結婚に対する意識の変化を提案した『「婚活」時代』が生んだ誤解:『「婚活」症候群』から(5)

「婚活」時代』(2008/3/1刊)の続編の
「婚活」症候群』(白河桃子・山田昌弘氏共著・2013/7/20刊・ディスカバー携書)

を参考にさせて頂きながら、「結婚」と「婚活」を考えるシリーズ。

第1章【「婚活」流行の背景と影響】(山田昌弘)
は、
第1回:「婚活」ブームがもたらした認識の変化「結婚できない不安
第2回:「婚活」が恥ずかしいことではなくなった時代の幕が開いて
第3回:『「婚活」時代』の誤算、恋愛抜きの結婚願望?
第4回:希望年収600万円以上の適齢期の未婚男性5.7%の狭き門への戦い

で通過し、今回から
第2章【「婚活」の誤解と限界】(白河桃子)に入ります。

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 第2章 「婚活」の誤解と限界(1)
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<婚活は、「わずかないい男の奪い合い」へと誤解されていった>

「婚活ブーム」と呼ばれる状況について、これはたいへんなことになった
と気が付いたのは、『「婚活」時代』を出版した年、2008年の年末です。
 夜、TV番組を見ていたら、森三中さんが「年収600万円以上の男は3.5%
しかいないから、早くそこに行くのよ~♪」という歌を歌っていたのです。
 私は慌てて、山田さんに「婚活は誤解されています」とメールを出して
しまいました。

 未婚女性の理想の男性は非常に少ないという事実は間違っていないので
すが、その意図は見事に誤解されていたのです。
 私たちが『「婚活」時代』で伝えようとした「男の人の収入に依存する
結婚観を変えよう」「共働き夫婦を基本に考えよう」、つまり
「昭和結婚から脱却しよう」というメッセー
ジは、ほとんど伝わっていな
いどころか、大きく誤解されてブームになっ
ていたのです。

 ある女子大生から「婚活は怖い」と言われました。
 こうしてブームになってテレビで取り上げられると、さまざまな誤解が
生まれます。
 テレビは動きのあるものしか映せない。
 それに対して、私たちの言いたいことは結婚に対する意識の変化なので
す。
 しかし、意識の変化を映像にはできないので、結局お見合いパーティに
集う人とか、PCの前で婚活サイトを使う人、婚活紹介サービスを使う人の
映像がテレビに出ます。
 それを見て、女子大生は「婚活する人=かわいそうな人」というイメー
ジを持ち、自分はああならないように、さっさと結婚しようと思うわけで
す。
 イメージとはこうして形成されるのだと、思いしった出来事でした。

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2012年の終わり頃、Amebloに投稿した結婚についてのブログを、
「結婚、してみませんか」というイージーなタイトルで、このブログに再掲
しています。

その頃は、『「婚活」時代』(2008/3/1刊)と『「婚活」症候群』(2013/7/20刊)
の間の時期で、「婚活」という言葉が、定着していた時期にあたります。
そして、白河さん・山田さんが悔やむ、婚活への誤解もほぼ定着していた・・・。

傍観者の私には、「婚活」は読んでそのとおり、「結婚」するために「行動」
「活動」することで、主に、結婚相手紹介サイトに登録して、出会い・見合
いの機会を設定してもらい、婚約・結婚までをサポートしてもらうこと。
そう映っていただけです。

当然そこで想像されるのは、両方の希望が叶う機会はそう簡単にはできない
だろうな、ということ。

その時には、『「婚活」時代』は読んでおらず、上になるような、かなり真
面目な議論・提言であったことは、私も知らなかった・・・。

それから、婚活サイトへの登録は、基本女性は無料で、男性は有料。
婚活合コンの参加費も、男性の方が高い。
など、男女同権とは言え、女性優位なのかな、くらいの感覚も持っていたと
思います。
(詳しく調べたことはなかったのですが・・・)

しかし、実態は・・・。
男女の焦りはどっちもどっち・・・。
時間とコストを費消する無力感を味わっている人の方が、当時から多かった・・・。

さて婚活の生んだ誤解。
もう少しその話を聞いてみたいと思います。

※次回、<婚活ブームのメリット>に続きます。

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