婚活成功のための女性の変化の条件「自活女子」とカップルのあり方:『「婚活」症候群』から(15)
『「婚活」時代』(2008/3/1刊)の続編の
『「婚活」症候群』(白河桃子・山田昌弘氏共著・2013/7/20刊)
を参考にさせて頂きながら、「結婚」と「婚活」を考えるシリーズ。
第4章【限界を突破するには】に移りました。
前回
第14回:婚活を成功させるために必要な女性・男性・社会の変化を考える
に続き、今回は第15回です。
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第4章 限界を突破するには(2)
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<[女性が変わる]働く女性はたった三つの法則で結婚できる>
(1)自活女子になろう
まずは、自分の生活費は自分で稼ぐこと、自活できるようになること。
結婚した時の世帯年収を、相手の年収で見るのではなく、「自分の年収+
相手の年収」が世帯年収だと思ってください。
年収6百万円の人を必死で探すのではなく、自分の2百万円に相手の4百
万円を足すという発想になれば、相手の選択肢はずっと広くなります。
2013年のインターネットの調査によると、8割以上の男性が、結婚出産し
ても妻に働いてほしいと思っていて、5割以上が、妻の方が年収が高くて
もよいと考えています。
でも子どもが小さいうちは、前のように働けない。・・・・・・
それは仕方がないことです。
そんな時こそ補い合えるのが、カップルになるということです。
ある男性は資格を取りなおす学校に行くために、4年間奥さんに養っても
らいました。
その間は専業主夫兼学生としてしっかり子育てしていました。
同じことが子育て期間にも言えます。
妻は独身時代ほど働けなくても、職場に残れるように夫や周囲の人が全
力でサポートする。
一時期仕事を失うことがあっても、子育て期間に新たに資格などをとり
なおし、次の仕事につけるように、夫に「投資」をお願いしたという人
もいます。
収入も仕事も、カップルで一緒に築くと考えると、ずいぶん楽になりま
す。
とにかく、相手に「家事は丸投げ」「稼ぐのは丸投げ」ではなく、協力
し合うのが当然で、交代もありと、柔軟な頭で考えてください。
細くても長く働き続けられるように、会社に依存しすぎないということ
も大切です。
これは、男性も女性もですが、この会社をリストラになったらどうする
のか、ということは常に考えていなければならない時代です。
そうなってくると、一輪の車より二輪で動く車のほうがリスクが分散さ
れます。
だから立派な一輪車を探すより、「自分の年収+相手の年収」の二輪で
走る車を目指すのが正解だと思います。
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恋愛でも、パッと熱く燃え上がるのではなく、一部分では、クールに相手
を観察し、お互いに協力し合えるパートナーでありえるかをできるだけ見
極めてから選ぶ・・・。
そういう婚活が望ましいんでしょうね。
ところが『ルポ 母子家庭』を読むと、初めは協力的だった夫が、子ども
ができたら、あるいは自分が失業したら、豹変してしまう。
浮気が発覚する、DVがひどくなる、無気力になる、働かなくなる、お金を
まったく入れなくなったり、挙げ句、離婚、シングルマザーになってしま
う、という事例が多々取り上げられています。
こうした最悪のケースに至らないよう、相手をよく理解し、パートナーを
選ぶと共に、そうした最悪の事態をもありうると考えれば、自活できる力
をつけておくことが望ましいと思います。
この<自活女子になろう>とセットで、結婚・夫婦・子育てというプロセ
スで、男性側の理解・協力が必要であることも、明らかです。
[女性が変わり]助かった、ありがたい!と都合のいいように考えていれ
ばよいわけでなく、[男性も変わる]ことが、同時に必要であること、男
性諸氏は理解し、実践すべきこと、くれぐれも忘れないように・・・。
だからこそ、のパートナーであり、カップルなのであります。
なお「会社に依存しすぎない」という考えや備えは、夫婦だけの問題ではな
く、当然、家庭・家族を持っていても、独身であっても必要であることは、
理解できるものでもあります。
これが本当の意味の「自活」なのですね!
次回
<[女性が変わる]働く女性はたった三つの法則で結婚できる>
(2)時間の限界のあるものを軸に据える
に続きます。
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これまでのブログのラインアップです。
第1章【「婚活」流行の背景と影響】(山田昌弘)
第1回:「婚活」ブームがもたらした認識の変化「結婚できない不安」
第2回:「婚活」が恥ずかしいことではなくなった時代の幕が開いて
第3回:『「婚活」時代』の誤算、恋愛抜きの結婚願望?
第4回:希望年収600万円以上の適齢期の未婚男性5.7%の狭き門への戦い
第2章【「婚活」の誤解と限界】(白河桃子)
第5回:結婚に対する意識の変化を提案した『「婚活」時代』が生んだ誤解
第6回:婚活公認で女性がポジティブに。そして婚活未成就の負のサイクルが?
第7回:婚活ブームは「再婚活」「晩婚活」を呼び、婚活格差を招いた?
第8回:「釣り堀婚」「価格.com婚」そして「ロトくじ婚」?
第9回:結婚相手を選ぶ意識の変化以前に必要な、結婚への意識・考え方
第10回:強い女子力でも困難になった婚活時代は自活女子をめざす時代
第11回:「自活女子」「自活男子」化で一億総モラトリアム社会から脱却
第12回:社会的不妊と少子化を招く社会的不婚・未婚化改善のための働き方改革
第13回:「婚活」から「妊活」へは自然な流れ?
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◆「何のために結婚するのか」を考えるシリーズは、こちらです。
⇒ 「結婚、してみませんか」
◆『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング 』
(2012/3/20刊・講談社+α新書)