保育所開設断念、延期、騒音訴訟:子どもに責任はない保育行政問題は大人の責任で的確に対応を 

2016/4/15付中日新聞に
「保育所の近隣住民が提訴 豊田、防音設備設置など要求」
と題した、以下の記事がありました。

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 園庭の子どもの声で生活に支障が出ているとして、愛知県豊田市の
私立保育所の近隣住民ら4人が、保育所を運営する社会福祉法人に防音
設備の設置や600万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁岡崎支部に
起こした。
提訴は3月30日付。

訴状などによると、原告側の調査で、園児がいる日中に平均70デシベル
前後の騒音を観測した。
この保育所は騒音規制の対象施設ではないが、市が対象施設に課す40~
45デシベル以下の基準を上回り、我慢の限度を超えていると主張。
4人は精神疾患などで入院・通院が続き、会社事務所での業務にも支障
が出ていると訴えている。

保育所は原告側に配慮するため園庭の周りに高さ3m、長さ28mの防音壁
を近く設ける。
これまでも原告側の声を受けて園児が外で遊ぶ時間や人数を制限し、運動
会は別の場所で開いてきたという。
園長は取材に「地域の方々に理解してもらえるように円満な解決を目指し
たい」と話した。

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そして、今日4月24日にネットで、毎日新聞配信で
「<保育所>住民反対で断念11件、開設遅れ15件」

とした、以下の記事を見ました。

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近隣住民の反対などで保育所開設を断念した事例が2012年度以降、全国で
少なくとも11件あったことが毎日新聞の調査で分かった。
住民の要望を受け設計を変更するなどしたため開設が遅れたケースも15件。
厚生労働省は待機児童解消に向け保育所などの整備を急いでおり、今後も
同様の事例が出ることを懸念。
各自治体に「早い段階から近隣住民に丁寧に説明し、途中経過も報告する
など理解を得られるよう努めてほしい」と求めている。

調査は、昨年4月1日現在で待機児童が50人以上いる自治体と政令市、東京
23区の27都道府県124市区町村を対象に実施し、全市区町村が回答。

断念した事例は、
・千葉県市川市、東京都杉並区、品川区、調布市、神奈川県鎌倉市、茅ケ崎市
・さいたま市、名古屋市、大阪府豊中市、福岡市、沖縄県北谷町の計11市区町
で1件ずつ。
うち開設予定は今年4月が4件、来年4月予定も1件あった。
理由は「道幅が狭く送迎時に事故が起きないか不安」「子どもの声がうるさい」
などと地域の反対が大半を占めた。

延期は、
・東京都世田谷区が5件、横浜市2件
・東京都目黒区、台東区、西東京市、小平市、調布市、神奈川県茅ケ崎市、
兵庫県伊丹市、沖縄県宜野湾市が各1件。
施設に防音措置を講じるといった設計変更などで1~3カ月遅れたケースが
7件、予定地の変更など当初計画から1年以上遅れた事例が7件。
昨年10月開設予定だった調布市の1カ所は、「開設時期は未定」。

反対する住民への対応では「丁寧に説明し理解を求めるしかない」との意見
が多い。

杉並区の担当者は「開園後も3カ月は園長が門に立ってあいさつし、近隣と
良好な関係を築くことが必要だ」と話す。
「着工まで近隣住民に説明せずもめてしまった」(東京都中野区)と対応を
反省する声もあった。

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都市部などではそれでなくても待機児童問題から施設不足が懸念されている
折り、こうした開設断念や遅延・延期は、自治体にとってだけでなく、利用
者にとっても大きな問題です。

しかし、もし自分が開園予定地の近隣に住んでいたら、無条件で、快く受け
入れることが果たしてできるか・・・。
正直、自信がありません。
やはり、住まいは、できるだけ閑静な環境が良い・・・。
今までそうした環境で生活してきていれば、その条件が維持できなくなるこ
とには、反対するだろうな、と思います。

もちろん、子どもたちには、健康ですくすく元気に育って欲しい。
それが可能な、安全・安心が保たれた環境で、保育され、成長して欲しいで
すし、子どもたちにはその権利があります。

故に、開所・開園に当たっては、出来る限り望ましい立地・環境を選考・選
択して欲しいと思います。

なかなか適地がないという事情も分かりますが、端から反対を受けそうだと
いう場所・立地も、調査段階で分かるはずですから、事前に尽くすべき対策・
手立ては用意周到に打つべきと考えます。

豊田市のような問題を考えると、防音設備や技術の開発ニーズが強くあるこ
と感じます。
視覚を遮る設備では、そこで遊び、学ぶ子どもたちによいことはなく、何か
しらの技術の組み合わせで保育園の子どもたちの声が外部にさほど及ばない
ようにできないものか・・・。

かなり価値の高い技術となり、他にも転用できるでしょうから、開発企業・
大学等が現れること、期待したいですね。

何にしても、子どもになんの罪もないことですから大人の責任として、必要
な保育施設が、問題なく開設・増設されていくよう、進めていきたいものです。

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