自信なし型も積極回避型も、恋愛以外に楽しいことがあればまだいい?:『恋愛しない若者たち』から(5)
『恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚』
(牛窪恵さん著:2015/9/30刊・ディスカヴァー携書)
を紹介しながら、若者世代をとおして、これからの時代の結婚や少子化に
ついて考えてみるシリーズ。
「第1章 恋愛レボリューション 何が若者たちを恋愛から遠ざけているのか?」
【第1節 若者たちの恋愛阻害要因① 「超情報化社会」がもたらした功罪】
第1回:最も若い大人世代の意識と行動を垣間見ます
第2回:性情報をめぐる状況・環境の違いがもたらす若い世代の意識
第3回:幻想としての恋愛・性は空腹を満たさない?
第4回:面倒で重い恋愛から逃避する若者の求めるバーチャル
今回は、第5回です。
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第1節 若者たちの恋愛阻害要因① 「超情報化社会」がもたらした功罪(5)
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<恋愛を遠ざける「ほかの楽しいこと」>
(飲食店でアルバイトしながら資格の教室に通う22歳女性Hの例)
「元彼は束縛が強くて、会っても『重い』だけだった」
元彼はフリーターで、いわゆるゲーマー。
最初はお互い、オンラインゲームなどのネタで盛り上がったが、彼女が
試験勉強で一度デートをドタキャンすると、翌日彼がツイッターで行動を
監視するように。
以来、「さっき男と会ってたろ!?」などとキレて、たびたびメールして
くるようになった。
結局、そのせいで別れたという。
(有名私大2年生で、イギリス留学準備中の20歳男性Tの例)
高校時代の同級生と2年越しの交際中だが、最近LINEのやり取りが
「重い」と嘆く。
「こっちが忙しいときに限って『この服どう?』って画像を送ってくる。
返事しなきゃしないで、『読んだくせに(既読スルー)!』って怒る。
いい加減、もうやめたい」
これに対し、Tがハマるネットサービスの「ぐぐすた」や、トークライブ
アプリ「755」では、いつでも気が向いたときだけ、好きなアイドル
「ぱるる(AKB48の島崎遥香)」のいまのアクセスできる。
ぱるるの「おはよ!」に「大丈夫?よく眠れた?」とレスすれば、1000
回に1回ぐらい運よく返事が返ってくることも。
そのほうがはるかに楽しくて胸もときめく、というのだ。
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2014年、高坂氏は恋人を欲しいと思っていない若者(男女900人)を
「欲しくない理由」別に4つにタイプ分けし、それぞれの年齢やアイデ
ンティティ、親密性などの相関をみた。
すると、最も恋愛に向かいにくかったのは「自信なし」型と「積極回避」
型の男女。
前者は、自分には魅力がないと感じるゆえに他者に傷付けられまい、恋
愛しないでおこう、とするタイプ。
後者は内向きで恋愛エネルギーが少ないゆえに、その消費を抑えて恋愛
リスクを回避したいタイプ。
いずれも、どちらかといえばコミュニケーション下手で内にこもりがち、
同性の友人もさほど多くないグループだった。
と、ここまでは、至極納得だ。
意外なのは、HやTのように社交的で趣味やバイトなど励んでいる者が
あり、かつエネルギー量もある「楽観予期」型の男女も、あまり恋人を
欲しがらないことだった。
このタイプは、「恋人より、趣味や勉強が優先」と思っていても、自然
と相手が寄ってきやすい。
これまでもそつなく、何でも順調にこなしてきたため、「恋愛なんて、
いつでもできる」と楽観視しやすい。
バーチャルなど、ほかに楽しいことがあれば「いまは要らない」と考え
やすいというのだ。
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例によって、「ぐぐすた」「755」「ぱるる」など、なんのこっちゃ、
のわたしです。
基本、嫌がられるのは、精神年齢が未熟で子ども思考・行動しかとれな
い男女。
まあ、いずれにしても、そういう相手をなんとなく一旦選んでしまう方
にも、まだ幼さがあると感じます。
で、結局、いろいろ気を遣わざるを得なくなるのが「重い」ことに・・・。
この辺は、自己責任の領域。
というわけで、相性の合う男女が出会うのは、ある意味偶然であり、
ある意味、選別する権利を持つ、自分自身の責任でもある・・・。
自らそういう望ましい相手を探したとしても、必ず得られる確証はなく、
その努力は徒労も、想像すると「重くなる」一因・・・。
でも、他に楽しめる対象と、それにかけるエネルギーがあればまだいい
のでしょうね。
そのかけたエネルギーが何かしらの形になり、そのアウトプットを発信
する、表現することから、波長が合う、相性が合う相手が見つかれば
重くならずに済み、ハッピー・・・なのですが・・・。
自信がない人も、籠った先でのアウトプット、なにか出せるといいので
すが・・・。
次回のテーマは
<男性も女性も、時短のひとりエッチへ。加速する性のセルフ化>
なんとも寂しい話になってしまうのでしょうか???