『「婚活」時代』の誤算、恋愛抜きの結婚願望?:『「婚活」症候群』から(3)

「婚活」という言葉を世に送り出しブームを起こした、
「婚活」時代
白河桃子・山田昌弘氏共著の2008/3/1刊・ディスカバー携書)
そこから産まれた誤解を解くと共にその後の婚活とこれからの婚活を
テーマとした続編の
「婚活」症候群』(2013/7/20刊・ディスカバー携書)

この続編の方を読めば、『「婚活」時代』を読むもないと思います。
そこで『「婚活」症候群』を参考にさせて頂きながら、「結婚」と
これからの「婚活」を考えていきます。

第1章【「婚活」流行の背景と影響】
第1回:「婚活」ブームがもたらした認識の変化「結婚できない不安
第2回:「婚活」が恥ずかしいことではなくなった時代の幕が開いて

今回は、第3回です。
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 意図せざる結果1 男女交際よりも結婚?
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 「婚活」時代』が広まるようになって、意図しない結果も。

 一つは、男女交際ではなくて、「結婚」するのが目的という意識が強ま
って、現実の男女交際はむしろ不活発化していること。

<国立社会保障・人口問題研究所の独身者調査>
 2005年から2010年にかけて、未婚者の交際率が低下し、若い人たちに
顕著。
 20代前半の恋人保有率(婚約者含む)は、
2005年、男性30.0%、女性40.4%。2010年、同24.7%、同38.6%に。
特に男性は、1987年の26.9%よりも低く、バブル以前の男女交際の水準
に戻ってしまったようです。

<日本性教育協会調査>
 2005年まで右肩上がりに増えていた学生・性との性体験率が、2005年
から2011年にかけて、低下。
2005年、男性63.0%、女性62.3%。2011年、同54.45、同46.8%と激減。

ここ5年で結婚はそれほど減っていないのに、男女の交際比率が減少。
前述の人口問題研究所調査で、恋人がいない人の中での「異性との交際
希望」の割合も減っています。
 一方、結婚希望は増えています。
 つまり、ここ5年で、恋人はいらないけど、結婚したいという独身者が
増えたということです。

現実の男女交際はむしろ低下している。
 私が教えている大学生に聞いても、結婚はしたいけれども、恋愛する
のが面倒くさいと答える人が多いです。

 婚活が恥ずかしくなくなったと同時に、恋人がいないことも恥ずかし
いことではなくなってきたようです

 1990年代は、恋愛の時代と言ってよいでしょう。
 結婚よりもデートをする彼氏や彼女をつくることに主眼が置かれてい
ました。

 しかし、今は、彼氏や彼女をつくるよりも、結婚相手を直接求める人
が増えました。
 つまり、結婚しない相手とはたとえ好きでも交際しない、時間の無駄
だという意識が強まっているのでしょう。

恋愛より結婚、恋人より結婚相手という意識は、結局結婚を少なくし
ているように思えます。
 それは、男女とも、つき合う前にデータで判別してしまうからです。

 結婚するには収入がいまいちの男性でも、つき合っていれば、その
人のよさがわかり、結婚に踏み切るというケースもあるでしょう。
 恋愛より結婚という意識は、そのようなケースを排除してしまうから
です。

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最近若い世代の種々の動向・現象の要因・理由としてよく耳にするのが
「めんどくさい」「面倒」という言葉。
恋愛をスルーして、いきなり結婚を考えるというのは、省エネかもしれ
ませんが、あとからツケが来そうな予感、しないのでしょうか?

こうなると、やはり、「結婚」って何のためにするの?
と尋ねたくなります。
「結婚、してみませんか」というシリーズ
(まだ終わっていませんが)私の以前のブログを転載して、このブログで
紹介しているのですが、そこで、結婚て?という課題で考えています。
チェックして頂ければと思います。

2つの調査結果の内容が、『「婚活」時代』の広まりに原因があるかの
ようにしているのは、ちとどういうものかと思わないでもないですが、交
際や結婚、性行動に対する意識が変わってきているのは否定できない事実。

より最近の事情については、以前紹介した、
恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚
牛窪恵さん著・2015/9/30刊・ディスカバー携書)
により詳しくありますので、いずれ紹介したいと思います。

 こうした行動、性向の裏には、必ずと言っていいほど、なにかしらの
不安感があるはずです。
 恥ずかしいという感情も、その時に経験あるいは体験するコトに対す
る何かしらの感情、不安・恐れを予想するが故のコト。
 マイナスのイメージ、予測が、こうした後ろ向きな行動を取らせる。
 行動しない行動パターン。不作為の作為。

でも、好き嫌いや心地良さの感情を持つ対象が、人や物に向けられる
ことがゼロになることはないはず。
そのどれであっても、そのコトを通して、関心が人にも向かうことも
多いはず。

多方面に関心を持ち、柔軟性を持つ若い世代に、さほど悲観を抱いて
いないのですが、これからどうなっていくでしょうか・・・。
人として、同様に、青春や壮年の世代を経験してきている先行世代
として、少しく気になるところではあります。

 次回、<意図せざる結果2>に続きます。

3
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「婚活」症候群』の構成は、以下のようになっています。
1.「婚活」流行の背景と影響(山田)
2.「婚活」の誤解と限界(白河)
3.婚活の現実と格差 あきらめる男性、疲れる女性(山田)
4.限界を突破するには(白河)
5.婚活の社会的効用 少子化対策としての婚活(山田)
6.進化する婚活(白河)
7.地方の婚活、世界の婚活(山田+白河)

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