介護施設入居に保証人が必要。身元保証契約・身元保証制度問題:日経<130万人のピリオド>で見る「終活」模様(10)

2016/2/1から、日経が毎週月曜日の夕刊で
「130万人のピリオド」と題して、終活・人生の最期をテーマに
連載しています。
昨年の年間死者数が130万人を超え、今後も増え続けることが予想される社会。
その連載記事を順に紹介し、終活を考えてみます。

第1回:終のすみか。ホームホスピスも在宅で迎える最期のカタチ 
第2回:増える家族葬や直葬。火葬場待ちが常態化で友引火葬も当たり前
第3回:独居高齢者の孤立死リスクにどう対処するか?
第4回:「手作り葬」「家族葬」「直葬」。DIY終活が見えてきた!
第5回:「終活消費」対象のお墓対策と「おりん」? 
第6回:望む終末期・最期を、家族・医師に伝える文化形成を
第7回:ペット同居可能特養、ペット信託、ペット保険。ペットのための終活対策も
第8回:最期のあり方の選択肢として増える「献体登録」
第9回:増える無縁墓。改葬・墓じまい・共同葬、多様な選択肢と対応法

今回は、第10回の以下の記事です。

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 10.「おひとりさま」に保証人の壁  病院や施設、家族を求める(2016/4/18)
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 単身の高齢者が身元保証人がいないことを理由に、介護施設や病院への入所・
入院を断られるケースが絶えない
 施設側に、事故や死亡時の緊急連絡先や入院費・利用料の滞納があった場合の
支払いを確保したい事情があるためだ
 少子・未婚化が進み、保証人になる家族がいない高齢者は増えている
 年間130万人が亡くなる多死社会を迎え、新たな保証の仕組みを検討する時期に
きている。

 「身元保証人を求めること自体は問題ないが、保証人がいないことはサービス
提供を拒否する正当な理由には当たらない」。
 厚生労働省は3月7日、都道府県や政令市、中核市の担当課長らを集めて省内
で開いた会議でこう説明した。
 身元保証人のいない高齢者が病院や施設の入院・入所を拒まれる実態を重く見
て、指導や監督の権限がある自治体に対し、不適切な取り扱いをしないよう対応
を求めた。

 厚労省令では特別養護老人ホームなどの施設について「正当な理由なくサービ
スの提供を拒んではならない」と定めている。
しかし、多くの病院や施設は身元保証を慣例的に求めている
 成年後見センター・リーガルサポートの調査(2014年)では、病院や施設の
9割以上が保証人を求め、いない場合に入院や入所を認めないのは病院で23%、
施設で31%に達した。

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 病院や施設が保証人を求めるのは「費用が支払えない場合や亡くなった際の
引き取りなどで、家族や家族に準ずる人がいないと困る」ためだ。
 70代の女性は入院時に「夫が保証人になるだけではだめ。緊急連絡先として、
もう一人付けてくれと言われた」と明かす。

 だが、家族や親族以外に保証人になってもらうのは難しいのが実情で、保証
人機能を代行する事業者に依頼する例が増えている。

 名古屋市内で一人暮らしをする小林勝義さん(75歳)は、NPO法人おひとりさま
生活・身元保証契約を結んでいる。
 同NPOは身元保証のほか役所の手続きの代理・代行や、介護施設、病院へ
の入所・入院手続きなどの生活支援をする。
 契約時に払う利用料金は33万円だ。

 小林さんは現在、入院・入所を迫られる健康状態ではないが「いざというと
きのために契約した」という。
 子どもがなく、兄弟も愛知県内で離れて住んでいるため、急に親族の身元保
証を求められても対応できないためだ。

 同市に住む要介護2の男性(90歳)の場合は、ケアマネジャーから同NPO
へ身元保証の要請があり、契約を結んだ。
男性は妻を亡くし、身寄りがなく、
訪問介護、訪問看護を受けている。
身元保証契約は病院や施設への入所・入院
に備えての措置だ。

老女
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 こうした代行サービスはNPO法人や財団法人が手掛ける例が多いとみられ
る。ただ届け出制ではないため、事業者数などの実態は不明だ。

 利用の際は、ある程度、収入に余裕がないと難しい。
 生活・身元保証サービスに加え、火葬の立ち会いなど死後事務などまで含め
ると、100万円以上の料金になる例も少なくないようだ。
「リスクを負うのだから相応の料金に設定しないと事業が回らない」との声が
多く上がる。

 加えて、大手事業者の公益財団法人・日本ライフ協会が3月、預託金の流用
で運営が行き詰まるという事業者への信頼が揺らぎかねない事態も起こっている。

 それでも、身元保証の見直しや公的機関による保証機能の代行などが進まぬな
か、家族を当てにできない高齢者は事業者に頼らざるを得ない。
 NPO法人、シニアライフ情報センターの池田敏史子代表理事は「現実に身元
引き受けの市場は必要で、ニーズは拡大する」とみる。

 かつてあった地域社会や家族関係が大きく変わり、高齢者が置かれた環境は様
変わりしている。高齢者の意識も変化し、身元保証が可能な子どもや兄弟がいた
としても「あえて頼りたくない」という人も増えている。
 明治学院大学の河合克義教授は「身元保証問題は単なる家族の問題ではなく、
日本社会の構造問題。家族の助け合いを当然とする高齢期の生活支援は限界に
達しつつある」と話す。

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<公的関与、望む声多く 債務の連帯保証、疑問も>

病院や施設は保証人制度をどう考えているのだろうか。
成年後見センター・リーガルサポートが病院や施設を対象に実施した調査では、
身元保証人を求めなくても済むような制度について、病院で66%、施設で64%
が必要と答えている。

※同記事掲載の資料をそのまま利用させて頂きました。

 具体的な制度では、病院の97%、施設の95%が自治体や社会福祉協議会など
の公的機関が保証する制度や仕組みの創設・整備を望んでいる。

 保証制度に代わるもの(複数回答)としては「行政などによるセーフティー
ネットづくり」(病院62%、施設57%)が最も多い。
「後見人が(埋葬許可などの)死後事務ができるよう法改正を望む」が続いた。

 病院や施設が身元保証人を求める際、多くがその役割に債務の連帯保証を含
むのを疑問視する声もある。シニアライフ情報センターの池田代表理事は「身
元引き受けと債務保証の役割を分ければ保証人を立てやすくなる」と指摘する。

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少なくとも、看取り時に連絡先がない場合、対応に困る!
また、費用が発生し、清算(精算)が必要となった場合も・・・。
保証人を求めることに合理性・合法性はあると考えます。

一方、自身で判断ができない高齢者のために成年後見人となった者の横領や詐欺
事件が、最近表面化してきています。
(いずれ、この問題も取り上げたいと思います。)

今回の問題。
終活上、非常に厄介な課題のひとつです。

まさに、身寄りがない高齢者は増えるばかり。
少子化社会は、介護・看取り資源としての家族のあてがない高齢者が多い社会。

こうなると、施設も介護も、包括的な生活支援と看取りまでを、公的に行う仕組
み作りを本気で考えるべきなのでは・・・、そう思うのですが・・・。

民営化では、どうも犯罪化する確率が高まる気がして仕方ありません。
国が管理統制するというのも、好ましいことではないのですが、まだベターなの
かと・・・。

いずれにしても、身寄りのない人の看取り後の措置については、法律で何らかの
規定をしておく必要があるのは間違いないですね。
介護制度運用上の想定事項としても、必要です。
折りを見て、もう少し調べてみたいと思います。

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