内閣府・2016年版「高齢社会白書」と東京都高齢者調査を読み解くべし

1カ月近く経過してしまいましたが、
2016/5/20日経夕刊に、内閣府による2016年版「高齢社会白書」の決定を
受けての
「60歳以上「働きたい」7割 「収入ほしい」「老化防ぐ」 高齢社会白書」
という記事が掲載されました。
非常に簡略化したものでしたが以下、紹介します。

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政府は5月20日の閣議で、2016年版「高齢社会白書」を決定した。
 60歳以上を対象にした就業に対する意識調査で、

 白書によると、65歳以上の高齢者は15年10月1日時点で3392万人で、総人口
に占める割合は26.7%と過去最高を更新した。

高齢化推移
 雇用者は458万人で、60~64歳の雇用者(438万人)を初めて上回った。
 65歳以上の13.5%が仕事をしていることになる。

 意識調査では、何歳ごろまで働き続けたいかも聞いた。
 「働けるうちはいつまでも」が28.9%と最も多く、次いで「65歳くらい」
「70歳くらい」がいずれも16.6%。
収入を伴う就労を希望する割合の合計が71.9%に上った。

就業希望年齢
 働きたい理由は「収入がほしい」(49%)、「体によい、老化を防ぐから」
(24.8%)が多かった。
 老後の備えとして貯蓄や資産が「足りない」割合が5割を超えた。

 日本を含む4カ国の60歳以上を対象にした意識調査の結果も掲載。
 家族以外で相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人が「いない」
と答えた割合は日本が25.9%と最も高く、ドイツ(17.1%)、米国(11.9%)、
スウェーデン(8.9%)と続いた。

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この「高齢社会白書」の構成は以下のとおりです。

平成27年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況
目次
第1章 高齢化の状況
第1節 高齢化の状況
1 高齢化の現状と将来像
(1)高齢化率は26.7%
(2)将来推計人口でみる50年後の日本
2 地域別にみた高齢化
3 高齢化の要因
(1)死亡率の低下による65歳以上人口の増加
(2)少子化の進行による若年人口の減少
4 高齢化の社会保障給付費に対する影響
(1)過去最高となった社会保障給付費
(2)高齢者関係給付費は引き続き増加
5 高齢化の国際的動向
(1)今後半世紀で世界の高齢化は急速に進展
(2)我が国は世界で最も高い高齢化率である
第2節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
1 高齢者の家族と世帯
(1)高齢者のいる世帯は全世帯の約半分、「単独世帯」・「夫婦のみ世帯」が全体の過半数
(2)子供との同居は減少している
(3)一人暮らし高齢者が増加傾向
(4)女性の有配偶率は5割弱だが上昇傾向
2 高齢者の経済状況
(1)経済的な暮らし向きに心配ないと感じる高齢者は約7割
(2)高齢者世帯は、世帯人員一人当たりの年間所得が全世帯平均と大きな差はない
(3)高齢者の所得再分配後の所得格差は他の世代とおおむね同程度
(4)世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄は全世帯平均の1.4倍で、貯蓄の主な目的は病気や介護への備え
(5)65歳以上の生活保護受給者(被保護人員)は増加傾向
3 高齢者の健康・福祉
(1)高齢者の健康
(2)高齢者の介護
(3)最期を迎えたい場所は「自宅」が半数を超える
(4)延命治療は行わず「自然にまかせてほしい」が91.1%
4 高齢者の就業
(1)高齢者の就業状況
(2)高齢者の雇用情勢は改善傾向
(3)労働力人口に占める高齢者の比率は上昇
5 高齢者の社会参加活動
(1)高齢者のグループ活動
(2)高齢者の学習活動
(3)高齢者の世代間交流
6 高齢者の生活環境
(1)高齢者の住まい
(2)高齢者の居住環境
(3)高齢者の安全・安心
(4)高齢者による犯罪
(5)高齢者の日常生活
(6)高齢者の自殺
(7)東日本大震災における高齢者の被害状況
第3節 国際比較調査に見る日本の高齢者の意識
1 経済的な暮らしについて
(1)50代までに行った老後の経済生活の備えについて、「特に何もしていない」と回答する高齢者の割合は、日本が約4割
(2)貯蓄や資産は足りないとする高齢者の割合は、日本が57.0%
2 就労について
(1)収入の伴う仕事をしたいと回答した高齢者の割合は、日本が44.9%
(2)収入の伴う仕事をしたい主な理由は、日本とアメリカは「収入が欲しいから」、ドイツとスウェーデンは「仕事が面白いから」
3 友人・知人との交流について
(1)近所の人と「病気の時に助け合う」高齢者の割合は、日本が最も少ない
(2)相談や互いに世話をする友人がいないと回答する割合は、日本が最も多い
4 老後生活の満足度について
(1)日本の高齢者の77.5%は経済的に困っていない。
(2)調査対象国すべての高齢者の約9割が老後生活に満足している。
第2章 高齢社会対策の実施の状況
第1節 高齢社会対策の基本的枠組み
1 高齢社会対策基本法
(1)高齢社会対策基本法の成立
(2)高齢社会対策基本法の概要
2 高齢社会対策会議
3 高齢社会対策大綱
(1)高齢社会対策大綱の策定
(2)大綱策定の目的
(3)基本的考え方
(4)分野別の基本的施策
(5)推進体制等
4 高齢社会対策関係予算
5 総合的な推進のための取組
(1)社会保障制度改革国民会議について
(2)マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)
(3)一億総活躍社会の実現に向けて
第2節 分野別の施策の実施の状況
1 就業・年金等分野に係る基本的施策
(1)全員参加型社会の実現のための高齢者の雇用・就業対策の推進
(2)勤労者の生涯を通じた能力の発揮
(3)公的年金制度の安定的運営
(4)自助努力による高齢期の所得確保への支援
(5)年金生活者等支援臨時福祉給付金の実施
2 健康・介護・医療等分野に係る基本的施策
(1)健康づくりの総合的推進
(2)介護保険制度の着実な実施
(3)介護サービスの充実
(4)高齢者医療制度等について
(5)住民等を中心とした地域の支え合いの仕組み作りの促進
3 社会参加・学習等分野に係る基本的施策
(1)社会参加活動の促進
(2)学習活動の促進
4 生活環境等分野に係る基本的施策
(1)豊かで安定した住生活の確保
(2)ユニバーサルデザインに配慮したまちづくりの総合的推進
(3)交通安全の確保と犯罪、災害等からの保護
(4)快適で活力に満ちた生活環境の形成
5 高齢社会に対応した市場の活性化と調査研究推進のための基本的施策
(1)高齢者向け市場の開拓と活性化
(2)超高齢社会に対応するための調査研究等の推進と基盤整備
6 全世代が参画する超高齢社会に対応した基盤構築のための基本的施策
(1)全員参加型社会の推進
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平成28年度 高齢社会対策
目次
第1 平成28年度の高齢社会対策
1 高齢社会対策関係予算
2 一億総活躍社会の実現に向けて
第2 分野別の高齢社会対策
1 就業・年金等分野に係る基本的施策
2 健康・介護・医療等分野に係る基本的施策
3 社会参加・学習等分野に係る基本的施策
4 生活環境等分野に係る基本的施策
5 高齢社会に対応した市場の活性化と調査研究推進のための基本的施策
6 全世代が参画する超高齢社会に対応した基盤構築のための基本的施策
高齢社会対策関係予算分野別総括表(平成27年度、28年度)

