同性婚法制化の根拠になりうるか、LGBTが親になる先行事例・・・

2016/4/17 付日経の 【かれんとスコープ】というコラムで
「LGBT親になる 法の想定外 事例先行」
と題した、非常に興味深い記事が載りました。

以下、紹介します。

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「LGBT」と呼ばれる性的少数者で、親になる人が増えている。
レズビアン(女性同性愛者)の人が子どもを産むケースが多い。
日本では法的な整備はほとんどされておらず、水面下で現実が先行している。

※同記事掲載の画像をそのまま転載させて頂きました。

 都内に勤める40代のSYさんは今、女性パートナーと4歳の男の子を育て
ている。
「明るくてかわいい子。カブトムシの世話をさせられるのは大変だけど」。
佐藤さんは目を細める。
自分がレズビアンだと気がついてからも子どもは持ちたいと思っていた。
パートナーに出会い、提案してみると「いいんじゃない」との返事。
ネットを通じて3年以上、条件の合うゲイ男性を探し、精子の提供を受け
妊娠し出産した。

子どもを持つ決断をした女性カップル
※同記事掲載の画像をそのまま転載させて頂きました。

<レズビアンの出産、知人男性の精子で>
「ここl~2年、レズビアンに出産ブームがきている」。

東京都渋谷区の認定カップル第1号となったレズビアンの増原裕子さんは
こう話す。
国内外での事例をネットなどで知り「自分たちも」と踏み切るカップルが
多いようだ。
「女性は年齢的に出産のタイムリミットがあることも後押ししている」と
いう。
ゲイカップルの場合は産む代理母などが必要でハードルが高く、日本では
事例が少ない。

 女性カップルが子どもを持とうとする場合、知人男性から精子をもらう
ことが多い。
養子縁組や、不妊治療を目的として病院で実施される第三者の精子提供は、
法律上の夫婦でないと難しいためだ。

 30代の会社員でゲイのSTさんは数年前、友人の女性カップルから精子提供
を依頼された。
「していいことなのかさえ分からなかった」と振り返る。
情報を求めネットの海をさまよった。
答えは見つからず、友人や親、同僚にも相談した。
「責任とれるのか」「親のエゴじゃないのか」。
反対も多かった。半年以上悩んだ末、友人の希望に応えることにした。

 まずは感染症にかかっていないか調べ、提供を始めた。
女性カップルに月2回、採取した精子を手渡した。
1年以上かかったがやがて友人は妊娠した。
自分自身は子どもが欲しいと思ったことはなかったが、生まれた子を見に
行き「あぁ」という言葉にならない声が出た。
「僕にちょっと似てて。自分の子どもなんだと思った」

 水面下で進む現実。
問題もはらんでいる。一つは衛生上のリスクだ。
女性カップルは病院で人工授精を受けるのが難しい
そのため、個人宅で精子をプラスチックケースなどに採取し、注射器のよう
なもので体内に入れることが多い。
埼玉医科大学の石原理教授は「精液の採取や運搬時などに衛生上の懸念が
あり、性感染症のリスクもある」と指摘する。

<「子の権利奪えぬ」>
 もう一つは法律上の位置づけだ。
カップルと提供者の間では「認知しない」「子育てに関与しない」などの
約束をすることが多い。
しかし、LGBT支援も手掛ける中川重徳弁護士は「子どもには認知や
養育費、相続を求める権利がある。それは大人同士の約束では奪えない」
と話す。
子どもが育ったときなどにトラブルになるリスクは残る

 社会の反発もある。
増原裕子さんらが1月、ゲイ男性向けの代理出産セミナーを開いたところ
「倫理上許されるのか」などの反対論がネット上にあふれた。
ただ、自身も英国人女性との間に子どもを持つ神戸大学の青山薫教授
(ジェンダー論)は「子どもが差別されるとの意見があるが現実は進んで
いる。どんな親の元に生まれた子も差別されない社会にするように親や大人
が努力していくしかない」と話す。

 STさんは今後、他人に精子提供はしないという。
「子どもが大きくなったとき、ほかにも自分の子どもがいると知ったら
ショックだと思うから」。
 子どもの幸せを祈りつつレズビアンカップルを見守っている。

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<子どもつくる権利、欧米でも賛否 日本、議論は周回遅れ>

日本では同性間の結婚は事実上認められていない。
東京都渋谷区は同性カップルに「パートナーシップ証明書」を発行するが
法的効力はない。
現在レズビアンの女性が男性から精子提供を受けて出産すると、子どもは
婚外子となる。
男性が認知すれば戸籍上は男性が父親になる。

 早稲田大学の棚村政行教授(家族法)によると、同性婚を認めている国
は世界で20カ国以上ある。
その上で、英米豪などは同性カップルが子どもを養子として育てたり、
第三者からの精子提供などで子どもをつくる権利を原則認めている。
一方、独仏などは子どもを育てることは認めるが、第三者提供で子どもを
新たにつくることは議論中だという。
家族秩序を守るという視点から慎重な意見がある。

 棚村教授は「生まれている子どもについて、出自を知る権利などをどう
担保するか日本でも早急な議論が必要だ」と話す。

乳児3
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人としての生き方・感情の持ち方の多様性を尊重するダイバーシティ。
その基本的な考え、スタンスには、わたしも賛成します。

しかし、同性婚を法律で認めるか否かについては、「結婚」の意味・意義の
定義の問題を横において、決めることは不適切と考えます。

結婚という手続きで最も重視すべきことは、子どもを持った時の養親として
の養育義務・責任を法的に決定することにある。
ある意味、婚姻法制の意義は、そこのみにある。
極論ですが、私はそう考えています。

ふたつ目の意義は、夫婦・家族という単位社会が、税制や社会保険制度上の
課税や保険料納付、保険給付の単位として利用されることです。
当然、これは、夫婦・家族が生活を営む上での一つのインフラとして、非常
に重要なものであり、その起点となる結婚の意義を認める根拠となります。

このふたつ目の意義を利用する目的で、同性婚を法制化することを求める
ことには、わたしは反対です。
同性婚法規定化で同様のメリットを得ることが保証されれば、見かけ・見せ
かけの結婚をも認め、奨励することになります。
愛がない、形式同性婚、です。
(まあ、結婚後愛情がなくなった夫婦は多々ありますが。)

しかし、同性婚夫婦が、自らの意志で子どもを持ち、養育することになれば
わたしの考えは変わります。
というか、自分の精子または卵子による子どもでなくても、養子をとって養
育する場合も含めて、これは一つの結婚の原点というべき目的・意義をもつ
故に、同性婚を認めることが望ましい、あるいは認めるべきではないか・・、
そうなるのです。

結婚しない人が増える社会、子どもを持つことを望まない人が増える社会を
考えると、一層、同性婚も認め、養育の責任・義務、そして権利を認め、
保証し、支援すべき・・・。
そう考えるのです。
いかがでしょうか・・・。

合理性・論理性があるような、ないような・・・。
微妙な感覚ですが、ヒューマン、人のあり方、人生を考えると、そして人が
生きていき、世代を引き継いでいく社会を考えると、それは尊いこと、尊重
すべきこと、そう感じるのです。

仲良し5

もちろん、そんな気分程度で断定すべきではない、複雑な課題が記事のよう
に多々あります。
それらについては、次回、上記記事中の、早稲田大学・棚村政行教授と神戸
大学・青山薫教授へのインタビュー部分を紹介し、もう少し踏み込んで考え
ることにします。

 

 

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