
入所先を決めるという方法も得策です。
 大手企業の経営で家族がここなら安心だと思うような施設より、施設は古いけれ
ど職員の対応が素朴でホッとする、そういう施設を高齢者が好む場合もあります。
 入居してそこで毎日を過ごすのは本人ですから、本人の意向を大切にしたいもの
です。
 
 そして、いよいよ施設での生活が始まったら、家族もできる範囲でいいので施設
に足を運び、様子を見たり話を聞いたりしてあげてください。
 特に、職員にもほかの入居者にもなれていない最初のうちは、高齢者は不安定に
なるやすいものです。
 家族が短時間でも顔を見せてくれると、それだけで安心感が増します。

 入居してからも家族のサポートがある人ほど、施設での暮らしが安定しますし、
職員とのコミュニケーションも良好になります。
 
 介護施設への入居は、高齢者にとっての「第二の人生」をスタートさせるような
ものです。

 家族と職員、医療者など、周囲の人間が手を取り合い、情報を共有しながら、入
居した方の施設での生活が充実したものになるよう見守っていきましょう。

この後、筆者の運営する施設に入居して、有効・有益だった事例を数例紹介して
いますが省略します。

老女
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入所者との交わりを嫌うのは、多くの場合男性高齢者であり、女性の場合はむしろ
好む人の方が多いのではと思います。

ただ、今春サ高住に入居した私の義母は、男性型の性格か、一人でいることの方を
好み、レクリエーションには参加したがりません。
高齢者も人それぞれなので、柔軟に対応してくれる施設が望ましいと考えます。

私も、もし施設に入所し、ある程度体の自由が利くならば、個室で読書、ネットで
の情報入手、DVDかCATVでの映画視聴などを楽しむ生活を送ることができれば十
分です。

高齢者にとって介護施設入所が「第二の人生」のスタート、というのもどうでし
ょうか・・・。
それまで、なんの変化もない、平板な人生だったという人はそういないと思うの
ですが・・・。

「いくつかの施設を利用してみて、本人が抵抗なく通うことができれば、優先して
入所先を決めるという方法も得策です。」
と筆者は述べていますが、事前に利用可能な施設は、デイサービスなど通いに限ら
れ、特養やサ高住、有料老人ホームなど居宅型介護施設にお試し入居することは恐
らく無理です。

実は、この書を入手し、読み終える以前に、この本よりも後の2015/9/20に出版
された『介護ビジネスの罠』(長岡美代さん著・講談社新書を入手していました。


この本には、介護ビジネスの裏面、負の面を念入りにリサーチした、事実に基づく
悪い介護施設や事件・問題が紹介されています。
これを読むと、『失敗しない介護施設選び』の少々楽天的・楽観的な内容に対し、
不信感を持ってしまうかもしれません。

後日、同書も利用していく予定ですが、肝心なのは、やはり、施設を選ぶ目、その
前提としての介護制度をしっかり理解できる目、視点を持っておくことと考えます。

いずれにしても、介護施設に入所することになった場合、可能ならば本人自らが、
不可能ならば親身になって考えることができる家族が、何カ所かの候補施設を見学
し、施設や介護体制、介護サービス内容・方法、費用などをしっかり調べ、理解し
た上で、適切な判断をして頂きたいと思います。

この項全体が、ややイージーな内容になっているので、なるほど、という感じて
読むことができないのが少々残念です。

困った

次回は、この後、施設に入居して有効・有益だった事例を紹介していますが、
省略し、この章のまとめを紹介します。

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