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両論併記は選択の自由の証。母乳派・粉ミルク派・折衷派みんなそれぞれお母さん:『保育園義務教育化』から(16)

保育園義務教育化』(古市憲寿氏著・2015/7/6刊)を紹介しながら
保育・子育て政策の転換とそのシステムの構造改革を考えるシリーズです。

【はじめに】
第1回:絶望の国の「お母さん」にしない、ならないために
第2回:待機すれば入園できるのか?お母さんを虐待する待機児童問題
第3回:「一人っ子政策」を進めているかのような日本の少子化対策の怪
第4回:少子化を克服したフランスの経済学者ピケティも不安視する日本の育児と少子化
第5回:子どもの数よりも猫と犬の数が多い現実
第6回:義務教育の早期化は世界的な潮流
第7回:共に教育を提供する保育所と幼稚園から導く、義務教育化保育園
第8回:保育園義務教育化は「未来への投資」。社会福祉の世代間格差も考える
第1章「お母さん」を大事にしない国で赤ちゃんが増えるわけない
第9回:母親と子どもとの個体分離。片手落ちのお母さん擁護論の幼児性
第10回:炎上させる人間自身の親や子としての在り方を問い返すべき
第11回:家族資源が希薄な時代の「お母さん」の産後ケアのあり方
第12回:子どもを産み育てる親の覚悟と、それを支える社会の覚悟
第13回:養子縁組の少なさよりも人工妊娠中絶の多さが大問題
第14回:母乳であろうと粉ミルクであろうと、母子共に健康であれば良し
第15回:粉ミルクならできるイクメン哺乳瓶授乳体験

今回は、第1章の第8回(通算第16回)です。

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 第1章「お母さん」を大事にしない国で赤ちゃんが増えるわけない(8)
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 <育児の世界も両論併記をすればいいのに

「母乳教」をはじめ、育児の世界にはとにかく0か100かの戦いが多い。
 漫画家の東村アキコさんが『ママはテンパリスト』で描くように、日本のママたち
の間では子育てに関する論争が勃発している。
 「母乳神話とミルク派の10年戦争」「卒乳派VS断乳派」「フォローアップミルク
6・9論争」「ベビーカー論争」など、ママたちは日々激論を交わしているらしいの
だ。そこで東村さんは、マンガの中で一切ハウツー情報を書かないことを決めたとい
う。

 だけど育児の世界に限らず、真相が不明で、決着していないことは世の中にたくさ
んある。そんな時に普段はどうしているのか。
 両論併記だ。

(中略)

 「母乳教」の人は認めたくないかも知れないが、僕が調べた限りでも母乳と粉ミル
クには一長一短がある。また国によってもアメリカやイギリスは母乳派が多いが、フ
ランスは粉ミルク派が多いといった違いもある。

 だったら、不幸な宗教戦争を生まないために邪馬台国方式、つまり両論併記を増や
せばいいと思う。

※次回に続きます。

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 世の中に溢れるハウツー本。
 それらを巡ってネットで論争。
 それが情報過多に輪をかけて、その拡散のスピードがまた瞬く間もなく・・・。
 一つは、他を気にし過ぎ症候群。
 一つは、自己主張過多症候群。
 二つが重なり合い、ヒステリック・不安・焦燥・過敏折衷&統合症。

要は、暇過ぎるんじゃないかと・・・。
要は、頼り、頼みにすべき人がいないのではないかと・・・。
そして究極、自分に自信がもてないのではないかと・・・。

でも、あまりに強く自信を持つことは、他を拒絶し、受け入れる余地・余裕を
なくすこと。
もっと軽くてもいい、もっとしなやかがいい、もっと柔軟がいい。
でも毎日の経験と毎日のちょっとした発見が、少しずつ自信に変わっていく、
変えていく。

母乳でも、ミルクでも、赤ちゃんが少しずつ成長していけばよい。
成長していくのを見ることで、自信がついてくる、お母さんとしての・・・。

子育てを終えた女性たち。
みんなほんとに強いです。

次回は<頼りにならない男たち> です。

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