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待機児童ゼロ対策で保育所50万人分増設:施設と保育サービスの質の維持・向上は大丈夫?

2015/11/7 付日経で、
11月6日に安倍首相が都内で行った講演内容を紹介。
<待機児童対策、受け皿上積み 首相「50万人に」 17年度末ゼロめざす>
と題した記事を掲載しています。
その内容を引用しました。

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この講演で安倍首相は一億総活躍社会を目指す政策の一環として
待機児童の解消に向け2017年度までに50万人分の受け入れ先を確保する方針
を明らかにした。

12年12月の第2次安倍政権発足以来「保育所の整備スピードは2倍に加速」。
13、14年度に増えた保育の受け皿は約21万8600人分だった。
17年度までの見通しを加えれば約45万6000人分で、「50万人分」まであと
4.4万人に迫っている。

11月末にまとめる緊急対策に盛り込み、これまで40万人分としていた目標
を10万人分増やし、15年度補正予算で裏付けする意向。
17年度末に待機児童
ゼロを達成したいと強調した。

しかし、厚労省が9月末に発表した待機児童数は2万3167人と5年ぶりに

増加。
人手不足などを背景に働く女性が増えており、保育所の申込者は14年より
約13万人膨らんだ。
女性の活躍する場が広がり、保育の受け皿整備が追いつかないという、新
たな問題が生まれている。

また、保育施設を増やすにも保育所に適した用地が減ってきたのに加え、
や地方の財源確保の問題などハードルは多い。
そのため、厚労省は「企業の力を借りる必要がある」とする。
企業内保育所の設置を促すだけでなく、企業に少子化対策の財源を求める
仕組みづくりなども今後の検討課題になる。

地方では保育士不足の影響で保育所の開設が遅れるケースもある。
保育施設の拡充にあたっては保育士育成の取り組みも同時に求められる。

地方自治体や企業などに保育施設の拡充を促し、政権が掲げる出生率1.8の
実現につなげる。

首相は6日、首相官邸に若手起業家ら20歳代の男女12人を集め、一億総活
社会について意見交換を実施。
選挙対策に終わらない、効果的な政策と実行力が問われている。
保育園
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「待機児童ゼロ」をめざすことに当然異論はないですが、待機児童の定義と

数え方についての問題があることは、
 いい加減な待機児童適用解釈。加減可能な待機児童数は信じるな!:『「子育て」という政治』から(2)
というブログで紹介しました。
親が本当に望む保育所に入所できてこそ待機児童がいなくなるのですが、基
準を厳しく(緩く?)することで、待機児童にはカウントされない事例が多
数あると言
われています。

また、数を増やすことが優先され、認可外保育所が増えたり、保育施設と保

育サービスの質の低下も問題になっています。
そのあたりの事情・状況も、当ブログの<『「子育て」という政治』から>
シリーズで取り上げてきました。
そうした実際の具体的な諸事情や問題などが首相の耳に入ることはないでし
ょうから、ご本人は、自信満々で語ることになります。
知らない人が聞けば、当然、望ましいこと、素晴らしいことと評価すること
になるでしょうね。

介護離職ゼロ化の政策も同時進行で、新三本の矢政策、一億総活躍社会のキ
ャッチ・コピーとセットでアピール中。
⇒ 社会福祉法人の大都市特養運営規制緩和:介護離職ゼロ化・待機老人減少へ矢は届くか?

数字の上げ方・使い方を含め、広報活動・情宣活動になかなか長けていると、
最近つくづく感じています。

数には本来、質が伴うべき。
そこを、どのように確認していくか・・・。
マスコミの役割・責任が重いのですが、果たして機能しているでしょうか。
今後、機能させていくことができるでしょうか。
関心を持ってフォローしていく必要があります。

女性活躍を叫べば叫ぶほど、就業率が高まり、子どもを持つ女性の就労者が
増え、その結果、保育希望者が増え、待機児童も増える・・・。

本来それは想定内のことであるべき、あるはず。
金を出せば、補助金をだせば施設は増えるでしょうが、
結局、保育士不足や施設の質・保育サービスの質、利用者の希望に沿う施設
か否か・・・。
多くの課題は、金でなかなか解決できないということも想定されているか
どうか・・・。
気になるところです。

笑顔2

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