
卵子凍結保存を順天堂大浦安病院が実施。千葉・浦安市が希望女性を助成
2016/6/10付日経夕刊
「卵子凍結保存 病院が実施 千葉・浦安市が助成」
という興味を引く以下の記事が掲載されました。
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千葉県浦安市が少子化対策として全国で初めて公費助成し、順天堂大
浦安病院と共同で進めている卵子の凍結保存研究で、病院が希望女性の
凍結保存を実施していたことが6月10日までに、関係者への取材で分か
った。
3月に病院の倫理委員会が女性4人の凍結を了承、動きが本格化して
いた。
近く病院と市が記者会見し発表する。
これまでに病院が開いた希望者向けの説明会には40人以上が参加して
おり、凍結保存は今後も続く見通し。
市は昨年夏から病院と共同研究を始めた。
昨年度から3年間で計9千万円の補助金を交付。
凍結卵子の有効性や少子化対策への効果を追跡調査する。
対象は市内在住で凍結を希望する採卵時20~34歳の女性で、卵子の
使用は原則45歳まで。
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調べてみると、この記事は
◆2015/2/23付で同じ日経が配信した
「卵子凍結、病院倫理委が個別審査 順天堂大浦安病院」
◆2016/3/12 配信の
「4人の卵子凍結承認 千葉・浦安市が女性に補助金 」
という記事の続報になることが分かりました。
この3つの記事を通してお読みいただければ経緯が理解できると思います。
なお、凍結保存卵子からの出産について、
◆健康女性が凍結卵子で出産。東京都港区が男性不妊治療を実質負担ゼロ化:妊娠・不妊支援技術と政策事例(2016/2/7)
で紹介したことがあります。
その中で触れた、凍結保存についての記述を転記します。
<卵子の凍結保存とは>
排卵誘発剤などで卵巣を刺激し、採取した卵子を液体窒素の中で凍らせ、
凍結保存する。
解凍すれば体外受精が可能で、受精卵を子宮に戻して妊娠、出産を目指す
ことができる。
卵子は細胞膜が弱く、凍らせると染色体が損傷する恐れがあるため、
精子や受精卵の凍結に比べて難しかったが、近年の保存液や急速冷凍技術
などの改良によって可能になった。
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子どもが欲しくてもなかなかできない人。
欲しい時期・年齢時までには何とか産みたい人。
費用はかかりますが、こうした技術で、課題が解決され、規模がかなう
なら、素敵なことと思います。
晩婚化、出産年齢の上昇などが普通になっている状況での対策・政策。
財政にゆとりがない自治体でしか、なかなか導入できない制度かもしれ
ませんが、少しずつ広がりを見せていくこと、願いたいと思います。
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なお、妊娠のための活動=「妊活」についての書
『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング』
(齊藤英和・白河桃子氏共著・2012/3/20刊)
を紹介するシリーズを
第1章「婚活時代は妊活時代」(白河桃子)
第1回:学ぶ「妊活」と、再考する「婚活」
第2回:出産後も正規職として継続就労した大半は公務員・教師という時代
第3回:妊娠・妊活、婚活に不可欠な強い意志・理性、責任そして愛情
第2章「教科書が教えてくれなかった卵子の話」(齊藤英和)
第4回:胎児のうちにすべての卵子が創られるって、知らなかった!
第5回:アンチエイジングできない卵子、思うままにならない妊娠
として(一部ですが)既に投稿しています。
お時間がありましたらチェックしてみてください。