平均寿命が短い男性には時間もない!?:「時間」がない男が「居場所」のある女に頼るミライ(16)


『「居場所」のない男、「時間」がない女』(水無田気流さん
著)を
ネタにして始めた
<「時間」がない男が「居場所」のある女に頼るミライ>ブログ


『第1部 居場所のない男』
「第1章 男女の時空間分離がもたらした悲劇」
は以下の7回で終了
第1回 ⇒ 関係貧困と時間貧困、時空の歪みを歯噛みする
第2回 ⇒「亭主元気で留守がいい」から「亭主ピンピンコロリがいい」時代へ
第3回 ⇒ 粗大ゴミ・産廃・濡れ落ち葉男性の今昔とミライ
第4回 ⇒ 時間がある若い世代の居場所確保と疎外感克服法は?
第5回 ⇒「男は、女はこうあるべき」が崩れる社会に備える
第6回 ⇒ 時代で変化してきた夫婦の関係性の明日は見えるか
第7回 ⇒ 男性よ、愛情表現する勇気とスキルを持とう!

そして、いよいよ「居場所がない男」を明確に決定づける検証レポートの
「第2章「弱音を吐けない」という男性問題」に入りました。
第8回 ⇒ 愛情ビジネス結婚と損得感情・損得勘定結婚
第9回 ⇒ 弱音を吐かない強みと弱みへの対応法
第10回 ⇒ 夫婦・独り身の平均寿命の違いの原因は?
第11回 ⇒ そして男性のまわりにはだれも居なくなる?!
第12回 ⇒ 女性が新しいコミュニティを創造してくれる!?:
第13回 ⇒ 孤独であること、ひとりでいることはいけないこと?
第14回 ⇒ 男子よ、自分の健康管理は自分で!
第15回 ⇒ 自殺統計から仕事と生活のあり方を考えてみる

20歳違いの世代間ギャップはここで決定的になるでしょうか。
今回は第16回。
第2章の最終回です。
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『第1部 居場所のない男』
【第2章「弱音を吐けない」という男性問題】から

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<男性自殺者が多い理由>

精神科医で災害精神支援額が専門の高橋祥友は、男性の自殺率が
女性よりも高い要因を、次の3点で説明している。

①生物学的要因:衝動性をコントロールできる能力は、女性の方が
圧倒的に優れている。惰性は問題解決場面で、敵対的、衝動的、攻
撃的な行動に及ぶ傾向が強く、自殺を図ろうとするときにも、より
危険な手段をとりがちである。

②精神医学的要因:男性の方がうつ病だけではなく、アルコールや
薬物の乱用がうつ病に合併する率が高い。

③社会的要因:問題を抱えた時に女性の方が他者に相談するといっ
た行動に対して抵抗感が少なく、柔軟な態度を取ることができる。
「強くなければならない」「他人に弱みを見せてはならない」
「問題を自力で解決しなければならない」といった社会的制約が
男性では強いために、問題を抱えた時に誰かに相談するといった
態度が取れず、すべてをひとりで抱え込んでしまおうとする態度が
明らかである。精神科受診に対する抵抗感も、一般的に男性の方が
高い。

(略)
 1990年代以降の職場環境の変化が、働き盛りの男性の自殺を激
させた要因として、成果主義導入や非正規雇用の増加などの影響
指摘できるという。
 が、非正規雇用の増加は女性に圧倒的に多く、それ以上に、ステ
レオタイプ化した男性の「家計責任」像が、当の男性を時に自殺に
追い込むほど苦しめていると考えるほうが妥当である。共働き世帯
が増加したが、今なお日本の世帯は夫婦ともに「男性が家計を担う
べき」と考えている人が夫・妻ともに7割おり、その責任と負担の
重さがうかがわれる。

※この項、終わり

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<日本の男女の平均寿命格差が大きい理由>

日本人の平均寿命は国際的に見ても長いが、男女差も大きい。
 保健人口学を専門とする綿引信義は、その平均寿命格差を諸外国
と比較検証しているが、この報告をもとに、私(水無田)は次のよ
うに3群に分類した。

①平均寿命格差高程度群:
ロシア11.3年(64.56歳、75.86歳)タイ7.3年(64.56歳、75.86歳)
韓国6.7年(77.9歳、84.6歳)日本6.4年(80.21歳、86.61歳)
フランス6.3年(78.7歳、85.0歳)フィンランド6.0年(77.8歳、83.8歳)

