「婚活」が恥ずかしいことではなくなった時代の幕が開いて:『「婚活」症候群』から(2)
「婚活」という言葉を世に送り出しブームを起こした、
『「婚活」時代』
(白河桃子・山田昌弘氏共著の2008/3/1刊・ディスカバー携書)
そこから産まれた誤解を解くと共にその後の婚活とこれからの婚活を
テーマとした続編の
『「婚活」症候群』(2013/7/20刊・ディスカバー携書)
この続編の方を読めば、『「婚活」時代』を読むもないと思います。
そこで『「婚活」症候群』を参考にさせて頂きながら、「結婚」と
これからの「婚活」を考えていきます。
第1章【「婚活」流行の背景と影響】
第1回:「婚活」ブームがもたらした認識の変化「結婚できない不安」
今回は、第2回です。
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認識の変化2 婚活がはずかしいものではなくなった
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「婚活」という言葉の浸透によって、起きた二つの意識の変化。
二つめは、結婚するために行動することが恥ずかしいことではなくなった
ことです。
『「婚活」時代』出版以前、婚活に相当する言葉がなかった時代には、特
に女性が結婚相手を探しているとあからさまに公言することは、さまざまな
意味でためらわれました。
それは、「結婚相手を探している女性=恋人がいない、モテない、男性か
ら声がかからない、女性としての魅力がない」という連想があったからです。
それは、日本では、声をかけるのは男性からという習慣が根強いこもと影
響しています。
恋人(結婚相手を含む)をほしいと思い、声をかける男性は、特に問題に
なりません。
失敗しても、男らしいと言われます。
逆に、女性から積極的に動くのは、女性らしくないと思われてきました。
しかし、婚活という言葉が一般的になると、魅力的な女性でも結婚してい
ない、恋人がいないという事実が明らかになり、女性から動いてもよいとい
う形に認識が変わってきました。
(略)
実際に婚活し、それを公に言うことが恥ずかしいことではなくなった。
これは、『「婚活」時代』の出版前と出版後では相当大きく違ってきたこ
とだと思います。
これらの認識の変化に関しては、女性誌のスタンスがガラッと変わったこ
とも大きいと思います。
それまでは、婚活なんて恥ずかしいことで、女性がガツガツしてはみっと
もないという感じだったのですが、『「婚活」時代』を出版した一年後くら
いから女性誌から山のように取材が来るようになりました。
女性誌がいっせいに婚活を肯定し始めた時、女性が積極的に婚活をするこ
との最後のハードルが取れた感じがしました。
団塊世代の最終ランナーの私ですが、ごく少数かもしれませんが、女性か
ら男性に結婚を迫る、プロポーズする、ということがなかったわけではない
と思っています。
一応、男女同権の時代と言われ始めたときに、民主主義も合わせて習った
ことも背景にあるかと・・・。
私事ですが、回り道して2浪後大学に入り、アパートで独り暮らししてい
た時、高校時代に付き合っていた女性が、短大卒業前後に突然やってきて、
「結婚してほしい」と告げられました。
ようやく学生生活が落ち着いたところへの突然の行動で、まだそんな状態・
状況ではないからと断り、帰ってもらいました。
そうした数か月後、彼女が結婚したことを知らされました。
私のところに来た時には、既にお見合いの話があったわけで、私が結婚の
約束をすれば断ったが、私に(まだ)その意志がなかったことを確認した後、
断らずに見合い相手と即、結婚!
情熱的な行動に驚き、そんなに簡単に結婚してしまうものかと2度びっく
りさせられましたが、ある意味光栄なことだったと今更ながら感謝もしてい
ます。
(結婚していたら、まったく違った人生になっていました。)
今のかみさんとの結婚は、どちらかというと、成り行き?
というのは卑怯ですね。
付き合っていて、結婚する流れが自然にできていた・・・。
まあ、97~98%の男女が結婚する、旧き良き「皆結婚時代」のことです。
さて「婚活」時代の幕が開けて・・・。
大っぴらに結婚活動を行うことが恥ずかしいことではなくなった・・・。
しかし、そこには、予想していなかった事態・誤解が・・・。
次回は、<2つの意図せざる結果>を紹介します。
『「婚活」症候群』の構成は、以下のようになっています。
1.「婚活」流行の背景と影響(山田)
2.「婚活」の誤解と限界(白河)
3.婚活の現実と格差 あきらめる男性、疲れる女性(山田)
4.限界を突破するには(白河)
5.婚活の社会的効用 少子化対策としての婚活(山田)
6.進化する婚活(白河)
7.地方の婚活、世界の婚活(山田+白河)