男性の育休促進へ助成金はムダ金使い:希望者全員保育所入所可能化政策に集中を

2015/9/23付日経1面に
「男性の育休促進へ助成金
厚労省、子育て・仕事両立支援 女性に託児付き職業訓練 」
と題した記事が掲載されました。

厚生労働省からの提供情報を、とても良い政策のように取り上げてみた
わけですが、内容はとても評価できるレベルのものではないと思うの
ですが・・・。
日経氏(紙)の感覚、不思議です。

以下、用語解説と合わせて、引用しました。

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厚生労働省は育児のため、いったん仕事を離れる人々の支援制度
大幅に拡充する。
男性従業員の育児休業を奨励する企業への助成金を新設。
子育て世代の女性を念頭に専門学校などにも託児付きの職業訓練を
提供するよう促す。
男性の育児参加や女性向け職業訓練の拡充が、仕事と家庭の両立や
労働力の底上げにつながるとみている。

育児休業の制度を使う男性は少なく、配偶者が出産した男性全体の2.3%
にとどまる。
そこで新制度では助成金で企業の背中を押す。
1人目の従業員が育休をとれば30万円、2~5人目は15万円を企業に
支払う。6人目以降は助成しない。

対象は過去3年間に男性の育休取得者がいない企業。
男性従業員が配偶者の出産から8週間以内に5日以上の育休をとれば
助成金を出す

主に中堅・中小企業に男性従業員の育休を根付かせる呼び水としたい
意向というが・・・。

育休取得者の業務を引き継ぐマニュアルづくりなど、育休をとりやすい
体制を整えた企業に別途30万円の助成金を支払う制度も設ける

厚労省は「男性に特化して育休取得を助成金で支援する制度は初めて」
と話す。
出産後も女性が働き続けるには配偶者の協力が不可欠との判断が背後に
ある。

ということは、夫が育休を取得している間に、妻には働き続ける、また
は仕事に復帰させる準備をさせることを意図しているのか、どうか?

イクメン3
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一方、子育て世代の女性の再就職を円滑にする対策も拡充する。

託児所付きの専門学校などを補助金で普及させ、子どもを預けながら
職業訓練を受けられるようにする。

想定するのは世帯収入が25万円以下などの条件に当てはまる求職中の
女性だ。
受講者はまずハローワークと相談し、ITや介護など希望分野の講座を
選ぶ。
訓練期間は3~6カ月で、その間、毎月一定の手当や交通費を受け取れる。
手当は月10万円程度とする方向だ。

受講者は訓練中、専門学校が契約した託児所などを無料で利用できる。
託児費用の一部は政府が補助金として専門学校に支払い、子ども1人あた
り6万6千円とする方向。
厚労省は人手不足が続く介護分野や一般の事務職、営業職を中心に新制度
の普及をはかる。

とは言っても、
就労を希望する女性の職種向けの訓練プログラムの有無、女性の能力適性

を活かせる職種の求人や訓練プログラムの有無、など、構想は立派でも、
現実的に有効かどうかは極めて疑問です。

そしてそもそも、月10万円の手当で受講と生活両方が可能かどうかも疑問
です。

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女性の約6割は出産を機に退職する。

女性の労働力底上げには退職を減らすか出産後の復帰を増やす必要がある。
結婚を経験した女性を対象とする国立社会保障・人口問題研究所の調査で
は「子どもが3歳くらいまでは育児に専念した方がいい」との回答が77%
あった。

ただ経済界には「ITなどの進歩は急で、3年も休むと復職やキャリア
アップが難しくなる」との声もある。
新制度で育児と技能向上が両立できれば女性の復帰がしやすくなる。

頭痛
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育児休業 とは

育児・介護休業法に基づく制度で、働く人の子どもが1歳になるまで
休みをとる権利を与えられる。
保育所に入所できないなどの理由があれば、1歳6カ月まで延長できる。
男性でも女性でも対象となる。
正社員以外でも育休の取得は可能で、1年以上の雇用期間があり、かつ
子どもが1歳になってからも続けて雇われる見通しがあれば対象になる。

育休中の所得は、雇用保険を財源に支給する「育児休業給付」で補償
される。
支給額は最初の半年間が育休に入る前の賃金の3分の2、残りの期間が
2分の1となる。
2014年度の育休取得率は女性が86.6%、男性が2.30%だった。
官民とも子育て支援を重視するようになったため、10年前に比べて取得
率は男女とも伸びている。
ただ政府は男性の取得率を20年度に13%にまで伸ばす計画を掲げており、
目標にはまだほど遠いのが実情だ。

◆国の制度である育児休業とは別に、企業が独自に育児休暇の制度を設け
ている場合もある。
育児休業と育児休暇を組み合わせて2~3年休める制度にしている企業が
多い。
ただ14年度の雇用均等基本調査によると、育児休暇制度がある企業は全事
業所のうち18.3%にとどまり、広く浸透しているとはいえない。
500人以上の企業の51.6%に育児休暇制度がある一方、30人未満の企業で
は16.4%しかなく、大企業と中小・中堅企業で格差が大きくなっている。

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8

どうやら政府は、無理やりにでも出産後の女性を仕事に引っ張り出したい
意向のようです。
託児所に預けてでも、職業訓練を受けさせようとする・・・。
執念と言ってもよいようです・・・。

夫の育休取得自体が、どういう状況に、どのように取得したいか、夫婦の
実情・希望に即して行うことができるようにすべきですが、上のような政
策がそれを満たすものかどうか、疑わしいですね。

またまた政府得意の、そのとき限りの助成金・補助金政策。
下手をすると、このお金、企業のみ恩恵を蒙る、ムダ金化することに
なりかねない・・・。

子育て・育児支援政策の根本的な課題は、希望する保育所・保育園に全員
が入ることができ、質の保たれた保育サービスを受けることができるよう
にすること。
まずはそこに集中すべきです。

その制度・システムの基盤ができれば、女性の就労者は自ずと増えるはず。
得意げにマスコミに先行して流す価値がある情報ではないと思うのですが、
いかがなものでしょうか?

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