② 平均寿命格差中程度群:
ドイツ5.01年(77.72歳、82.73歳)イタリア4.84年(79.57歳、84.41歳)
カナダ4.27年(79.33歳、83.60歳)アメリカ合衆国4.27年(76.3歳、81.1歳)

③平均寿命格差低程度群:

ノルウェー3.96年(79.65歳、83.61歳)デンマーク3.9年(78.0歳、81.61歳)
スウェーデン3.62年(80.09歳、83.71歳)アイスランド3.1年(80.8歳、83.9歳)

 このデータと「ジェンダーギャップ指数」との関係についても彼女の
分析が及びます。

ジェンダーギャップとは、以下の4点からその国の男女平等度を測る
指数。

①Economic Participation and Oppotunity
 経済活動の参加と機会:給与、参加レベル、および専門職での雇用
②Educational Attainment
 教育:初等教育や高等・専門教育への就学
③Health and Survival
 健康と生存:寿命と男女比
④Political Empowerment
 政治への関与:意思決定機関への参画

 日本の2014年報告のこの指数は、142カ国中、104位と先進国レベル
では最低。これは、日本の女性は「健康」水準が高く、「教育」水準も
そこそこ高いものの、管理職割合や賃金の低さから「経済」が、議員の
女性割合が極めて低いことなどから「政治参加」が極めて低いことによる。

この後、特徴のある諸外国の状況を提示したあと、以下の仮説を述べて
います。

男女平等度が高く、女性の社会参加が進んだ国は男性の家計責任が相対
的に低く、「妻子を食べさせる」重圧も相対的に軽くなることが予期され
る。また、妻の稼得能力が高い場合、男性は意に沿わない移動や転勤など
の命令が下った時、場合によっては拒絶することも選択肢に入りやすくな
る。結果、相対的に男性の心身の健康状態は比較的良好に保たれやすくな
る。

 他方、女性の社会進出が進まず、男性が片働きで、専業主婦の妻と子ど
もを養わねばならない国では、男性は勤め先の不当な命令にも従い、会社
にしがみついて働かねばならない可能性は高くなり、日常的な長時間労働
も辞さない働き方を余儀なくされる。
 ストレスを紛らわせるためや、男性同士のつながりが優先される社会の
中で、つきあいの必要上飲酒喫煙の機会は増え、仕事中心の生活のせいで、
たとえ体調不良でも適切な時期に病院に通う機会は減り、結果、男性の心
身の健康は損なわれがちになる・・・・

 だんだん、仮説というよりは日本のサラリーマンの悲哀そのもののよう
に見えてきたのは、気のせいだろうか。
 ともあれ、この仮説が正しければ、「女性の職場進出」は女性のため
だけではなく、大いに男性の心身の健康にも役立つといえるのではないか。

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この後、この仮説と照合させるべく、2013年にヒットしたTVドラマ
「半沢直樹」におけるストーリーを引用。
これと関連させ、ジャーナリスト・治部れんげが述べた、アメリカでの
世帯単位でのキャリア形成のあり方も紹介し、これが
一方の性のだけ家計責任か家計責任が偏った世帯形成では、今後の変化
の激しい社会には対応が難しい。新しい形の「家族の生き残り戦略」を感
じさせた
とこの第2章を結んだ上

それでは次章では、現在の日本型サラリーマンがどのように形成され、
どのような点が問題と鳴っているかを詳解したい。
 
第3章 日本男性の「関係貧困」>に続きます。

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ここまでで、本書の1つのテーマである「居場所がない男」の事情と背景
について、ほぼカバーされたかと思います。
従い、第3章は、その整理・まとめとして、同様の内容が提示されるの
ではと思われます。

「女性の職場進出」は女性のためだけではなく、大いに男性の心身の健康
にも役立つといえるのではないか。

という水無田さんの仮説は、確かに当たっているかもしれませんが、そ
うすると今度は、女性にも負担・ストレス・負荷がかかることになること
も当然考えられます。

そうなれば男女の平均寿命格差も縮まって来るのでしょうか・・・。

現状の男女の平均寿命格差そのものは、男性には女性よりも時間が少な
いことを意味しています。
「居場所がないから時間も少なくなる」そうとも言えるのかどうか・・・。
時間がない女性が、時間を手にするのが、男性がいなくなってから、と
いうのも不本意なこと?かと思われます。

ふと思うのですが、男女の比較ばかりしていても、子供の数が増える
ことには結びつかないような・・・。

ジェンダーギャップ指数を考えれば、子どもの居場所がつくられ、子ど
もが生を育むためのゆったりとした時間が確保されるようになっていく。

その視点を忘れずに、考えていきたいと思っています。

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