共に教育を提供する保育所と幼稚園から導く、義務教育化保育園:『保育園 義務教育化』から(7)

人気の若手男性社会学者古市憲寿氏の子育て・保育論保育園義務教育化』を
紹介しながら保育・子育て政策の転換と社会システムとしての構造改革を考え
るシリーズ。

【はじめに】
第1回:絶望の国の「お母さん」にしない、ならないために
第2回:待機すれば入園できるのか?お母さんを虐待する待機児童問題
第3回:「一人っ子政策」を進めているかのような日本の少子化対策の怪
第4回:少子化を克服したフランスの経済学者ピケティも不安視する日本の育児と少子化
第5回:子どもの数よりも猫と犬の数が多い現実
第6回:義務教育の早期化は世界的な潮流

今回は、第7回です。

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「お母さん」が「人間」だって気づいていますか?(7)
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おうち保育園の誕生

保育の質を心配する人がいるかも知れない。
 最近では「保育崩壊」と言われることもあるように、保育の現場では質の低下
が問題になっている。無理やり保育園の数だけ増やしても、悲惨な子どもが増え
てしまうだけかもしれない。だから保育園の質の向上ももちろん重要だ。

 また、保育園を増やすことに対して「ハコモノをこれ以上作るのか」とか「都
心部には保育園を建てる土地はない」といった批判をする人がいるかもしれない。

 実はそういった批判に応える、画期的な試みが始まっているのだ。
 暑苦しいことで有名な社会起業家の駒崎弘樹さんたちが中心に進めている小規
模保育(「おうち保育園」)だ。

 かつては認可保育園を作るためには「子どもの定員数は20人以上」という決ま
りがあった。しかし駒崎さんの働きかけで、「子ども9名に対して保育者3名」と
いった小規模保育園は、国も認めるところとなった。

 2015年4月に施行された法律によって「小規模認可保育所」が誕生したのであ
る。
 別名「おうち保育園」と呼ばれるように、小規模保育所はマンションやビルの
一室の設けられることが多い。一般の保育園のように園庭などはない。

 「園庭がない保育所」と聞くと悲惨なイメージが浮かぶが、「信頼できる保育
士さんの家に子どもを預ける」と思えばいい。
 事実、「アットホームで手厚い保育を受けられた」と利用者の満足度も高いと
いう。

 このような小規模保育所は、人口が減りすぎて、保育園自体が閉鎖されてしま
うような地方でも活躍できる。家でもできるし移転も簡単だ。
 そう、「保育園義務教育化」といったところで、何も大きな保育園ばかりを作
る必要はないのだ。

 ちなみにこの本では「保育園」という言葉も広い意味で使っている。
 日本では法律上「幼稚園」と「保育所」という言葉が用いられているが、最近
では共に「教育」を提供していたりどんどん差がなくなってきている。

 だから本書の「保育園」とは、小学校に入学する前の「公的な就学前教育」と
いう意味だと思ってほしい。別に保育所と幼稚園のどちらが優れているかという
議論をするつもりもない。

子
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園庭がないので、その代わりにどうやって遊ぶ、どうやっている、という紹介
があれば良かったのですが・・・。

小規模保育がいいのか、悪いのか、恐らく両面があると思います。
でも、少人数クラスの方が、ひとり一人に目が行き届きやすいと言えるかと。
でも、最も大切なのは、事業経営・運営の安定性と持続性。
いつの間にか閉園・閉鎖になっていた、ということがないように・・・。

継続できるということは、保育の質、保育士の確保とその質などが一定レベル
以上でなければ不可能ですから。

さて、幼稚園、保育所、共に教育を提供している、という表現が出てきました。
保育所と表現せず保育園と書き表す。
そこにも、ある含みがあることが窺えます。

小学校入学前の「公的な就業前教育」機関、機能としての保育園。
感覚的に分かってきました。

子3

 

次回は、<日本全体の「レベル」を上げる> です。

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このブログサイト<世代通信.net>のカテゴリーのひとつに
【保活・保育】カテゴリーがあります。

折々の関連する話題・ニュースなどを交え、保活や
待機児童問題や施設・
保育士問題などを軸にして取り上げてきています。

そこで関係図書を紹介しながらのブログシリーズでまず手掛けたのが
「子育て」という政治』。
昨年2015年10月に、『「子育て」という政治』からとして9回投稿

次が『ルポ 保育崩壊』。
このブログシリーズは現在も継続中で、以下で通算21回目。
待機児童問題解決に必要な子育て・保育行政の改革:『ルポ 保育崩壊』<共働き時代の保育>から(8)

そして、第3弾の保育園義務教育化』に入っています。

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