年の差婚人気で厳しさを増す、若い世代の恋愛・結婚作戦:『恋愛しない若者たち』から(11)

恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚
牛窪恵さん著:2015/9/30刊)
を紹介しながら、若者世代を通して、これからの時代の結婚や少子化について
考えてみるシリーズです。


「第1章 恋愛レボリューション 何が若者たちを恋愛から遠ざけているのか?」
【第1節 若者たちの恋愛阻害要因① 「超情報化社会」がもたらした功罪】

を終え、今回から、「第2節 若者たちの恋愛阻害要因②」に入ります。

これまでのブログリストは、文末に掲載しています。
お時間がありましたら、チェックしてみてください。

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 第2節 若者たちの恋愛阻害要因② :
「男女平等社会」と「男女不平等恋愛」のギャップとジレンマ
--昭和の恋愛幻想に縛られる若者たち--
(1)

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恋愛しない若者たち。
その背後には、恋愛以上における女性の早期(早熟)体験と男女格差の広が
りも横たわっていそうだ。

日本性教育協会の、1974年から2011年までの計7回に渡る経年結果を見ると、
74年の段階ではキスや性交の経験について、いずれも男子高生が女子高生を
4%ほど上回っていた。
たとえば、「キス経験あり」が男性26%、女性で22%、「セックス(性交)
経験あり」が男性10%、女性6%だ。

ところが81年のバブル予兆期、双方とも男女の経験率が逆転。
とくに近年は、高校生段階の男女格差が顕著だ。
同調査で11年の数字を見ると、「キス経験」では、男子37%、女子44%、
「セックス経験」では、男子15%、女子24%と、9%も女子に水をあけられた。

性経験率

今回我々が行った調査でも、18歳までにセックス経験した男女(独身)は、
男性20%、女性24%とやはり女性のほうが上だ。

そんななかで近年、同年代男性を「子どもっぽい」「頼りない」と見て、
年上との「年の差恋愛」に憧れる20代女性も増えている。
「同年代の男子なんて、奢ってくれない、話はつまんない、キスもうまく
ない。付き合っても三重苦なんですよ!」
あまりの物言いに目を丸くした。
4年前、恋愛に関する話を聞こうと、20代前半(当時)のOLに集まって
もらって話を聞いたときのことだ。
さらに驚いたのは、3人全員が20歳代前後も年が離れた、40代男性(うち
2人はバツイチ)と交際していたことである。

11年、私(牛窪さん)は、諸富祥彦氏と
【年の差婚】の正体~なぜ同世代に惹かれないのか~』という本を書いた。
その数年前から、若い女性の間で目に見えて「年の差恋愛・結婚」願望が
高まっていたからだ。

「50代男性との結婚はアリ」とする女性が、5人に1人(10年・扶桑社)。
私が『プレジデント』と共同で行った調査(11年9月12日号)でも、20代の
半数近く(45%)が「10歳以上の年の差でもOK」と答えた。

さすがに20、30歳近い年の差を乗り越えて結婚となると、芸能界でも一部
の俳優・タレントに限られる。
それでも「10歳以上の年の差婚は00年代に入って伸び始め、ある結婚相
談所の調査では「結婚相手が11~15歳年上」の女性が5年の間に、13%から
38%まで増えた(09年・アルバ)
厚労省の調査でも05年以降ずっと、「夫が7歳以上上」が初婚カップルの
1割を超えている。

昔から、大人への成長過程で、若い女性が年上男性に惹かれる傾向はあっ
たろう。
ただ、それだけでは説明がつかないほど、近年若い女性が目に見えて「年
上男性」を求め始めている。
いったい理由は何なのか。

実はそこに、恋愛レボリューションの二つ目、いまの20代男女が悩む
『男女平等社会』と『男女不平等恋愛』のギャップやジレンマが隠れて
いるのだ。

4
次回、
<日本だけじゃない、男性の草食化現象> 
に続きます。

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男性の子どもっぽさは、第一次性徴とか第二次性徴とかで、中学校などで
一応学習していることで、精神的にも肉体的に、誰もが人の成長過程にお
いて男女差として、ある程度自覚していることではあります。

成人すると、そこに、経済的な要素や仕事と能力、立ち居振る舞いという
言動・見識などの要素が加わり、若い世代は不利になる・・・。

特に種々の格差が取りざたされる現代では、一層、年の差格差も一つの大
きな要素となり、伴った行動格差・評価基準格差も現れることに・・・・。

諦めに似た感覚が若い世代の男性に広がる可能性が高くなりますね。

専業主婦を希望する女性が減るどころか、増える傾向もある昨今。
男性にとって生きにくい社会。
結婚や子どもを持つ人生には、10年程度のスパンでの作戦・計画が必要か
もしれません。
30歳半ば前後で、20代半ばくらいの女性と結婚するべく、実力・魅力をつ
けていく・・・。
あるいは、なんとか40歳に至るまでの間に、30歳前後の女性との縁がある
ように・・・。
そのくらいの年の差婚を想定した人生。
若い奥さんをお嫁さんにしましょう!
(羨ましい!?)

そううまくいくかどうか分かりませんが、自分から切り拓いていかないと・・・。
それから、反対に、年齢がかなり上の女性との結婚、というのも最近はアリ
とのこと・・・。

いろいろな組み合わせがあるでしょうから、結婚願望をしっかり持って、
前向きに・・・。

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「第1章 恋愛レボリューション 何が若者たちを恋愛から遠ざけているのか?」
【第1節 若者たちの恋愛阻害要因① 「超情報化社会」がもたらした功罪】

第1回:最も若い大人世代の意識と行動を垣間見ます
第2回性情報をめぐる状況・環境の違いがもたらす若い世代の意識
第3回:幻想としての恋愛・性は空腹を満たさない?
第4回:面倒で重い恋愛から逃避する若者の求めるバーチャル
第5回:自信なし型も積極回避型も、恋愛以外に楽しいことがあればまだいい?
第6回:女性向けアダルトサイトの必然性と性・恋愛・結婚観の変化
第7回:共感の裏返しとしての孤独に耐えられない世代が増幅する社会とSNS
第8回:別冊『現代用語の基礎知識』を読む感じの若者コトバ事例集、かっ!?

第9回:若者や世代の価値観を決めつけ、多様性も主張する矛盾
第10回:超情報化社会の恋愛か、貧情報化社会の恋愛か


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