シニア4

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とまあ、相当のボリュームですから、日経紙も「白書」でたよ!という
程度で済ましておくしかなかった?
私としても、「白書、出たね!」で終わらせずに、いずれ、世代通信.net
介護相談.net大野晴夫.com人事人材.com の各ブログサイトで、ブログ
テーマと関連する白書部分を取り出して紹介し、考えてみたいと思います。

この内閣府の公開内容は、どなたでも見ることができますので、ご関心があり
ましたら、是非こちらでチェックしてみてください。

それで、今回は、同白書内容と重なる、東京都の調査結果について報じた
2016/6/11 付日経首都圏版
「独居高齢者2割超す 昨年、都調べ 「66歳以降も働きたい」75%」
という記事を参考までにご紹介しておきたいと思います。

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 東京都内で65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、一人暮らしが2割を超えた
ことが都の2015年の調査で分かった。
 調査を開始した1980年と比べ、割合が約2倍に増えた。
 一方、66歳以降も働き続けたい高齢者の割合は75%と、5年前の前回調査よ
り増えた。
 企業などは高齢者を受け入れる態勢づくりが求められそうだ。

 都は5年に1度、65歳以上の高齢者の生活実態を調査している。
 15年は10~11月に面接し、4390人から回答を得た。

 15年は一人暮らしの割合が21%。
 1980年の11%から上昇し続けている。
 子や孫らと同居する世帯は42%で、35年前の7割超から減り続けている。
 地域から孤立しがちな高齢者への対策が急務となる。
都世帯構成

 65歳以上の人が配偶者や親などの高齢者を介護する「老老介護」の世帯の
割合は11%で、初めて1割を超えた。

都介護状況

 介護が必要になったときに「現在の住宅に住み続けたい」という人の割合
は50%。
 老人ホームやサービス付きの高齢者向け住宅などに入居を希望する人は3割
弱だった。
 自宅での介護を望む割合は多く、在宅介護の充実が改めて求められそうだ。

都介護住まい希望

 一方、調査結果からは「元気なシニア」の実態も浮かんだ。
何歳まで働ける社会が理想かを尋ねたところ「60歳」「65歳」の合計は18%
にとどまり、66歳以降も働けるのが望ましいとの意見が75%を占めた。
 前回10年調査の72%より上昇し「80歳以上で働けるまで」という回答も11%
あった。

都就業年齢

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「高齢社会白書」の東京都版という感じの調査。
その公開資料にもリンクを貼りましたので、ご覧頂ければと思います。
何かと話題になり、問題視もされている東京都の高齢者の将来。
これもじっくり見ておく価値はありそうです。

シニア3

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